シリアルアントレプレナー 「3度目の起業」と「初めての子育て」 -127ページ目

ディープインパクト

特に競馬が好きなわけでもない僕は、その名前は知っていたが、ディープインパクトがどれだけ素晴らしい馬であるか、そのことは知らなかった。

実は昨夜遅く、悠生が39.3度の熱を出し尚かつ吐いてしまったので、広尾の日赤医療センターの救急外来に連れていった。レントゲンを撮り、血液検査をしたところ、軽い肺炎を起こしているとのことだった。

検査結果を待っている間、待合室にあったテレビで「ディープインパクト」の特集番組が放映されていた。

残念ながら病院の待合室なので時間制限で途中でテレビが消されてしまったが、僕は、その番組をみて初めて、ディープインパクトがどれだけ凄い馬かということを知った。

そして、騎手である武豊氏のコメントを聞きながら、背中に身震いを覚えた。武豊氏は「久しぶりに凄い馬に出会った」と言っていた。

武豊氏がディープインパクトに跨がり、どこは守るのか? どこで攻めるのか?の指示を出すその映像をみていて、人間と馬が一体となっていることに強い感動を覚え、涙が出て来た。

お互いの体温を感じながら、きっと両者にしか分からない「信頼関係」で結ばれており、その信頼関係があってこそ、大きな結果を出せるのだろうと思った。

だからこそ、人々は競馬場に通い、才能あふれる馬を応援するのだろう。

たしかに、ギャンブルとしての勝ち負けがあるのは事実として、でも、それだけではない「ロマン」を感じた。

法政大学ビジネススクールと共同で運営しているオープン講座にグロービスの小林さんにゲスト講師として来て頂いた時、ベンチャーキャピタリストのモチベーションや楽しみは、才能豊かな起業家達と仕事をすることによる「刺激」だと言っていたことにも通じるような気がする。

ある米国の著名なキャピタリストが、そんな青臭いことはどうでもよく、純粋に「儲かるかどうかだけだ」と言っていたそうだが、僕はそういう人には共感しない。仮に、何百億円、何千億円を稼いでいるとしても。

一度もヨーロッパ(の馬)から出たことのない「凱旋門賞」を、何とかディープインパクトに取って欲しいと願い、何千人もの人がフランスに行き、その目で「奇跡の瞬間」を捉えようとしたという。

そういう「夢」や「ロマン」の素晴らしさを、大切にしていこうと思う。いくつになっても。

スクリーンに人生をさらけ出す。

時の経つのは速いもので、今日から10月。今年も残すところ、あと3ヶ月となった。

会社の立ち上げと子育ての両立からか「蓄積疲労」がひどく、昨日はラソナの経営会議を終えて自宅に帰ってから仮眠を取ったが、弟からの電話で起こされた時は何が起きたかわからないほど熟睡していた。

今日は、11:30から行きつけのセラピアという店で整体をしてもらった。木曜日の中学校と慶応ビジネススクールでの講義(立ちっぱなし)と金曜日の引っ越しが続いたせいか、持病の腰が痛くなり、いつもよりも長めに治療をしてもらった。

午後は赤ちゃん本舗に行って悠生の買い物をし、帰りにスーパーに寄って帰ってきた。悠生は数日前に39度の熱を出し、ここのところ調子が良くない。今日も朝から機嫌が悪く、相手をしていないとすぐにぐずり出す。

インタースコープの創業期は毎日夜中まで我武者らに仕事をしており、それはそれで大変だったが、週末は休もうと思えば休めたわけで、ONとOFFの切り替えが出来た。その分、今よりも楽だったような気がする。とにかくシンプルな日常だった。

その頃と違って、起業と子育てが同時並行で進んでいる今は、週末に気分転換をするということができず、常に80%のエネルギーを持続させているようなもので、インタースコープの頃とは疲れ方が異なる。今の方が肉体的にも精神的にも「ペース配分」を要求される。

ところで、先程、悠生の相手をする合間を縫って、日経新聞の別冊「THE NIKKEI MAGAINE」を読んだ。

今月号は「Great Performers 2006」というタイトルで、日本映画界をリードする6人:市川崑(監督)、小林聡美、真田広之、小泉今日子、中井貴一、桃井かおり、という各氏のインタビュー記事が掲載されていた。

