自動車メーカーの「土日操業」が2日始まった。電力不足の恐れがある平日の操業を減らすためだ。影響は部品メーカーも含め、80万人以上の従業員に及ぶ。電機メーカーなども土日出勤を始め、この夏の生活が大きく変わる。

 日産自動車は2日、小型車をつくる追浜工場(神奈川県横須賀市)を報道陣に公開した。建屋ではいつも通りに従業員が生産ラインに沿って作業し、車が出来上がっていく。生産担当者は「工場の中は平日と変わらない。曜日の感覚がなくなるかも」。工場周辺では部品を運ぶ大型トラックが行き交った。

 日産は休日振り替えに加えて、政府が1日発動した電力使用制限令に対応するため、東京電力管内でピーク時の15%節電も実施。追浜工場でも、2日からさっそく勤務時間を変えて、電力使用が多い午後3~5時は生産ラインを止めた。
 日米の自動車大手が1日発表した6月の米新車販売台数で、トヨタ自動車とホンダが前年同月実績を大幅に下回った。東日本大震災の影響で、販売店での品ぞろえが限られたのが影響した。トヨタは前月に続き6社中4位となり、米3社のシェアが約3年ぶりに5割を超えた。

 トヨタは震災による部品不足により、日本からの完成車の輸入と米生産がともに大きく減った。特に日本から調達しているハイブリッド車「プリウス」の不足が著しく、6月の販売台数は62%減だった。ガソリン価格が高止まりし、低燃費車への需要が高いなかで商機を逃している。日本製が多い高級車ブランド「レクサス」も4割減だった。ホンダもマイナス幅が5月から拡大した。

 トヨタやホンダの生産は日米で回復し始めており、8~9月までにほぼ正常化する見通し。トヨタは「在庫減は6月で底を打った」とみる。ただ、新車が販売店に届くまでには時間がかかるため、両社とも「7月の米新車販売も震災の影響は残る」とみている。

 また、オートデータによると、6月の米大手3社のシェアは50.1%で、2008年9月以来、2年9カ月ぶりに5割を超えた。ただ、1日あたりの販売台数が前年同月比で増えた米ゼネラル・モーターズ(GM)も、前月比では10%減だった。同社幹部は電話会見で「米景気の回復ペースは鈍っている」と懸念を示した。
 6月の国内の新車販売台数(軽自動車含む)は、前年同月に比べて21.6%減の35万1828台で、減少幅は5月(33.3%減)より縮小した。過去最悪水準だった4月(47.3%減)を底に2カ月連続で改善した。生産回復で品不足が徐々に解消され、販売台数も戻りつつある。

 日本自動車販売協会連合会と全国軽自動車協会連合会が1日発表した。

 軽自動車を除いた車は、前年同月比23.3%減。主なメーカーではトヨタ自動車(レクサス除く)が37.5%減、ホンダが32.3%減とマイナス幅が大きかったが、日産自動車が4.2%増と9カ月ぶりのプラスになったのが目立つ。

 日産は国内生産が5月にほぼ通常ペースに戻るなど、トヨタやホンダより回復が早かった。震災による部品の供給難の影響が少なかったタイで、小型車「マーチ」を生産し、日本に輸入できた効果も大きい。日産幹部は「品不足のなかでマーチがあったのはかなり助かった」という。

 他メーカーも生産回復で納車までの期間は短くなりつつあり、トヨタディーラー関係者は「一部の車種以外はほぼ通常になった」。ホンダ幹部も「7、8月にかけ納期を短くしていく」という。

 また、11年上半期(1~6月)の販売台数は、軽自動車を除く車は前年同期比30.5%減の119万5179台、軽自動車は22.7%減の72万4068台だった。