都立高校入試で合格を左右するのは基礎学力!Vもぎの出題傾向から考える5教科の得点戦略
自校作成校を目指す受験生こそ、英語リスニング・理社・国語の漢字で確実に得点することが重要です
この時期になってくると高校受験のための模試が目白押しですよね。僕も副業の塾でのチューターが忙しくなってきています。
今回は都立高校を例に模試と受験本番までの対策を書いてみたいと思います。
都立高校入試の対策というと、難しい数学の図形問題や、長文読解、難関校独自の英語問題などに注目しがちです。しかし、実際に5教科の総合得点で合格を目指すのであれば、難問を解く力だけでなく、確実に得点できる問題を落とさない力も重要になります。
Vもぎの問題を継続的に見ていくと、都立高校入試に向けた学習では、単純な暗記量だけではなく、文章を読み、条件を整理し、必要な情報を使って答えを導く力が重要になることが見えてきます。
特に注目したいのは、英語のリスニング、理科・社会の共通問題、数学の図形問題、そして国語の漢字です。これらを教科ごとに切り離して考えるのではなく、5教科全体の得点戦略として捉える必要があります。
1.自校作成校の受験生にとって英語リスニングは得点源になる
都立高校の自校作成校を受験する場合、英語の対策は難しい独自問題に意識が向きやすくなります。しかし、リスニングについては、共通問題を実施する学校と同じ問題が出題されます。
つまり、自校作成校を目指す受験生であっても、リスニング対策は共通問題を受験する生徒と同じ方向で考えられます。
都立高校入試の英語リスニングは、短い対話やまとまった英文を聞き、内容を理解する問題が中心です。聞き取った情報をそのまま選ぶだけでなく、複数の情報を整理して答えを導く問題もあります。
例えば、開始時刻と終了時刻を聞き取り、何時間かかったのかを考える問題です。英語を聞き取るだけでなく、必要な情報を組み合わせて判断する過程が加わります。
ただし、ここで必要になる計算自体は難しいものではありません。英検3級などのリスニングと比較した場合、問題形式や求められる力には違いがありますが、都立入試では聞き取った情報を整理して答える力がポイントになります。
また、リスニングの英語記述問題も、自由英作文とは性質が異なります。指定された語数で答える形式では、長い英文を構成する能力よりも、聞き取った内容を正確に把握し、必要な情報を短い英文にまとめる力が求められます。
自校作成校を目指す受験生にとって重要なのは、難しい独自問題に時間をかける一方で、共通問題のリスニングを得点源として確保することです。20点満点の問題で安定して得点できれば、英語全体の得点を支える土台になります。
もちろん、全員が必ず満点を取れると断定することはできません。しかし、対策の方向性が明確である以上、優先順位を高く設定する価値があります。
2.理科・社会は暗記だけでなく、国語力と数学的思考力が問われる
理科と社会についても、都立高校の共通問題を分析するうえで見落とせない特徴があります。
理科・社会は、知識を覚えていれば解ける問題だけで構成されているわけではありません。問題文を読み、実験結果や資料、グラフなどから必要な情報を取り出し、条件に沿って答えを導く問題も出題されます。
理科では、実験の条件や結果を読み取ったうえで、数量の関係を整理したり、計算したりする場面があります。社会でも、統計資料や地図、グラフ、複数の文章を照らし合わせて判断する問題があります。
ここで必要になるのが、国語的な読解力と数学的な思考力です。
問題文に書かれた条件を正確に理解できなければ、知識を持っていても正解できません。また、資料から必要な数値を取り出し、比較したり計算したりする力が不足していれば、正しい結論にたどり着けないことがあります。
つまり、理科・社会の得点を伸ばすためには、用語や公式を暗記するだけでは不十分な場合があります。知識を覚える学習に加えて、初めて見る文章や資料を読み解く練習が必要です。
この点は、塾での学習を考えるうえでも重要です。暗記を中心とした対策によって一定の得点までは伸ばせても、その先で伸び悩む場合、文章を正確に読む力や、条件を整理して考える力に課題がある可能性があります。
Vもぎの偏差値55前後を一つの目安として考える場合でも、それを一律の限界と捉えるべきではありません。重要なのは、知識不足なのか、読解力の不足なのか、思考の過程に問題があるのかを答案から見極めることです。
3.自校作成校の数学では図形問題への対応力が重要になる
自校作成校の数学では、学校ごとに問題の難易度や構成が異なります。そのため、共通問題と同じ感覚で対策することはできません。
特に重要になるのが図形問題です。角度を求める問題、辺の長さを求める問題、面積を求める問題など、図形の条件を読み解き、複数の性質を組み合わせて答えを導く力が問われます。
ただ公式を覚えているだけでは対応できず、図形の中にある関係性を見つける必要があります。
この力は、数学の問題だけでなく、理科の計算や資料の分析にもつながります。条件を整理し、必要な情報を選び、順序立てて考える習慣は、5教科全体の得点力を支えるものです。
したがって、難関校を目指す場合には、教科ごとの知識を増やすだけでなく、思考の過程そのものを鍛えることが重要になります。
4.都立高校入試の国語は漢字20点を確実に取りたい
国語で特に注目したいのが、漢字の読み書きです。
