前回の偏差値的な話は母集団の違いによってって話を書きました。今回は比較的に比べ易い、四谷大塚の全統小と日能研の模試について、内容的に偏差値的に比較をしてみたいと思います。
低学年(小1〜小3)における「全国統一小学生テスト(四谷大塚)」と「日能研模試」の違いと偏差値の差についてまとめます。
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テストの概要と位置づけ
全国統一小学生テスト(四谷大塚)は小1から小6までを対象とし、低学年は国語と算数のみ。参加者層は広く、塾に通っていない子も多く受ける。問題の難易度は基礎から標準が中心で、算数には思考力を問う良問が含まれている。無料で受験でき、受けやすい環境が整っている。受験者層の幅が広いため、偏差値は高めに出る傾向がある。
日能研の模試(全国テスト・学ぶチカラテスト)は小1〜小3が対象で、受験者の多くは中学受験を意識している家庭の子や塾生。問題は思考力、応用力、読解力を重視し、設問の文章量も比較的多い。受験者の学力レベルが高いため、偏差値は厳しめに出る。単なる学力測定ではなく、思考の質を測る目的で設計されている。
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偏差値の出方と差の目安(小1〜小3)
以下は、同程度の実力の子が両方を受けた場合に出やすい偏差値差の目安。
全国統一小学生テスト 偏差値65 → 日能研模試 偏差値55〜58
全国統一小学生テスト 偏差値60 → 日能研模試 偏差値50〜52
全国統一小学生テスト 偏差値55 → 日能研模試 偏差値45〜47
偏差値に7〜10ポイント程度の差が出ることが多い。ただし、これはあくまで目安であり、子どもの特性や問題との相性によっては個人差も大きい。
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テストごとの特徴と活用ポイント
全国統一小学生テストは、基礎力の定着と思考力の入り口を見るのに適しており、広く門戸が開かれているため初めての模試体験としてもおすすめ。モチベーションを高める仕組みも整っている。
日能研模試は、すでに塾などで学習を進めている子や、考えることが好きな子に向いている。答えを出すまでの思考過程や読解力を問う問題が多く、中学受験を見据えた評価軸で構成されている。
その為、思考・読解を得意としたりそう言った学習をしている子は、日能研だからと言って偏差値的に下がるという事はなく、個人差的な部分も大きいです。
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低学年で模試を受ける意味
この時期の模試では、順位や偏差値よりも「どう考えたか」「どこでつまずいたか」など、学習のプロセスを見ていくことが重要。模試はできたかできなかったかを見るのではなく、「思考の癖」や「得意・不得意の傾向」を知る機会ととらえるとよい。
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どちらを重視すべきか
中学受験を明確に視野に入れている場合は、日能研の模試で現実的な位置づけや課題を見ていくのが有効。まだ受験そのものは考えておらず、まずは学力や思考力の育ちを見ていきたい場合は、全国統一小学生テストが入りやすい。
前回の偏差値50の話もですが、「模試は模試」って捉えるのが一番いいのかもしれませんね。
子供のそれぞれの特性と学校の校風がきちんと合う為にも、偏差値から志望校を選ぶのは違うのかなぁと改めて思いました。
でわ
