正常なへその緒は、ねじれていて、それが電話のコードのようになっていて、赤ちゃんを動きやすくすることや、押しつぶされないような有利なしくみになっていることをお話ししました。
しかし、そのねじれもちょうどいいぐらいじゃないと困ることがあるのです。ねじれの回数が多いものを過捻転(かねんてん)といいます。今日は、そのはなしです。
細かい話ですが、どの程度が過捻転かといいますと、巻いている数を数えて、へその緒の全部の長さで割った数字が0.3以上になる時を言います。50cmのへその緒だったら15回以上ということです。まあ、そんなに厳密に数えなくても、産科医も助産師もぱっとみて気づくものです。
この方法できちんと測ってみると、実際には100人に5人ぐらいが過捻転にあてはまります。これも他の臍帯異常と同様に、生まれてきてから初めて分ることもよくあります。
しかしその一方、死産の原因として良く知られるのも確かです。
私たちの調査では、
死産の原因の
45%は臍帯異常
20%は胎児の病気
15%は胎盤異常
2%はお母さんの異常
残りは原因不明
でした。
その臍帯異常の中では半分が過捻転で亡くなっていたことが分かりました。でも、お産1000件に対して3例の割合ぐらいでしか死産はおきませんから、他の臍帯異常同様にそんなに恐れる必要はありません。
過捻転についても、大丈夫なものと、まずいものを見分ける必要性がありそうです。