都立高校入試の共通問題では、漢字の読み書きが20点分出題されます。さらに、最初の大問には記述問題もあり、ここで得点を積み上げられるかどうかが国語全体の得点に影響します。
漢字は、読解問題や記述問題と比較すると、学習の成果が得点に結びつきやすい分野です。出題される漢字を確実に覚えていれば、安定した得点源にできます。
近年の都立入試の漢字を漢検の級に照らして整理すると、3級から5級相当の漢字が見られます。小学校で学ぶ漢字や、中学受験の学習で扱う漢字と重なるものもあるため、小学生でも解ける問題が含まれています。
ここで考えたいのは、問題の難易度と、実際の受験生の正答状況は別だということです。
漢字自体は難しくなくても、Vもぎ偏差値50前後の受験生が1問、2問、場合によってはそれ以上を落としてしまうのであれば、改善する余地があります。
仮に漢字20点のうち数点を失い、さらに記述問題10点分でも満点を取れなかった場合、大問1だけで確保できる得点は想定よりも低くなります。
例えば、漢字で20点、記述で6〜7点を取れれば、合計26〜27点です。こうした得点を安定して確保できるかどうかは、国語全体の得点戦略を考えるうえで重要です。
なお、実際の記述問題の配点や採点基準、漢字の正答率は年度や問題によって異なります。ここでの数字は、得点の組み立て方を考えるための例です。
国語の漢字で落とした点数を、難しい読解問題で取り返すのは簡単ではありません。だからこそ、取れる問題を確実に取ることが大切なのです。
5.5教科300点をどう取るか、大問ごとに分解
Vもぎで偏差値50前後を目指す、あるいはその位置にいる受験生を考えてみましょう。
非常に単純化して、5教科それぞれ60点を目標とすれば、合計300点になります。ここで重要なのは、単に300点という目標を掲げるだけでなく、各教科の大問ごとに必要な得点を考えることです。
国語では漢字や記述で何点を確保するのか。数学では基本問題で何点を取るのか。英語ではリスニングをどれだけ得点源にできるのか。理科・社会では知識問題と資料の読み取り問題で何点を取るのか。
こうした分解を行うことで、学習の優先順位が明確になります。
例えば、国語で漢字を安定して取れていないなら、難しい読解問題を増やす前に漢字の学習方法を見直す余地があります。英語のリスニングで失点しているなら、聞き取りの練習だけでなく、時刻や数量などの情報を整理する練習も必要かもしれません。
大切なのは、すべての問題を同じ重さで扱わないことです。得点しやすい問題で失点しているのか、それとも難しい問題に対応できていないのかによって、取るべき対策は変わります。
そして、各教科の目標点は固定する必要もありません。得意な教科で得点を伸ばし、苦手な教科では基本問題を確実に取るなど、本人の状況に合わせて調整することが現実的です。
6.中学2年生から漢検・英検・数検を活用
基礎学力を早い段階から固める方法として、漢検・英検・数検の取得も検討する価値があります。
例えば、漢字の読み書きが苦手な生徒なら、漢検の合格を目標にすることで、学習範囲を明確にできます。英語が苦手なら英検、数学の基礎を確認したいなら数検というように、検定を弱点発見の機会として利用できます。
検定のメリットは、合格という目標ができることだけではありません。何が理解できていて、何が不足しているのかを把握しやすくなる点にもあります。
さらに、私立高校の中には、英検・漢検・数検などの取得級を出願基準や加点の対象にしている学校があります。ただし、対象となる検定、級、加点条件は学校や入試方式によって異なります。検定を取得すれば必ず内申点が加算されるわけではないため、志望校の最新の募集要項を確認する必要があります。
また、検定対策は部活動や課外活動とは異なり、学力そのものを伸ばしながら、入試で活用できる可能性もある取り組みです。特に中学2年生は、受験直前になって慌てる前に、基礎学力の補強と検定取得を並行して進めることができます。
高校受験を予定している小学校5年生であれば、漢検・英検・数検を小学生のうちから段階的に受ける方法も考えられます。早い段階で弱点を把握し、中学校に入る前から基礎を積み上げておけば、その後の学習計画を立てやすくなります。
ただし、検定の級を上げることだけが目的にならないように注意が必要です。取得した知識を学校の授業や模試の問題で使えるようにすることが、本来の目的です。
まとめ:難問対策の前に、確実に取れる点数を積み上げる
都立高校入試では、自校作成校を目指す場合でも、共通問題のリスニングや理科・社会、国語の漢字など、確実に得点を積み上げたい分野があります。
理科・社会でも文章の読解や資料の分析が求められ、数学では条件を整理して考える力が必要です。教科ごとの知識を身につけるだけでなく、国語力や数学的思考力を横断的に育てることが重要になります。
そして、Vもぎの偏差値50前後にいる受験生にとっても、難しい問題を解けるようになることだけが成績向上の方法ではありません。漢字で失点しない、リスニングで安定して得点する、理科・社会の基本問題を取り切る。そうした積み重ねが、5教科の総合点を支えます。
まずは300点という目標を各教科、大問ごとに分解し、どこで得点し、どこで失点しているのかを把握することです。そのうえで、基礎知識の定着、読解力、思考力をバランスよく伸ばしていくことが、都立高校入試に向けた現実的な得点戦略になるかと思います。
参考になれば・・・
でわ
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