あなたは「切って治したい」のか「切らずに治したい」のか | みのり先生の診察室

みのり先生の診察室

5万人以上の「オシリ」を診察してきた
肛門科専門医の女医がつづる
お尻で悩める人へのメッセージ

昨日、他の肛門科で手術の申し込みをしているセカンドオピニオンで来られた患者さんの話を書きました。

患者さんも迷うことが多いですよね。

今は情報があふれていますから。

でも、それは患者さんにとって、いいことだと私は思っています。

一つの情報しか与えられないと「それがすべて」になってしまう。

だけど色々な意見があると「自分が選べる」ってことですから。

そう。

たくさんの意見と選択肢があるんですよ。

その中から誰を信じるのか、どの選択肢を選ぶのか、それはあなたの自由なんです。

自分で決めていいんです。

色々な意見を聞くと頭の中がこんがらがってしまって、パニック状態に陥る患者さんもいますが、問題は至ってシンプルです。

切って治したいのか
切らずに治したいのか

切らずに治せるのか
切らないと治せないのか


ただそれだけなんです。

どの道を選んでもゴールは同じ。

今悩んでいるオシリの症状が無くなって快適な生活を送ることです。

そのゴールに到達するために、手術という手段を用いるのかどうかってことだけなんですよ。

要するに手術してもしなくても、治ればいいわけでしょ?

大切なことを見失ってはいけません。

大切なことは手術をするかどうかではなく、治るかどうかなんです。

blog187

診療所のセラピードッグ「ラブ」
バンドの練習にラブも参加しています
最初は大音量に驚いていましたが
すっかり慣れました^_^;


スタート地点に戻ってみましょう。

あなたはなぜ、肛門科を受診したのですか?

何かオシリに問題を抱えていたからですよね?

それは痛み?出血?脱出?かゆみ?

症状も色々あるでしょう。

何か困ってることがあるから、それを解消しようと思って肛門科に行ったんですよね?

それで、今もその症状がありますか?

まだ困っていますか?

もしも、今困ってることがないのであれば、手術をすすめられていても「急ぐ」必要はありません。

「今スグに」しなくてもいいんですよ。

緊急性はないってことです。

じゃあ、まだつらい状況が続いているのであれば・・・

その症状は本当に手術をしたら無くなりますか?

あなたが治そうとしているモノと先生が治そうとしているモノは一致していますか?

手術以外に治す方法はないのでしょうか?

ちゃんと便通を直してますか?

そして、ここが一番大切。

あなたは手術を受けたいのですか?

そう。

先生がどうか、とか、お母さんがどうか、とかじゃなくて

あなたはどうなの?

たとえ手術が必要であっても、あなたがイヤだったら考えてもいいんですよ。

手術は説得されて無理矢理受けるものではありません。

自分自身の中で決心が固まるまで待っても手遅れになりません。

本当につらくなってから手術を決心したっていいんです。

迷ってるんだったら見合わせてもいいんです。



治す方法が二つあるとしましょう。

切って治す方法と切らずに治す方法。

あなたはどっちを選びますか?

あなたはどうしたいのですか?

あなたが決めていいんですよ。