因みに、市川監督と桃井かおりを除くと全員40代だで、数年前のアエラで「日本を変える40代の経営者」とかいう特集が組まれていたことを思い出した。そこに前刀さん(元祖ライブドアを経営)も紹介されていた。

一方、最近注目の起業家達はその多くが30代で、特にネットビジネスにおいては、30才前後が活躍しているのは間違いない。

しかし、ある程度の年を重ねないと見えてこない現実や経験が為せる術を活用し、40代ならではの生き方と事業をしていきたいと思う。

小泉今日子(ちょうど40才)が「映画女優とは?」とい問いに対して、「人生をスクリーンにさらけ出すことができる人」と、噛み締めるように語ったらしい。

僕も「人生を起業という生き方にさらけ出してきた」ようなもので、彼女の言葉には共感できるものがあった。

また、桃井かおり(54才)は、「突然引っ越したり、親が死んだり。人生では唐突にいろんなことが起こる。『日常は劇的』なんです。映画のように引いた目線で自分をみて、それに気づいて欲しい」と語っている。

これからも変にカッコつけず、ありのままの自分と人生を、自分の「事業」にさらけ出していこうと思う。

ドリームビジョンのオープニングパーティでアレン・マイナーさんが僕に言ってくれたことは、そういうことかもしれない。

追伸:久しぶりに映画を観に行きたくなった。最後に映画館に足を運んだのは、妻が妊娠6ヶ月頃のはずなので、1年半ほど前だと思う。

3度目の起業と10回目の引っ越し

昨日はオフィスの引っ越しをした。

振り返ってみると、僕にとっては「10回目の引っ越し」であり、1991年に初めて起業して以来、11個目のオフィスである。

オフィスの場所を振り返ると、原宿→松濤(渋谷)→恵比寿→原宿→原宿→中目黒→代官山→池尻大橋→渋谷→青山→原宿(今回)で、どうやら「原宿」に縁があるようだ。

今度の場所は、表参道と竹下通りの間にあり、うるさくもなく、静か過ぎず、なかなかいい感じである。何となく、自分の原点に帰ったという気がしていて、「新しいこと」をやろう(やりたい)という気持ちにさせてくれる。やはり、環境は大切である。

昨年の6月いっぱいでインタースコープの代表取締役を退任し、取締役になって以来、自分の中では次のモチベーションを探してきた感があるが、あれから1年3ヶ月が過ぎ、ようやく Re-Start ができそうな気がする。

3月いっぱいでインタースコープを退任し、ドリームビジョンの立ち上げをしてきたわけで、もちろん、モチベーションが低かったわけではないが、インキュベーションオフィス(仮住まい)に入っていたこともあり、本格的な立ち上げ前の準備期間という感じが拭えなかったのかもしれない。

初めて起業した時、そして、投資家から何億というお金を集めてインタースコープを立ち上げる直前にいた「原宿」に戻り、いよいよ本番という気がしている。

今年も残すところ、あと3ヶ月、良い結果を残そうと思う。

幸せな一日

昨日は11時過ぎに家を出て、神奈川県相模原市の津久井湖の近くにある「串川中学校」を訪問し、総合学習の一環としての「人生の先輩から学ぶ」という職業講話にて話しをさせて頂いた。

対象は3年生だったが、みんなとても熱心に僕の話しを聴いてくれていた。彼・彼女達にとって少しでも何かのヒントになったようであれば嬉しく思う。

「嬉しく思う」ということでは、昨日、帰宅してからメールをチェックしたところ、僕のブログにコメントがあったことを知らせるメールが届いており、なんと、串側中学校の生徒の方からのコメントだった。

きっと僕の名前かドリームビジョンかで検索をして、僕のブログを発見したのだろう。まさしく、WEB2.0時代の恩恵を実感した。

串川中学校の後は、慶応大学のビジネススクールにて、起業に関する講演をさせて頂いた。

同じ日に、中学校とビジネススクールでの講演というのは、ダイナミックレンジが広く、頭と心の切り替えが少々大変だったが、こちらでも素晴らしい時間を過ごすことができた。

