大阪肛門科診療所は自由診療です。
保険が効きません。
診療費が保険診療に比べると
かなり高いです。
それでも
患者さんが来て下さるということは
本当に当たり前じゃなくて
すごく「有り難い」ことで
すごく変なんですが
来て下さる患者さんに
感謝の気持ちを持っています。
なんで自由診療なん?
そう思ったのは
何を隠そう
私たち自身です。
だって
私たちが自由診療の診療所を
開業したわけじゃないし
私たちが自由診療にしたわけじゃない。
自由診療の病院を
言葉は悪いですが
ある意味「仕方なく」
継がされたわけです
(義父さん、ごめんなさい)
社会保険中央総合病院 大腸肛門病センター(今は組織変更されて東京山手メディカルセンターという名称に変わっています)で研修した主人(院長)は、
大阪に戻ってきた当初は
俺がこの病院を保険診療に変える!
自由診療やめんねん!
って意気込んでましたから
だって
保険診療こそ絶対正義
っていう病院で勉強してきたワケだから。
当然といえば当然ですよね?
だけど・・・
その気持ちは
数年たたないうちに
無くなりました。
理由は色々あります。
一つは
今まで高いお金を払って
治療を受けに来てくれた患者さんを
裏切ることになる
ということ。
だってそうでしょう?
自分が大金はたいて買った商品が
二束三文になってたら
腹立ちません?
だけど
正確には
同じ商品じゃないんですけどね。
保険診療をやるとなると
1人の患者さんにかけられる時間は
3〜5分になるでしょう。
今の診療のように
説明をしたり
便を出してもらったり、
ちゃんと便が出たかどうか
もう一度診察したり
何度も便出ししたり、
もう一度診察したり
何度も便出ししたり、
出来ないと思うんです。
だから
そもそも売っている商品が
大きく違うんです。
二つ目は
保険診療の値段だと
肛門科だけでは
経営が成り立たない
ということ。
お恥ずかしいですが
これは経営面の問題です

肛門科の治療費は
保険診療では本当に安いです。
自分の技術なのに
一人一人技術が違うのに
み〜んな同じ値段です。
ペーペーの医者も
熟練の医者も値段は同じ。
肛門を専門にしてる先生も
専門外の先生も
治療の値段は同じです。
仕方ないです。
だってそれが
保険診療のルールだから。
保険診療においては
「医療は均一である」
ということが大前提ですから。
標準治療
ガイドライン
それに沿って
決められた値段で
認可された治療を行う
それが保険診療です。
単価が安いと
数をこなさなければ
売り上げを上げることが出来ません。
儲けようと思ったら
たくさん数を診て、
値段の高い手術をたくさんやらなければ
とてもじゃないですが
儲からないです。
まじめに良心的に
患者さんに時間をかけている先生ほど
儲かっていません。
たとえ技術があって
評判が良くても・・。
そして
肛門科だけでは
経営が成り立たないから
他のことも
ある程度やる必要があります。
内視鏡検査をやったり
風邪の患者さんも診察したり
腸の病気も診たり
手を広げることになります。
そうしないと
つぶれてしまうんです。
儲かる、儲からない
っていう問題ではなく
存続できるかどうかっていう
死活問題になります。
うちの診療所も
保険診療の時は
内視鏡もやっていたし、
儲からないです。
まじめに良心的に
患者さんに時間をかけている先生ほど
儲かっていません。

たとえ技術があって
評判が良くても・・。

そして
肛門科だけでは
経営が成り立たないから
他のことも
ある程度やる必要があります。
内視鏡検査をやったり
風邪の患者さんも診察したり
腸の病気も診たり
手を広げることになります。
そうしないと
つぶれてしまうんです。
儲かる、儲からない
っていう問題ではなく
存続できるかどうかっていう
死活問題になります。
うちの診療所も
保険診療の時は
内視鏡もやっていたし、
手術メインの施設だったようで
1日に手術が10件くらい
入っていたそうです。
それくらいやっても
経営はカツカツだったと
聞いています。
毎日、たくさんの患者さんの診察をして
午後から10件手術やって
夜は入院患者さんのことをやって
主人の父(先々代の院長)は
ほとんど家に居なかったそうです。
ずっと病院に泊まっていたそうです。
「あかん、こんなことしてたら
患者に殺される」
(変な意味ではありません)
と言っていた主人の父は
本当に
診察中にくも膜下出血で倒れ
63才という若さで
亡くなりました。
主人が大学5回生
私が大学6回生の時でした。
(私の方が年上で先輩なんですよ
)
まだ
私たちが付き合っていない頃の
出来事でした。
だから
私、義父に会ったことが
ないんですよね。
すごく著名な先生だったようで
学会で年配の先生方から
「佐々木茂雄先生のお嬢さん?」
って聞かれます
「いえ、娘ではなく息子の嫁です」
って答えてますが
体力的・精神的・経営的限界を
感じたのでしょう。
亡き義父が
昭和57年に自由診療にしました。
自由診療になってから
患者さんは半分に減ったそうですが
売り上げは倍になったそうです。
患者さんがたくさんいると
儲かっていると思われがちですが、
それくらいやっても
経営はカツカツだったと
聞いています。
毎日、たくさんの患者さんの診察をして
午後から10件手術やって
夜は入院患者さんのことをやって
主人の父(先々代の院長)は
ほとんど家に居なかったそうです。
ずっと病院に泊まっていたそうです。
「あかん、こんなことしてたら
患者に殺される」
(変な意味ではありません)
と言っていた主人の父は
本当に
診察中にくも膜下出血で倒れ
63才という若さで
亡くなりました。
主人が大学5回生
私が大学6回生の時でした。
(私の方が年上で先輩なんですよ

