受付スタッフが言った言葉を
ブログのタイトルにしました。
今まで20年間、
色々な人を雇ってきましたが、
この言葉が出た人は
初めてでした。
「私たちは患者さんのために
働くんじゃない。
先生が働きやすいように
場を整えることが私たちの役目。
患者さんのために何か出来るのは
先生方だけだから
私たちは
先生方が患者さんのために
ちゃんと働けるよう
先生方の負担を
少しでも減らせるよう
先生のために働く。
それが回り回って
患者さんのためになる。」
そう言われました。
新しく入ったスタッフにも
そう説明していました。
ちょっと感動しました。
私は今でこそ
「人を雇う」立場にいますが
昔は「雇われる」立場にいました。
どちらも経験したからこそ
分かることがあるのですが、
誰のために働いているのか?
自分の顧客は誰なのか?
この視点は
雇われている時には
分かりませんでした。
目の前の患者さんが
自分の顧客だと思ってました。
でも勤務医である私の顧客は
私を雇って下さっている
院長だったんですよね。
私は医者なので
「患者さんのために」働くことが
絶対正義で
たった一つの正解だと
思っていました。
でも
自分が経営者サイドになり
人を雇うようになってから
気付きました。
私たちの顧客は患者さんだけど
スタッフの顧客は私たちだと。
なぜなら
医療機関に置いては
患者さんに医療を提供出来るのは
医師だけだからです。
もちろん
看護師や臨床検査技師、
放射線技師など
他の有資格者も
患者さんの採血をしたり
点滴をしたり
検査をしたり
医療行為を一部行えますが、
医師がいなければ
医療機関が営業することは
出来ません。
患者さんのために頑張るのは
スタッフではなく
私たち医師の役割です。
だから
医師以外のスタッフは、
医師が最高のパフォーマンスを
発揮できるよう、
医師をサポートすることが
主な仕事となります。
患者さんの一番近くに居て
医療行為を行う看護師ですら
医師の指示がなければ
医療行為を行うことは出来ません。
ましてや
受付事務職など
いわゆる「無資格者」は
医療行為は出来ませんから、
資格がなくても行える業務を
任されることになります。
そこで
陥りがちな勘違いが
「患者さんのために」仕事をする
というスタンスです。
一見、とても良いことのように
思えるのですが、
「患者さんのため」が
「医師のため」にならないこともあり、
いずれ「根源的な違い」が
露呈します。
今まで
何度も
そんな経験をしてきました。
誰の方を向いて
仕事をしているのかは
何か事が起きると
すぐに分かります。
悲しいですが。。。
医療機関で働く人は
とかく
患者さんに目が行きがちです。
それは仕方がないことだと思うし
私もそうでしたから
偉そうなことは言えません
でも
意識と視点を伝えることで
仕事のあり方が
変わってくると思うんです。
私の言うことが
すべての医療機関や
医療従事者に当てはまるわけでは
ないでしょう。
だけど
大阪肛門科診療所では
私たちがルール。
私たちが医療に集中できるよう
サポートしてくれる人と
一緒に
幸せに仕事がしたい。
ずっと
そんな思いを抱いて
人事をやってきました。
たくさん失敗もしましたし
つらくて悲しい思いも
してきました。
だけど
今は
「私たちのために」
一生懸命やってくれる
スタッフに囲まれて
穏やかに
気持ちよく
仕事が出来る気がします
意識と視点の共有は
職場でも家庭でも大切ですね。
ハッとさせられた
スタッフの言葉でした

