冬は痔が悪化する?! | みのり先生の診察室

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5万人以上の「オシリ」を診察してきた
肛門科専門医の女医がつづる
お尻で悩める人へのメッセージ

暖かい季節は調子がいいのに、寒くなると毎年、イボが腫れて痛いんです・・・

普段はオシリのことを気にしないのに、冬はいつも痛くて・・・

と、冬になると痔が悪化すると言う人が確かに多いですね。

痔にも色々な種類があるので、どの痔かによりますが、調子が悪い人が多いのは共通していますね。

なぜ、冬に調子が悪くなるのか?

それは寒いからです^_^;

体が冷えてるんです。

「冷え」は痔に限らず、あらゆる不調の元になります。


冷えると血液の循環が悪くなりますよね。

だからイボが腫れやすくなります。

また、冷えは便秘の原因にも下痢の原因にもなります。

便秘と下痢、どっちも引き起こすんですね。

また寒い時期には運動不足になりますから、それだけで便秘になる人が多いです。

便秘で硬い便が出て切れ痔になったり、いきんでイボ痔が腫れたりしやすいんですね。


また、年末年始は何かとお酒を飲む機会が多くなります。

お酒と痔の関係は以前のブログでも書きました。
コチラも是非、お読みください↓
「お酒と痔と腰痛」
「お酒とオシリの密接な関係」
「入院中の自力整体ー『腰痛』と『冷え』と『アルコール』」


お酒を飲むと下痢になったり、肛門がうっ血したりします。

下痢で痔瘻になってしまったりするケースもあります。

飲んだ翌日にオシリが腫れた・・・

というのもよくあるパターン。

それだけでなく、お酒は体を冷やします。

冷えも引き起こすんです。

体が冷えると免疫力も低下しますから、風邪をひきやすかったり、下痢をしても化膿しやすい状態にあるんですね。

だからオシリにとったら寒い時期のお酒は結構こたえます…>_<…

オシリの調子が悪いときは控えましょうね^_^;


それだけじゃありません。

冷えると痛みを感じやすくなります。

痔の痛みだけじゃないですよね?

腰痛や関節痛なども冷えるとひどくなるでしょう?

昔ケガしたあとや、手術の傷などの「古傷が痛む」というのも寒い時期に多いですよね。

冷えはあらゆる体の痛みを悪化させます。

逆に体を温めるだけで痛みが軽減するんです。

blog71

診療所のセラピードッグ「ラブ」
「犬の十戒」第9条
私が歳を取ってもどうか世話をして下さい。
あなたも同じように歳を取るのですから。
(日本アニマルセラピー協会)



だから「冷え取り」がオススメです。

私が痔の患者さんにオススメしていることが二つあります。

一つ目は半身浴。

うちの診療所で自力整体をしているのですが、指導してくださっている鵜飼先生から教えてもらいました(*^_^*)

やり方は簡単です。

湯船に腰から下がつかるくらいにお湯をはります。

お湯の温度は40度以下が望ましいです。

湯船にふたをして、寒ければ上半身はバスタオルなどをかけてお湯に浸かります。

最低20分!できれば30分浸かるのが理想です(*^_^*)

え~っ?!そんなに長い時間?!

と思われるでしょうが、その間、ぼーっとするのもいいですし、本を読んだり、書き物をしたり、音楽を聴いたり、好きなことをすればあっという間です。

浴槽のふたの上で結構、いろんなことができますよ(^_^)v

目安としてはジワ~っと汗がにじんでくるくらいまで浸かるのがいいですね。

最初はぬるくて寒かったのに、終わる頃には暑く感じます。

そして体が芯から温まるので、いつまでも足先までポカポカになりますよ(*^_^*)


もう一つオススメしているのは「おなかを温めること」です。

これ、便秘にも効きますので、寒い時期だけ便秘になる人は是非、試してみてください。

電気あんかや湯たんぽなどをおなかに当てて温めるだけでOK.

とっても簡単です。

時間も適当です^_^;

夜寝るときに当てて寝てもいいですし、休憩時間に当てるのもいいでしょう。

カイロを当てるのもいいのですが、接着面積が小さいので、電気あんかや湯たんぽの方がいいでしょう。

低温やけどには十分注意してくださいね!


「冷え取り」がいいとは分かっていても、忙しいとなかなかその時間が取れません(-_-;)

でも、何かをしながらできることなので、生活の中に取り入れやすいと思います。

冷えは万病の元です。

特に今年は寒いです。

どうか痔を悪化させないよう、乗り切ってくださいね!