痔核・脱肛の患者さんで比較してみました。
昨日のブログで書いた「結紮切除術」は原則4~5泊入院で行っています。
日帰り手術は結紮切除術ではなく「分離結紮術」という独特の方法でやっています。
簡単に言うと痔核(イボ痔)を糸でしばって壊死脱落させるやり方です。
意味分かります?
イボ(痔核)を根っこの部分で糸でぎゅ~ってしばるんです。
そうするとイボ(痔核)に血が行かなくなりますよね?
そうしたらだんだん腐ってきます。
イボの大きさにもよりますが、だいたい2週間くらいで腐って無くなります。
よく「切らずに治す」とか言われますが、実際は「糸で切ってる」んです。
しかもハサミやメスで麻酔が効いているうちにバッサリ切るのではなく、時間をかけてゆっくりじわじわ切ってるんです^_^;
麻酔が切れた後も2週間くらいかけてじわじわ切っていってるんです。
だからね・・・普通はこっちのやり方の方が痛いんですよ^_^;
時々「メスやハサミで切らないから痛くない」って勘違いしてる人がいますが違うんです^_^;
他の肛門科で「結紮療法だから痛くない」と説明を受けて手術を受けたけど、死ぬほど痛い!(>_<)
ってセカンドオピニオンで来られる患者さんが時々いますが、
「えっ?このやり方、痛いですよ」
と説明するとビックリなさってます^_^;
だから私は自分の患者さんに手術の説明をするときには「日帰りは痛いですよ」と必ず説明しています。
痛いのは絶対にいや!という人には結紮切除術で入院することをオススメしています。
で、今回、この分離結紮術を受けて日帰りで帰った患者さんと、帰らずに2泊入院された患者さんとを比較してみました。
そうすると・・・
明らかに違いが出ました!
やっぱり泊まった人はあまり痛がってません。
お元気です。
笑顔で楽しそうに他の患者さんたちと同じように過ごされていました。
もちろん痛いのは痛いですよ^_^;
でも
思ってたほど痛くなかった
こんなに普通に動けるなんて思ってなかった
入院生活、楽しかった!
と笑顔で元気よく退院されました(*^_^*)
診療所のセラピードッグ「ラブ」
入院中には「ラブちゃん回診」もあります♥
「あ~、癒される~(≧▽≦)」って言われます。
「ラブ効果」も痛みの軽減になっているのかも?
入院中には「ラブちゃん回診」もあります♥
「あ~、癒される~(≧▽≦)」って言われます。
「ラブ効果」も痛みの軽減になっているのかも?
そして同じ日に分離結紮術で手術を受けて泊まらずに帰った患者さんは、
手術当日の夜と翌日は結構痛くて何も出来なかった
とおっしゃっていました。
とは言っても、普通に歩いて電車に乗って診療所に来られてますけどね^_^;
待合室でも座っておられますけどね^_^;
だから痛くても普通に歩けて座れるんです。
ただ、やっぱり表情が全然違いました。
精神的なモノも多分にあるんでしょう。
だけど入院のメリットは便通の管理にあると私は考えています。
毎日、ちゃんと便を出してもらっていますし、ちゃんと便が出たかどうか診察もします。
便が出るまで何度も診察することだってあります。
でも、スッキリ排泄できると痛みがひくんですよね。
便が肛門にあると痛いようです。
家だと排便の管理は自分一人でしなければならないですし、毎回、便の後、診察することもできません。
通院の時に便が肛門の中にいっぱい溜まってる人もいます。
痛くて出せない・・・のはよく分かりますが、「出せないから痛い」のだと思います。
あとは「安心」が大きいでしょうね(*^_^*)
24時間、ずっと私たち医師二人と看護師が付いています。
不安なことがあればその度にスグに訊けます。
そして一番大きいのは「仲間」がいることでしょうか^_^;
患者さん同士の結束が結構半端ないこともあります^_^;
「同病相憐れむ」ですよ~!
っておっしゃっていた患者さんがおられましたが、普段なら友だちにも家族にも話せない「しもの話」で盛り上がっておられます(^0^;)
「食事中にお行儀悪いよね~」
って大笑いしながら楽しそうに食事をされていることもしばしば^_^;
食事が終わったあとも長い間、食堂で笑い声が聞こえることもあります。
「普通、入院って暗いイメージあるけど、ここはホンマに明るいわ~!」
「ちゃうちゃう!私ら、オシリが悪いだけで体は元気やから、入院ちゃうねん!合宿やな!」
「そうそう!それにもう手術してオシリ治したから患者じゃないよな!」
って女性患者さんが盛り上がっていたこともありました^_^;
確かに「入院」じゃなくて「合宿」かもしれません^_^;
というわけで、やっぱり泊まると痛みがマシです(*^_^*)
理由は3つ。
「安心」と「便通の管理」と「仲間」です(*^_^*)
時間があるのなら入院も悪くないですよ。