今回の件を企画して頂いた下垣内さんには心からお礼を申し上げたいと思う。ありがとうございました。

MBAというのは、ビジネスをどうマネージするか?ということであり、どちらかと言うと大企業の経営幹部を志向する方々に有益なカリキュラムではないかと思うが、そこに「起業」や「アントレプレナーシップ」「チャレンジ」といった「マインド」を醸成する要素を盛り込んだ方が、日本社会においては効果的ではないかと思う。

インタービジョンの創業者であり、戦争という「極限状態」において、どのようなタイプの人間を組み合わせると最強のチームが出来るかという実践的理論を開発し、米国ペンタゴンの顧問を務めたこともある小林さんという方の講演で聴いた話しであるが、MBAというのは、リーダーシップはあるがマネジメント的スキルが足りない傾向にあるアメリカ人向けに開発されたカリキュラムであり、マネジメント的スキルはある日本人には、むしろ、リーダーシップを学ぶカリキュラムが必要であると言っていた。

そういう意味でも、僕は将来、今までの日本にはない新しい概念と仕組みの大学を創設したいと思っている。

そんな僕の話しが、少しでもKBSの皆さんのお役に立ったようであれば嬉しく思う。

「相模原の中学校」での授業と「慶応大学ビジネススクール」での講義。

今日はこれから、タイトルのとおり、ダブルヘッダーでの講義がある。

相模原の中学校での授業は実現しかかったことがあるが、キャンセルになった経緯がある。今回は、別の中学校からの依頼である。あるNPOの方がコーディネイトをして下さっている。

大学や大学院での「講義」は何度か経験しているし、僕に依頼が来るのは「起業」をテーマにしたものが多いので、自分自身の経験を踏まえて話しをすればよく、それほど大変なことではない。

しかし、中学校の「授業」となると、さすがに勝手が分からず、少々緊張している。

今の子供達はとても現実的で「夢は夢、現実は現実」と割り切っている傾向があるらしく、その彼らに対して、強く想い続ければ(もちろん行動を伴って)「夢は叶う」ものだということを、数々の「失敗談」を交えて、熱く訴えて欲しいとリクエストされている。

そういうことであれば、自分自身の「挫折経験」をもとに、何故、頑張り続けてこれたか?(いるか?)について話せばよく、やはり、地で行くのが良さそうである。

ところで、英語で「Diversification(多様化)」という言葉がある。

僕が20代の頃に働いていたコンサルティング会社では、長年に渡り「日本人の価値観分析」を行っており、これからの日本社会は価値観の多様化が進むということをクライアントに言い続けていた。

当時の議論は「多様化する消費生活」に対して、企業として、どのように対応すべきか?(コンシューマ・マーケティング)というものだったが、ようやく、「生き方やキャリアデザイン」という領域においても「Diversification(多様化)」が起きつつあると感じている。

そして、今、中学生や高校生の彼らにこそ、そのことをよく理解して欲しい(必要がある)ということだろう。

父親歴「1年」の未熟者ではあるが、未来の日本社会、そして、世界を担う10代の彼らに対して、少しでも「勇気と自信(Dream & Vision)」を持つ「きっかけ」を提供できれば幸せである。

オプトの鉢嶺氏から学んだこと。

元アップルコンピュータの前刀さん(元祖ライブドアの創業者でもある)のセッションを皮切りに始まった法政大学ビジネススクールとのオープン講座も、先日で第4回目となった。

先日(9/25)は、ゲストにオプトの鉢嶺氏を招いた。

最初に鉢嶺氏に30分ほど話しをしてもらった後、僕がナビゲーターとなり、予め受講生の方々から頂いていた質問をもとにQ&Aのセッションを行った。

彼とは12~13年来の付き合いであるが、このようなフォーマルな場所で彼の話しを聴くのは初めてのことであり、多くの「気づき」をもらうことができた。

彼は努力家であり、とても誠実な人である。

JASDAQの公開企業となり、500人の従業員を抱える企業の社長となった今でも、決して奢り高ぶることもなく、謙虚な姿勢を失っていない。

その鉢嶺氏とQ&Aセッションをする中で、僕は、彼が成功した要因は「自分という人間をよく知っていること」「適材適所の経営チームをつくってきたこと」「社会に対する感謝と還元を忘れないこと」ではないかと思った。

