自動車業界が休日を土・日曜から木・金曜に移す「休日振り替え」が30日始まった。電力供給に余裕がある土日に工場を動かし、余裕のない平日に止めて節電につなげる。

 乗用車「レガシィ」などをつくる富士重工業の群馬製作所矢島工場(群馬県太田市)では30日午前、工場の建屋に人影はほとんどなく、大部分の照明が消されて薄暗い生産ラインに、組み立て途中の車が並んでいた。管理部門の従業員だけが出勤。約2700人のうち9割程度が休んだという。

 30日は日産自動車やホンダの工場も休日となった。7月1日は最大手のトヨタ自動車なども休む。木・金休業には大手メーカー13社と、部品メーカーの多くが参加。9月末まで続ける。下請けを含めて80万人以上にのぼるとされる自動車産業の従業員の暮らしが変わる。
 トヨタ自動車は、小型トラックのダイナとトヨエースを12年ぶりに全面改良し、7月2日に発売する。日野自動車がトヨタブランドで生産する。ハイブリッド車(HV)型は、モーターだけで発進ができ、燃費が2t車で従来より1リットルあたり1km長い12.2kmになった。ディーゼル、ガソリンエンジン型もあるが、HV型の販売を増やす。価格は、HV型2t車で、税込み449万6千円から。
 東日本大震災による生産減で低迷していた自動車販売に、底打ちの兆しが見え始めた。5月の新車販売は減少幅がなお大きいが、4月よりは縮小。生産は回復基調で、ディーラーは販売の持ち直しに期待する。一方、新車不足で人気が高まった中古車の価格上昇も目立っている。

 日本自動車販売協会連合会と全国軽自動車協会連合会が1日発表した5月の国内新車販売台数は、前年同月比33.3%減の23万7364台で、9カ月連続の前年割れだった。減少幅は過去最悪水準だった4月(47.3%)より縮小した。

 軽自動車を除く自動車の販売台数は前年同月比37.8%減の14万2154台、軽自動車の販売台数は同25.4%減の9万5210台。いずれも4月より減少幅が縮んだ。自動車大手は4月中旬から国内生産の再開を急いでおり、「売る車が乏しい」状態が少しずつ解消してきた。

 ある東海地方のトヨタ自動車系の販売店では、これまで未定だった納車時期を顧客に示せるようになったという。小型車「ヴィッツ」は契約から1カ月程度で納車できるという。自販連は「今後は減少幅が縮むと期待している」という。

 ただし、多くのディーラーでは受注だけが積み上がったまま。「生産が戻りつつあるといっても、販売現場にはまだ実感がない」(都内の日産自動車系販売店)との声もある。