じわじわ動く前置胎盤 | へその緒のはなし

へその緒のはなし

「へその緒」を研究する産婦人科医のブログ。
かつては、みんながお世話になったはずである「へその緒」の神秘的なしくみと、その異常への挑戦を語る。

 胎盤の位置が変わるということを聞いたことがある人もいるかもしれませんが、胎盤には足がついているわけではないので動きませんカメ


 海の岩に張り付くアワビやトコブシのようにじわじわ移動したり、ナウシカに登場するおーむ(古いって?)の様に移動する姿を想像されるかもしれませんが、残念ながら違います汗



 そもそも、本当に動いたら、剥がれて出血して大変ですよね爆弾




 では、なぜ位置が変わると言われるのでしょうひらめき電球


 今回のお話は、妊娠16週以降に胎盤がきっちりできて、胎盤以外の膜とは区別がちゃんとできるようになった後の話です。



 子宮の壁の上に胎盤はしっかりのっかっていますが、ゆっくり子宮が大きくなるにつれて子宮の壁が薄く伸びるときに、胎盤の子宮の外から見た位置関係が変わった様にみえるのです目


 正常に子宮の真ん中あたりについている胎盤では、まわりに位置関係を比較するものが無いので、あまりそのことは語られません。



 その一方、子宮の下の方にある前置胎盤や低置胎盤では、超音波で定期的に見ていると子宮口との位置関係が変わるのが分かるので、「動く」ということが語られるのですあし




 でも実際は、胎盤が歩んでいるわけではなく、その土台が成長し、伸びて、動いたように感じるだけなのです。このことを、胎盤のmigration(マイグレーション)と呼びます。



 子宮の下の方は、お産になるまで伸び続けます。だから、胎盤と子宮口の位置関係も、お産まで変化しつづけます。




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