低学年の算数は「関係性の可視化」がカギ
〜線分図でつまずきを減らす方法〜
低学年の算数、特に文章題でつまずく子が多いのは、何が分かっていて何を求められているかが頭の中で整理できないからかなぁと思います。これは多くの場合、「関係性が見えていない」ことが原因です。
そんなときに頼りになるのが線分図。
線分図は、数の関係を「線の長さ」として視覚的に表す道具です。
ここでは、低学年でよく出てくる算数の単元と線分図との関係を、一つずつ掘り下げて紹介してみます。
たし算・ひき算 → 和と差の線分図
基本中の基本であるたし算とひき算は、線分図の出発点でもあります。
「りんごが3個と5個あります。全部で何個ですか?」という問題は、「和の線分図」で解決できます。3の長さと5の長さをつなげて、合計の長さを求めるイメージです。
逆に「5個のりんごを3個食べました。残りは?」というひき算なら、5の線から3を引いた部分を見つける「差の線分図」になります。
このような図を使うことで、数を計算するだけでなく「全体と一部」「差の意味」を自然に理解できます。
かけ算(倍の意味)→ 倍の線分図
かけ算に入ると、最初に出てくるのが「○倍」という考え方です。
「りんごが3個あります。みかんはその2倍あります。」という問題では、りんごを1単位の線にして、それと同じ長さの線を2つ並べるだけで「2倍」を表すことができます。
九九を覚える前の段階でも、「倍」という感覚を線で表すことで、量の感覚が育ちやすくなります。
わり算(等分・包含)→ 等しい線分で区切る
わり算には「等分(分ける)」と「包含(いくつ分あるか)」の2種類があります。
「12個のあめを3人で同じ数ずつ分ける」といった問題では、12の線を3等分して、それぞれの長さを求めます。
「1人に4個ずつ配って、何人に配れるか」といった包含型では、4の長さの線をいくつ分とれるかを見る形になります。
線を等しく区切ることで、数式に頼らず、わり算の意味を実感できます。
長さ、かさ、重さ → 単位の大小関係を線分で比較
長さやかさ、重さといった単位の比較では、数値だけでなく「どれくらい違うのか」を視覚でとらえることが大切です。
「30cmのひも」と「50cmのひも」など、線で長さを描いて比べることで、差を直感的に理解できます。
重さやかさも同様に、数の大きさを見て理解できるようになります。
文章題 → ほぼ全てが「関係性の可視化」で解ける
「こうた君は300円、あやちゃんは180円持っています。2人の差はいくらですか?」
このような文章題こそ、線分図の出番です。2人のお金を線で表し、どちらがどれだけ多いかを視覚化すると、計算の意味がすっと入ってきます。
算数が苦手な子は、数の関係をイメージできずに立ち止まってしまうことがあります。そういった場合には、「図にしてみようか」の一言で視界がひらけることも多いです。
図形(正方形・長方形)→ 線で分けたり比べる
図形の単元でも、線分図的な発想は使えます。
たとえば長方形を2つに分けて、それぞれの面積や長さを比べるときには、線で区切ることが重要になります。
また、形の等しさや大きさの比較なども、線を引くことで整理がつくことが多いです。
時間や時刻 → 時間の経過も直線で表せる
「8時から始まり、終わったのは9時半でした。何時間何分ですか?」といった問題は、時計だけではイメージしづらいこともあります。
そこで、時間の流れを一本の線で表して、どれだけ経過したかを視覚化すると、理解しやすくなります。
お金 → 単価×数量=合計を線分で整理
「120円のりんごを3個買いました。全部でいくら?」という問題では、120円の線を3本描いて並べることで、全体をイメージできます。
また、「360円で何個買えるか?」というような逆の問題でも、線分で「いくつ分とれるか」を考えることで、理解が深まります。
まとめ
線分図は、ただの絵ではなく、数や関係を見える形で整理するための有効な道具です。
低学年の子どもたちにとって、頭の中で数を操作するのはまだ難しい段階。そんなときに線分図を使うことで、数の世界が目に見えて広がっていきます。
文章題が苦手な子、式の意味がわからない子にこそ、まずは「線で描いてごらん」と声をかけてみる。
それだけで、算数の苦手意識がふっと軽くなることもあるので、宜しかったら是非・・・
でわ



