やり直しの手術は難しい | みのり先生の診察室

みのり先生の診察室

5万人以上の「オシリ」を診察してきた
肛門科専門医の女医がつづる
お尻で悩める人へのメッセージ

大阪肛門科診療所は自由診療です。

保険が効きません。

保険診療に比べると

治療費が高いです。


だから・・・

というわけでもないのでしょうが

セカンドオピニオンの患者さんが多いです。


色々な肛門科を回ってから

最後の砦だと思って

来られる方も多いです。


中には他の肛門科で手術を受けた患者さんもおられます。


最近増えてきましたね・・・。


手術受けたのになぜ来るの?


それは治ってないからです。


手術の傷が治ってない

というケースもありますし

手術の傷は治ったけど
ちっとも痛みが無くならない


とか

手術を受けたけど
受ける前と全然何も変わらない!


とか

出ているモノは無くなったけど
手術してから便が出にくくなった


などなど

悩みは様々です。


今日来られた患者さんが

他の肛門科に問い合わせたら

「よそで手術受けた人は診ない」

と断られたとおっしゃってました。


「手術のトラブルに関しては手術をやった先生に言ってください」

と電話口で言われたそうです。涙


ごもっともです。

本当にその通りだと思います。

私も同感です。


でもね

患者さんの話を聞くとね


ちゃんと手術した先生に言ってるんです。


まだ症状が取れないこと

つらい症状が続いているから何とかして欲しいと。


ちゃんと先生に聞いてるんです。


いつ治るんですか?
ずっとこのままなんですか?
何でこんなに痛みが続いてるんですか?



だけど

「傷はもう治ってます」

の一点張りだったり

「あなたの便通が悪いから」

と言われたり

「この薬を使い続けたら必ず治るから」

と言われたり・・・



だけど

手術して何ヶ月も何年も経ってるのに

何も変わらない
ずっと痛い
出血も続いている


そんな症状で苦しんでいるわけです。


一体、何のために手術受けたんだろう・・・ガクリ

治ると思って受けたのに・・・ハァ



と精神的にも落ち込むようになります。



手術したことを後悔し

自分を責め

生きることまで辛くなっている人も

今までたくさん診てきました。涙


正直、他の肛門科で手術を受けた人は難しいです。

私だって

診たくない・・・

と思います。


だって

手術前の肛門の状態も分からなければ

どんな風に手術したのかも分からない


自分がやった手術であれば

最後まで自分が責任を取りますが

他人がやった手術です。


どう修正すればいいのか

どうすれば傷が治るのか

症状が無くなるのか


色々と悩むことが多いです。


また

切りすぎた肛門は元に戻らないので

「手術する前の肛門」に戻してあげることは出来ませんやる気なし


だけど

自分が出来る最善を尽くしています。


幸い、今までの患者さんたちは

やり直しの手術で治っています。


すごく喜んでくださっています。


でも

初回手術の患者さんに比べると

治るのに時間がかかったり

何度か手直しが必要だったり

一筋縄ではいかないことが多いですド●モ風③



手術したら絶対に治ります!

手術したら絶対に良くなりますよ!

などと

甘い話は出来ません。


正直、やってみないと分からない。


だって

医療は結果が保証出来ない仕事だから。


それを分かった上で

手術を受けて欲しいです。


やり直しの手術は本当に難しいです。


それでも

やり直しの手術をしないと

治せないケースが多いです。


それをやりたがらない肛門科の先生も多いでしょう。


でも

患者さんが望むのであれば

私たちはチャレンジしないといけないんだろうなぁ。ド●モ風③


だって

最後の砦だから。


そうなれるよう

日々、技術を磨いていこうと思います。

blog814

診療所のセラピードッグ「ラブ」らぶ
右端がラブですトイプ-アプリコット
犬のようちえんでは
他の犬とも一緒に
集団トレーニングをします肉球。