警告出血は予測不能!? | へその緒のはなし

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「へその緒」を研究する産婦人科医のブログ。
かつては、みんながお世話になったはずである「へその緒」の神秘的なしくみと、その異常への挑戦を語る。

 前置胎盤の人が、はじめて多少の出血をしてしまうことを古くから警告出血といいます。本当にどかっと出血する前兆だから、注意しましょうという意味でそう呼ばれるのでしょうか?

 前置胎盤と大出血という問題は、分娩前、中、後とそれぞれあります。

 今日は、分娩前の妊娠中のお話チューリップ黄



 妊娠中に前置胎盤からの出血がなぜ起きるか?予測はできないか?という問題についていろいろ調べてみたのですが、意外とそれに答えた論文はありません。

 3つほど超音波所見で前置胎盤からの出血と関連するものがあるという報告がありましたが、どれも決定的に出血を予測できるものではありまあせんでした。

 私も、うちのデータで様々な超音波所見と妊娠中の前置胎盤からの出血との関連を調べてみましたが決定的なものは得られませんでした。

 前置胎盤は、子宮口が開くから、その一部の胎盤が剥がれて出血するなんてよく言われますから、子宮頸管長(超音波で測った子宮口の長さ)が短くなれば出血する可能性が増えると想像されますが、(私たちのデータでは)そうでは無かったようです。

 簡単に言えば、頸管長が十分あっても出血するときはするし、短くなってもしないものはしないというようです。

 このことから、私は前置胎盤はどんな程度のものでも(全前置であれ辺縁前置であれ、頸管長が長かろうが)出血する可能性は十分にあり得ると警告しています。

 比較的大丈夫な前置胎盤なんて無いのだと・・・




 医療従事者も患者さんも過信するなかれビックリマーク


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