以前のブログにも書きましたが、排便のたびに、まるでトイレが殺人現場のように血で染まる・・・というケースもあります(;。;)
それだけ出血が続くと、当然、血液が失われていくわけですから「貧血」になります。
顔色も悪く、動悸や息切れがしたり、フラフラしたり、重症の貧血になると生活に支障を来すようになります。
長い間、イボ痔と付き合ってきた患者さんに多いです。
やっと会社の休みを取れて、手術を受けて痔を治療された若い女性患者さんがおられました。
手術後から貧血はどんどん改善していきます。
入院中に毎日顔色を見ているだけでも、日に日に良くなっていくのが分かりました。
1ヶ月後、手術の傷も治り、完治終了となりました。
ところが・・・
「先生、貧血の症状はだいぶ良くなったんですけど、まだ排便の時にちょっと血が出てるみたいなんですよ。オシリは全然痛くないし、イボも取ったので何も出てくるものもないんですけど・・・。」
肛門の診察をしても何も異常ありません。
肛門のすぐ奥にある直腸も見ましたが異常ありません。
「出血も以前のようなシューッと飛び散るような鮮血じゃなくて、もっと黒っぽい、便に混じっているような、付いているような感じの出血なんです。」
これはおかしい・・・
しかも貧血は改善したものの、まだ正常値には戻ってない・・・
どこかにまだ出血源があるはず・・・
と思い、大腸内視鏡検査を受けに行ってもらいました。
そうしたら直腸の奥のS状結腸に進行癌が見つかったんです・・・。
イボ痔からも大量に出血していたのですが、大腸癌からも出血があったんですね。
だからイボ痔を治療しても貧血が完全に改善しなかったんです。
幸い、転移もなく手術治療で癌の方も完治、貧血も治り元気にされています。
診療所のセラピードッグ「ラブ」
躾と訓練とは違います。
躾は生後3ヶ月目くらいから基本を忠実に覚えさせていきます。
家族全員が同じ「躾の用語」を使うようにします。
躾と訓練とは違います。
躾は生後3ヶ月目くらいから基本を忠実に覚えさせていきます。
家族全員が同じ「躾の用語」を使うようにします。
このように「痔もあるけど癌もある」というケースを時々経験します。
だから痔にごまかされないように注意して経過をみていく必要があります。
また、出血などの症状が無くても、一度、大腸を調べておくと安心です。
このようなことから、私は痔の患者さんにも大腸の検査をオススメしています。
以前は40歳を過ぎたら3年に1回は大腸内視鏡検査を受けましょうね!ってお伝えしていたのですが、
最近、30代で大腸癌が見つかるケースが増えてきているため、「30歳を過ぎたら一度調べて下さい」って言うようになりました。
私の患者さんの中で、一番若い人で21歳で大腸癌が見つかっています。
だから年齢問わず心配であれば受けて頂くのがいいと思います。
その出血、本当に痔からですか?
痔の治療で貧血が治っていますか?
今まで大腸の検査を受けたことがありますか?
排便の時に血が出たら、何でもかんでも「痔!」と決めつけないでくださいね。