ずっとダラダラ通院してませんか? | みのり先生の診察室

みのり先生の診察室

5万人以上の「オシリ」を診察してきた
肛門科専門医の女医がつづる
お尻で悩める人へのメッセージ

うちの診療所は自由診療なので、他の施設を色々と回ってから、最後に来られる患者さんも結構多いです^_^;

そこですご~く疑問に思うことがあります。

皆さん、何年も肛門科に通い続けてるんです(-_-;)

肛門科は基本的に痔が治ったら通院は終わります。

完治した後は患者さんとお別れなんです。

分かりやすく言うと、患者さんが「患者さん」でなくなるんですよ(*^_^*)

意味分かります?

痔が治ったら、もう患者さんじゃないですよね?

例えば内科だとずっと薬を飲み続けなければならない病気の患者さんが多いですよね。

高血圧とか不整脈とか糖尿病とか、
薬を欠かさず飲まなければならない病気の患者さんは、定期的に通院されてます。

それは仕方ないです。

だけど肛門科は違います。

痔は適切な治療をすれば完治します。

完治したら、もう通院すら必要ないんですよ。

うちの診療所では手術が必要ないケースだと、1~2回の通院で治療終了するケースが多いです。

便通の管理さえ、ちゃんと出来てたら、オシリの調子が悪くならないので、頻繁に通ってくる人は少ないです。

もちろん便秘通院は例外です。

便秘のために薬を飲む必要がある人は3ヶ月に1回とか、半年に1回、もっと間隔をあけて1年に1回くらい通って来る人もいます。

痔も便秘も改善したけど心配だから年に1回、オシリ検診を受けに来られる患者さんもいます。

だけど、いつまでも痔が良くならずに、ずっと薬をもらいに通院されている人はいないです。

薬は治ったら要らないんですよ。

blog84

診療所のセラピードッグ「ラブ」
犬を飼っている人は飼っていない人より
年間20%前後、病院へ行く回数が少ないそうです



ところが、1ヶ月の1回くらいのペースで何年も肛門科に通院して、受診するたびに大量の座薬や注入軟膏をもらって帰っている患者さんがおられます。

中には肛門の診察をしてもらったのは初診の時の1回だけで、それからは一切、肛門の診察なしで、ただ1~2分、お話をするだけで、いつもと同じ薬をもらい続けている人もいました。

以前のブログにも書きましたが、痔の座薬や注入軟膏はステロイド入りのものが多く、そのような痔の薬を長期間毎日使用し続けるとステロイドの副作用が出てきます。

以前のブログはコチラ↓

「痔の薬の副作用」

また、オシリの状態って変わります。

初回診察の時の状態がずっと続くわけじゃないんです。

また初回診察で薬を出したのであれば、ちゃんと治っているかどうか、次の診察の時に確認しなければ分かりません。

だから毎回ちゃんと肛門の診察をする必要があります。

だって内科じゃなくて肛門科にかかっているわけですからね^_^;

オシリを見せずにお話だけだったら内科でもいいじゃないですか^_^;

肛門を診ない肛門科って、肛門科じゃないと思います。

またどうして長年、通い続けてるんでしょう?

それは治らないからですよね?

「治らないから来たんです。治ってたら先生の所に来てませんよ。」と受診された患者さんも言われます。

この薬を使い続ければいつか治るかもしれない・・・
と期待しながら通院してきたけど、
いつまでたっても治らないし、
通院も終わらないし、
一体、いつになったら治るんだろう?
おかしいなあ・・・

と疑問に思ってセカンドオピニオンを思いついたそうです。


健康な肛門は薬を必要としません。

ずっと薬を使い続けなければならないのは痔が治ってない証拠です。

もしかして薬が合ってないのかもしれません。

あるいは便通が悪いのかもしれません。

あるいは手術が必要なのかもしれません。


あなたはずっとダラダラ通い続けていませんか?

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