手術のタイミング | みのり先生の診察室

みのり先生の診察室

5万人以上の「オシリ」を診察してきた
肛門科専門医の女医がつづる
お尻で悩める人へのメッセージ

うちの診療所では、よほど痔がひどくて排便が苦痛とか、患者さんの強い希望がない限り、

すぐに手術をせずに、まずは便通のコントロールを行います。

痔の治療の第一歩は正しい排泄だと思っているので、ここをとっても大切にしています。

で、便通を直したら痔が良くなっちゃう人が多いんです。

手術を考えて受診した人でも、症状が良くなると気が変わります^_^;

やっぱり手術するの、や~めた!

ってなるケースが多いです。

でもね。

例えば、痔核(イボ痔・脱肛)の場合だと、痔核は無くなってないんですよ。

ちゃんとあるんです。

だから痔が完治したわけじゃない。

だからいずれ、いつになるのか分からないけど、手術を受ける日がやってくるんです。

もちろんず~っと調子が良くて、死ぬまで手術せずに済めば一番いいんですけどね^_^;

立派な脱肛になると、なかなかそうはいきません。

で、手術を受けるタイミングが大切なわけですよ。

いつ受ける?
どのタイミングがいい?


皆さん、迷われます。

これは人によって違うので、最終的には自分で決めてもらうしかないのですが、シンプルに言うと

手術したくなったら受けて下さい!

ってことになりますね^_^;

痔があっても何も困ってることが無ければ、持っててもいいんです(*^_^*)

blog195

診療所のセラピードッグ「ラブ」
フードを食べるときは「スヌード」というキャップをかぶります
耳が汚れないようにします
かわいいでしょ(*^_^*)


手術を受けたくなるきっかけや理由も患者さんによって色々です。

痛くてもう耐えられない!

って切羽詰まって受ける人もいます。


別に痛くもなんともないけど異物感があって気持ち悪い

見た目が気になる

いつも肛門に何か挟んでいるのがイヤ!


と言って、受ける人もいます。


便器が殺人現場っていうくらい出血する

痔からの出血で貧血になっている


という理由の人もいます。

要するに手術をする理由は人によって様々。

何でもいいです。

受けたければ^_^;

でも、若い女性には手術のタイミングがあります。

痔の症状と関係なく「この時期に受けた方がいいよね」というタイミングです。

なぜなら、妊娠中はどんなに痔がひどくても手術出来ないからです。

だからちゃんと治してから妊娠しよう、あるいは結婚しようという人も結構います。

結婚する前に内緒で手術を受けに来られる若い女性もいます^_^;

ホントは内緒じゃなくて、ちゃんと話して欲しいんですけどね^_^;


また何も妊娠・出産だけじゃないです。

例えば就職前に治してしまおうという大学生もいます。

だって就職して仕事をし始めたら休みも取りにくいし、職場にも言えないでしょ^_^;

手術した後は治るまで通院だって必要だし、仕事が忙しいと中々難しいですもんね。


また夏休みや冬休みなどを利用して手術を受ける高校生もいます。

それなら学業に影響もないし、友達や学校にも内緒にできますからね^_^;


シルバー世代に人には必ず言うことがあります。

もし手術を受けるのであれば、ちゃんと自分の身の回りのことは自分で出来て、自分の足で歩けて、健康で元気なうちに受けて下さいね!

って言います。

だって、手術を受けるには「手術に耐えうる体力」が必要です。

手術も出来ないくらいヨボヨボになってたら、手術自体がリスクを伴う危険な行為になってしまいます(;。;)

痔以外の重篤な疾患のせいで、手術をお断りすることだってあります。

元気じゃないと手術を受けられないんですよ。

何歳までなら大丈夫!っていう線引きはありません。

でも目安は85歳くらいでしょうかね^_^;

人によりますが・・・。


いつまで痔と付き合えるか

いつ症状が悪化するのか

それは分かりません。

徐々に悪くなる人もいれば、ある日突然悪化する人もいます。

悪化してにっちもさっちもいかなくなってから手術を考えるのか、

そうなる前にちゃんと治療するのか

それはあなたが決めて下さい(*^_^*)

あなたが決めていいんです(*^_^*)


手術のタイミングは大切です。

あなたのタイミングは何でしょう?

就職?長期の休み?

結婚?妊娠?出産?

タイミングは自分で決めていいんですよ(*^_^*)

よく考えて計画を立てましょうね。