「サザエさんって、あのアニメの?」
「うん。本当はアニメ版サザエさんと、
原作の漫画版サザエさんは内容が結構違うらしくて、
原作者は、アニメ版サザエさんのことが
あまり好きじゃなかったんだって」
「へえ・・・あの与謝野晶子がねえ・・・」

と、たまに大きな間違いを
サラッと会話にぶち込んでくる嫁をもつ、
リリーラインでございます。こんにちは。
過去には千円札に描かれた人物を、
「野口五郎」と言い放ったこともあり、
巷では有名な話となっております。
ちなみに、与謝野晶子と長谷川町子は
同じ霊園に眠っているそうです。
さて、先日、小児感染症関係の研究会に
こっそり参加してきたのですが、
そこで、某小児病院の外来用抗菌薬マニュアルが
公開されておりました。
例えば、中耳炎に対するアモキシシリンの投与量は
最初から90mg/kgと、国内の少なすぎる投与量ではなく、
海外の標準投与量にあわせた投与量になっているなど、
なるほど、リーズナブルなマニュアルだ、
と思ってみていましたが・・・
しかし・・・、ええ?!
溶連菌性咽頭炎 アモキシシリン40mg/kg
分1 10日間?!
これは衝撃的なレジメです。
なぜなら、溶連菌性咽頭炎の治療は、
通常、アモキシシリンを10日間、1日3回に分けて内服、
となっているわけですが、これがとても大変だからです。
そもそも薬がキライなこどもたちに1日3回も
毎日薬を飲ませ続ける、ということは、
OLが一念発起して朝のグリーンスムージー生活を
続けるよりもずっと根気が必要で、
その根気のエネルギー所要量は、
ライザップの完遂に匹敵するとも言われています。

もしも1日1回の投与でいいなら、
こんなに嬉しいことはないのです。
ということで、その某小児病院の感染症を取り仕切っている
先生にそのレジメの根拠を尋ねてみたところ、
全力ダッシュで(誇張なし)僕のところに
駆け寄ってきていただき、ネタ元がIDSA(米国感染症学会)の
ガイドラインであることを教えてくれました。
その全力ダッシュに応えるため、
僕も全力でiPhoneのSafariを開き(画面を押しただけですが)、
教えていただいたガイドラインを調べてみたところ、
確かに、量はちょっとだけ違いますが
(IDSAでは50mg/kg)、分1レジメが記載されていました。

そこにはガイドライン作成の元となった文献も
5つほど記載されており、なるほど、しっかりした根拠があるようです
(疑ってるわけじゃないんですよ)。
というわけで、保健の縛りなんかを考慮に入れつつ、
うちの科でそのやり方を採用するかどうするか、
検討しなければならないですね。
それにしてもいい、分1投与。
うーん、やりたい、分1投与。
しかし、全然知らなかったことは、全くお恥ずかしいです。