「全員会ったばっかだし、よくわかんねーけど」
声のした方に視線を向けると、あの酔っ払いの男が、大きな酒甕を持って不敵な笑みを浮かべていた。「なんだかさ、オレにゃあ…あんたらのほうが臆して見えるぜ」
「!!……なんだと?」
「こんだけ妖集めてガキが大見得切るなんざぁ、意志のでかさが成せる業ってね」
そう言ってひっく、と酒臭い息を漏らす。
「なんじゃ…酒呑愚連隊か…」
「何年も酒龜を舐めているだけのやつだ…ほっとけ」
「酒呑愚連隊、ね…」
すっとまたしゃくり上げている男を見据える。
この男も必要ね…。
「玉章」
瑚々が玉章の裾を引っ張り促すと、玉章は応えるように頷いて隣の妖怪に顔を向けた。
「ね…間違ってる?あの酔っぱらい」
そう問いかける玉章に、その列にいた妖怪たちは目を丸くした。
「リクオの言っていることも…間違いかい?」
「…?」
玉章が何を言いたいのか分からず、妖怪たちは首を傾げる。
「見た目は頼りないかもしれないけどね。筋は通っているだろう?」
簡単に臆するほど弱くないのも知ってるしね、と言う玉章に、辺りはしん、と静まりかえった。
リクオが感謝の視線を向けたが、玉章は気にした様子もなく腕の中で鳴く子犬を優しく綾した。
玉章の言葉に、妖怪たちはようやく事の重大さに気づいたらしい。
だまりこくり、お互いに視線を交わしあっている。
「そうはいうが、四国よ」
その中でまだ納得しきっていない瀬戸悪鬼組の若頭方相氏が玉章の横で笑みを浮かべている瑚々を指差した。「お前も奴良組の若頭同様、信用できぬ。横にそんな役立たずの人間の女を連れているんではな…」
そうだ、そうだ、と辺りで声が上がる。
玉章はすっと方相氏を見据えた。「へぇ。君には彼女が役立たずに見えるのかい」
「何…」
含みのある玉章の言葉に、方相氏は眉を寄せた。
「瑚々」
玉章が呼びかけると瑚々はすっと立ち上がった。
間の中の妖怪たちが見つめる中、瑚々は瞼を閉じた。
次に彼女が目を上げた瞬間、虎目石色の瞳が鮮やかな紫色に変わり、抑えていたーー前より弱いが、周りを圧倒するには十分すぎる妖力ーーが一気に放たれた。
あまりの妖力に、後ろへ身を逸らす妖怪たちに、瑚々はにっこりと微笑した。
「お、お前は…一体…」
震える指を向ける方相氏に瑚々は不敵な笑みを浮かべた。
「我が名は瑚々。妖の力を持つ唯一無二の者よ」
「これで分かったかい?」
玉章は唖然とする周囲に向かってニヤリと不敵に笑った。
「彼女が他の人間とは違う、特別な存在だということが」
「さて」
細く長い指と指を合わせながら、瑚々は紫色の瞳で周りを見渡した。
「主役は揃ったわね」
あとがき
お久しぶりです!
瑚々のイメージ画像変えました!
iPhoneからの投稿
声のした方に視線を向けると、あの酔っ払いの男が、大きな酒甕を持って不敵な笑みを浮かべていた。「なんだかさ、オレにゃあ…あんたらのほうが臆して見えるぜ」
「!!……なんだと?」
「こんだけ妖集めてガキが大見得切るなんざぁ、意志のでかさが成せる業ってね」
そう言ってひっく、と酒臭い息を漏らす。
「なんじゃ…酒呑愚連隊か…」
「何年も酒龜を舐めているだけのやつだ…ほっとけ」
「酒呑愚連隊、ね…」
すっとまたしゃくり上げている男を見据える。
この男も必要ね…。
「玉章」
瑚々が玉章の裾を引っ張り促すと、玉章は応えるように頷いて隣の妖怪に顔を向けた。
「ね…間違ってる?あの酔っぱらい」
そう問いかける玉章に、その列にいた妖怪たちは目を丸くした。
「リクオの言っていることも…間違いかい?」
「…?」
玉章が何を言いたいのか分からず、妖怪たちは首を傾げる。
「見た目は頼りないかもしれないけどね。筋は通っているだろう?」
簡単に臆するほど弱くないのも知ってるしね、と言う玉章に、辺りはしん、と静まりかえった。
リクオが感謝の視線を向けたが、玉章は気にした様子もなく腕の中で鳴く子犬を優しく綾した。
玉章の言葉に、妖怪たちはようやく事の重大さに気づいたらしい。
だまりこくり、お互いに視線を交わしあっている。
「そうはいうが、四国よ」
その中でまだ納得しきっていない瀬戸悪鬼組の若頭方相氏が玉章の横で笑みを浮かべている瑚々を指差した。「お前も奴良組の若頭同様、信用できぬ。横にそんな役立たずの人間の女を連れているんではな…」
そうだ、そうだ、と辺りで声が上がる。
玉章はすっと方相氏を見据えた。「へぇ。君には彼女が役立たずに見えるのかい」
「何…」
含みのある玉章の言葉に、方相氏は眉を寄せた。
「瑚々」
玉章が呼びかけると瑚々はすっと立ち上がった。
間の中の妖怪たちが見つめる中、瑚々は瞼を閉じた。
次に彼女が目を上げた瞬間、虎目石色の瞳が鮮やかな紫色に変わり、抑えていたーー前より弱いが、周りを圧倒するには十分すぎる妖力ーーが一気に放たれた。
あまりの妖力に、後ろへ身を逸らす妖怪たちに、瑚々はにっこりと微笑した。
「お、お前は…一体…」
震える指を向ける方相氏に瑚々は不敵な笑みを浮かべた。
「我が名は瑚々。妖の力を持つ唯一無二の者よ」
「これで分かったかい?」
玉章は唖然とする周囲に向かってニヤリと不敵に笑った。
「彼女が他の人間とは違う、特別な存在だということが」
「さて」
細く長い指と指を合わせながら、瑚々は紫色の瞳で周りを見渡した。
「主役は揃ったわね」
あとがき
お久しぶりです!
瑚々のイメージ画像変えました!
iPhoneからの投稿

![[みんな:01]](https://emoji.ameba.jp/img/user/an/andsweet/1777970.gif)