まだ
私たちが付き合っていない頃の
出来事でした。
だから
私、義父に会ったことが
ないんですよね。
すごく著名な先生だったようで
学会で年配の先生方から
「佐々木茂雄先生のお嬢さん?」
って聞かれます

「いえ、娘ではなく息子の嫁です」
って答えてますが

体力的・精神的・経営的限界を
感じたのでしょう。
亡き義父が
昭和57年に自由診療にしました。
自由診療になってから
患者さんは半分に減ったそうですが
売り上げは倍になったそうです。
患者さんがたくさんいると
儲かっていると思われがちですが、
たくさんの患者さんを診るためには
多くのコストがかかります。
スタッフの数も必要です。
建物の維持にも
莫大なコストがかかります。
(実はここが一番お金がかかる・・・

そして
意外に知られてないようですが
多くの医療機関は
多額の借金を抱えています。
うちの病院も例外では
ありませんでした。
(今も払ってますが・・・

自分の労働だけが収入に直結する「医業」において、
自分が仕事のペースを落とすことは
収入の減少を意味し、
ヘタすると診療所の
死活問題にもかかわるため
非常に勇気が必要です。
(怖くて休めないんです・・・

休むと収入が途絶えますし、
収入が途絶えても、
雇っているスタッフの給料や
建物の維持費だけは発生するので・・・)
亡くなった主人の父は
きっと色々と悩んだのだと思います。
それでも
その決断をしたことに
今では感謝しています。
きっと
私たちには
出来なかった決断だから・・・。
義母から聞いた話なのですが
保険診療をやめて
自由診療にした時に
「あ〜、これでワシも、やっと
お医者らしい仕事が出来るわ」
と義父が話していたそうです。
患者さんとゆっくり
話せる時間がとれたんでしょうね。
この診療所を継いだ当時は
「なんで自費なん?」
と疑問を持ち、
時には義父を
恨めしく思ったこともありますが、
自費だったからこそ
こうして残って来れたのだと
今では思っています。
保険診療だったら
とっくに病院は
つぶれていたと思います。
自由診療だったからこそ
色々と考えました。
悩みました。
苦しみました。
だからこそ
自費だから出来ること
自費でないと出来ないこと
って何だろう?
ってずっとずっと
考えて診療をやってきました。
保険診療の先生が提供しているものと
同じものを売っていては
意味が無いし
誰の役にも立たない
いずれ私たちは淘汰される
だから
自分たちにしか
提供出来ないものを
考え抜いて
提供してきたつもりです。
それに
価値を感じてくださる人が
来てくれればいい
そう思って
真摯にやってきたつもりです。
だけどそれは
あくまでも
私たち目線
私たちの視点。
価値を感じるかどうかは
患者さんが決めること
だから
自分たちが
「価値がある」と思ってることでも
人によっては
「価値が無い」と感じることもある。
そして
価値を感じる人が
この世から居なくなったら
私たちの仕事は終わります。
それは
自然の摂理でもあり
仕方がないと思っています。
仕事にしがみつく気は
全くありません
でもこうして
毎日、しかも遠くからわざわざ
来て下さる患者さんがおられるので
私たちは
診療を続けています。
いつまで続くか分かりませんが
誰かの役に立てる限り
細々とですが
診療を続けていきたいと思います。
なんだか
長くなってしまいました。
ちょっと言い訳めいた
愚痴めいたブログになり
すみません
と義父が話していたそうです。
患者さんとゆっくり
話せる時間がとれたんでしょうね。
この診療所を継いだ当時は
「なんで自費なん?」
と疑問を持ち、
時には義父を
恨めしく思ったこともありますが、
自費だったからこそ
こうして残って来れたのだと
今では思っています。
保険診療だったら
とっくに病院は
つぶれていたと思います。
自由診療だったからこそ
色々と考えました。
悩みました。
苦しみました。
だからこそ
自費だから出来ること
自費でないと出来ないこと
って何だろう?
ってずっとずっと
考えて診療をやってきました。
保険診療の先生が提供しているものと
同じものを売っていては
意味が無いし
誰の役にも立たない
いずれ私たちは淘汰される
だから
自分たちにしか
提供出来ないものを
考え抜いて
提供してきたつもりです。
それに
価値を感じてくださる人が
来てくれればいい
そう思って
真摯にやってきたつもりです。
だけどそれは
あくまでも
私たち目線
私たちの視点。
価値を感じるかどうかは
患者さんが決めること
だから
自分たちが
「価値がある」と思ってることでも
人によっては
「価値が無い」と感じることもある。
そして
価値を感じる人が
この世から居なくなったら
私たちの仕事は終わります。
それは
自然の摂理でもあり
仕方がないと思っています。
仕事にしがみつく気は
全くありません

でもこうして
毎日、しかも遠くからわざわざ
来て下さる患者さんがおられるので
私たちは
診療を続けています。
いつまで続くか分かりませんが
誰かの役に立てる限り
細々とですが
診療を続けていきたいと思います。
なんだか
長くなってしまいました。
ちょっと言い訳めいた
愚痴めいたブログになり
すみません

診療所のセラピードッグ「ラブ」

真ん中の耳を広げている犬がラブです

垂れ耳の犬なのに
話しかけると耳を広げて
一生懸命聴き取ろうとするんですよ
