押し込んだら腫れがひどくなった?! | みのり先生の診察室

みのり先生の診察室

5万人以上の「オシリ」を診察してきた
肛門科専門医の女医がつづる
お尻で悩める人へのメッセージ

出てるモノは何でも押し込めばいい!

ってわけじゃありません^_^;

押し込んだら余計に腫れて痛くなる痔もあります。

その代表が血栓性外痔核です。

セカンドオピニオンで来られる患者さんの中に、

救急外来を受診して、診察の時に肛門の中に押し込まれてから余計に腫れて痛くなった・・・

と言って来られる人がいます。

そのほとんどが血栓性外痔核でした。

これ、押し込んだら刺激で余計に腫れ上がって、痛くて動けなくなる人もいます。

だから基本的に、そーっとして触らないようにするのがベスト。

以前のブログにも書きました。

血栓性外痔核について知らない方は是非、読んで下さいね。

「血栓性外痔核」の詳しい解説はコチラ↓

「消えてなくなる痔」
「オシリの風邪?!」
「押し込んではいけない痔?!」
「オシリの血豆はなぜ出来る?!」
「『痔=手術』じゃない!」
「見なきゃ・診なきゃ分からない」


救急外来は受診する時間帯にもよりますが、何科のドクターが待機しているのか分かりません。

当然、肛門の専門医でないことがほとんどでしょう。

だから血栓性外痔核脱肛嵌頓痔核(かんとんじかく)の判別が出来ていません。

血栓性外痔核なのに「ひどい脱肛」と診断を受けている患者さんが多かったです。

脱肛と血栓性外痔核は違いますよ。

全然別の疾患ですからね。

当然、対処法も治療も違ってきます。

だけど専門外のドクターだと分かりませんよね^_^;

仕方ないと思います。

blog207

診療所のセラピードッグ「ラブ」
犬の痔は見たことありませんが
ラブが痔になったら分かるかな?
治療もうちで出来るかな?



血栓性外痔核は痔がない人にも突然出来ることがありますから、誰でもなる可能性がある痔です。

ところが嵌頓痔核(かんとんじかく)は、元々、イボ痔(痔核・脱肛)を持っている人がなります。

たまにイボ痔に気付いてない人もいますけどね^_^;

痔核内に血栓が出来て、腫れ上がってしまうんです。

トイレで頑張ったら腫れた-!

とか

いつもなら脱出した痔核を手で押し込んだらすぐに入るのに、今日は入らなくて、どんどん腫れてきたー!

とか

長時間立ったり歩いたりしていたら、なんとなーくオシリのあたりが重だるいような、熱いような感じがして、トイレに行ってオシリを触ると大きく腫れていた

とか

普段からイボ痔(痔核・脱肛)を持っている人がなる病気です。

だから何も突然、大きなイボ痔(痔核・脱肛)が出現したわけじゃないんですよ^_^;

この嵌頓痔核、スッゴク痛いんですよ(;。;)

歩けない・・・
言葉も出ない・・・
何も口に出来ない・・・


という状態で来られた患者さんもおられましたね。

妊婦さんも多かったです。

今スグ手術して下さい!

って懇願された患者さんもいました(;。;)

それくらいつらいってことです。

でもね。

どんなに腫れていても2週間くらい経つと腫れがひいて楽になってきます。

だから慌てて手術を受けなくてもいいんですよ(*^_^*)

もちろんその間、

地獄の痛みを我慢しろ!

って言うわけじゃないですよ^_^;

ちゃんと痛みを緩和させるような手段を持ってます(^_^)v

色々な治療がありますが、私は基本的にオシリを温めてもらいます。

お風呂にゆっくり浸かる
カイロを当てる


など、何でもいいです。

とにかくオシリを温めてもらいます。

そして痛み止めの軟膏や注入軟膏を使ったり、最近では漢方薬を使うことが多いですね。

飲んでもらうだけでなく、漢方薬の湿布を作って、しばらく患部に貼り付けるんです。

そうしたら15分くらいで

痛みが楽になってきた・・・

と患者さんに喜んでもらっています。

歩いて診察に来れなかった人でも、歩いて帰れます(^_^)v

特に妊娠中は手術も出来ない、薬も出来るだけ使いたくないので、

この漢方薬湿布、多用しています。

今まで、たくさんの妊婦さんに対して治療を行ってきましたが、

皆さん、無事に出産を終えられ、ひどかった腫れも時間と共にしぼんでいきました。

だから慌てたり悲観する必要はありません(*^_^*)

でも、対処法を誤るとかえって症状を悪化させてしまいます。

だから診断が大切!




あなたは出てるモノは何でも押し込めばいい!

って思っていませんか?

押し込んだら余計に腫れて痛くなってませんか?

それって本当に押し込んだ方がいい痔ですか?



クリックお願いします!

 にほんブログ村 病気ブログ 痔(ぢ)へ

大阪肛門科診療所オフィシャルブログはコチラ↓

痔の治療専門に100年以上続く肛門科の専門医が教える