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以前、「外国には温水便座がない」とブログに書きましたが、ありました^_^;
アメリカから来られた患者さんが使ってました^_^;
もちろん日本人です。
でもお住まいはアメリカです。
わざわざ自宅トイレに付けたそうです。
なぜうちの診療所に来られたのか?
それは「かゆみ」に悩まされているからです。
肛門周囲がかゆくなる病気を総称して「肛門そう痒症」と言います。
実は海外から来られる方、イボ痔や切れ痔よりも圧倒的に「かゆみ」で来院される方が多いんです^_^;
お国によって医療事情は違うのですが、皆さん、だいたいホームドクターにかかられて軟膏治療を受けておられます。
でも良くならないから来られます。
薬を塗ったら一時的にかゆみがましになるのですが、やめるとまたかゆくなる・・・
かゆくなったらまた薬を塗る
だけどだんだん薬も効かなくなってしまって、今では塗っているのにかゆい・・・
という人も多いですね。
皆さん、「皮膚が悪い」と思っておられます。
でも、そうじゃないんですよ。
確かにおしりのところには湿疹が出来ています。
でもこれはアトピー性皮膚炎や蕁麻疹のように、体の内側から吹き出して出来た湿疹ではなく、自分で掻いたりこすったり洗いすぎたりして人工的に作った湿疹なんです。
だから掻かなければ出来なかった湿疹です。
つまり「皮膚は正常」なんです。
掻いてボロボロにしただけです。
いわゆる「皮膚病」じゃないんです。
だから皮膚科に行っても治らないんです。
診療所のセラピードッグ「ラブ」
寒い日でもお天気が良ければ「犬のようちえん」では散歩に行きます。
ようちえんでのトレーニング、頑張っています(^-^)/
寒い日でもお天気が良ければ「犬のようちえん」では散歩に行きます。
ようちえんでのトレーニング、頑張っています(^-^)/
最初は赤くなったりする程度なんですが、ひどくなると皮膚が白くなってきます。
炎症が起こると皮膚がふやけたようになったり、肛門のシワが盛り上がってごわごわになったりもします。
かきむしって傷やびらんができていたり、シワに沿って亀裂が入ったりすると、かゆみだけでなくヒリヒリしたり、水がしみるようになります。
かゆみも最初のうちは夜だけだったのが、だんだんひどくなると一日中何をしていてもかゆみを感じるようになります。
こうなると生活にも支障を来すため、仕方なく肛門科を受診されるようです^_^;
かゆいから掻くんですが、そのかゆみはどこから来るのか?
私は「かゆみの原因は便である」と考えています。
なぜならかゆみを訴えて来院される患者さんを診察すると、必ずと言っていいほど肛門の中に便があります。
ひどいケースだと、肛門の周囲にも便が付いていることもあります。
スッキリ出てないんですよ。
毎日出てても残ってるんです。
そのような状態を「直腸性便秘」と言います。
以前ブログで詳しく書きましたので是非そちらを読んでみて下さい。
だから便通を直さなければ軟膏を塗っても完治しないんです。
便の刺激でかゆみが起こっています。
最初はなんとなくオシリがムズムズ、モゾモゾするような感覚で始まります。
そこで肛門を掻いたり、こすって拭いたり、洗ったりしなければいいのですが、
不潔にしているからかゆいんだ!と思って、一生懸命キレイにしようとするようです。
そうすると皮膚のバリアーである皮脂膜がなくなって、角層が剥がれるのでかゆみを感じる神経が皮膚の表面まで伸びてきて増殖します。
余計にかゆみを感じやすくなるわけです。
こうなると「かゆみサイクル」に入ってしまい、抜け出せなくなります^_^;
「かゆい → 掻く →バリアーがなくなる → かゆみ神経が伸びてきて増える → 余計にかゆい」
というエンドレスサイクル・・・
こうなったら一時的にステロイド入りの軟膏をしっかり塗って炎症をしずめてあげる必要があります。
でも、それは湿疹の治療であって「かゆみの治療ではない」んです。
ステロイドを塗ってもかゆみはおさまりません。
湿疹が治っているだけです。
かゆみの原因は便ですから便通を直さなければ何度でもまたかゆくなります。
だから本当の根本治療は「ちゃんと便を出すこと」なんです。
そう。
治療の第一歩は正しい排泄からです。
薬よりもずっと大切です。
でも本当は痔になる前に来て欲しい。
教えてあげたい、正しい排泄。
そうすれば痔で悩む人が本当に減ると思います。
肛門のかゆみで悩んでおられるのであれば便通を見直してみて下さい。
かゆくなるたびにステロイド入りの軟膏を付けていると、だんだん効かなくなってくるだけでなく、長期使用による副作用も心配です。
健康な肛門は薬なんて必要ありません。
ずっと使っていないと調子が悪いようでしたら、ちゃんと肛門科を受診して下さいね。
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