JASDAQ公開企業の社長となり、2年半も経てば当たり前なのかもしれないが、先日の彼には「凛」とした空気と「毅然」とした表情が漂っていた。

そして、「迷い」や「ブレ」がなく、「芯」が通っていると感じた。

彼が株式公開を実現できて、僕がインタースコープでそれを実現できなかった理由、つまり、彼と僕とを分かつものは、その点だと思った。

「自分を知ること」や「社会に対する感謝と還元」という点では、彼に勝りはしないものの、それほど大きく劣るとは思わないが、「迷い」や「ブレ」がなく、「芯」が通っていたか?と自分に問えば、そうとは言えない自分があった。

ドリームビジョンでは、過去の自分を超えていきたい。

自分への質問。

僕のブログに毎日欠かさずにコメントをくれる「坊主頭のりょうへいさん」から、「自分への質問」というキーワードを頂いた。確かに、自問自答はとても大切なことだと思う。

「自問自答」とは異なるが、ブログを書くことの効用のひとつとして、過去の自分の「思考内容」を知ることができる点があると思う。

たまに、自分のブログを読み返してみる時があるが、そうすると、その時の自分の関心事や思考パターン、精神状態などが、とてもよく分かるし、数ヶ月というレンジでの自分のトレンドを把握することができる。

僕はほぼ毎日、ブログを書いているが、それだけの価値があると思う。

因みに、僕が尊敬する「伊藤穣一氏(JOI)」は、ネタの仕込みを含めると、毎日4~5時間もブログに時間を費やしていると言っていた。それもここ4~5年間、続けているらしい。

テクノラティの検索で彼のブログランキングが世界で「二桁」をキープしている理由は、そこにある。

さすがに、僕には真似のできない芸当である。

Tokyo Girls Collection (カワイイ★ウォーズ)

日曜日のNHKで、「カワイイ★ウォーズ」と題して、ファッション業界の変化をテーマにした番組が放映されていた。

今までのファッション業界は、日本においてもモードと呼ばれるアーティスティック且つ哲学的要素をも取り込んだ著名なデザイナーのコレクションが頂点に立っていたが、ここ数年、急速にモードな世界が影響力を失っており、それに替わって「カワイイ」をキーワードにした「旬」が極めて短い「リアル・クローズ(一般的な服)」が影響力を持つようになっていることを紹介していた。

僕は、この番組を見ていて、僕が今年の3月まで本拠地としていた「インターネットリサーチ」のことを思い出した。

リサーチ業界は今まで、統計理論に則った「重厚長大」な調査手法が主流だったが、インターネットというインフラが社会のスタンダードになるに連れて、急速に「インターネットリサーチ」が大きな影響力とシェアを持つようになった流れに、ある意味で似ていると思った。

話しをファッション業界に戻すと、大浜さんという方が経営する「ゼイヴェル」という会社が「Tokyo Girls Collection」というファッションショーを運営している。

そして、その大浜さんに会いたいと言って、イッセイミヤケの社長から連絡してくるほど、「Tokyo Girls Collection」は既に影響力を持つに至っている。

ファインアートの世界であれば、芸術家の思想に基づき表現をし、それが結果的に受け入れられれば良いということかもしれないが、コマーシャルアートの世界では、文字どおり「コマーシャルベース(商業)」にのらない限りは認められないのである。

僕は、消費生活だけでは満足がいかず、常に何かを「創造」していたい人間であり、Tokyo Girls Collection のようなものに対しては「消費」的なものしか感じられず受け入れ難いものがあるが、昨日のNHKの番組をみて、そういう考え方ではいけないのだろうか?と考えさせられた。

時代は常に変化し続けているのである。

そんな中で、自分の価値観を貫きながら、商業的にも成功したいということは、極めてチャレンジングなことだということを改めて感じた時間だった。

でも、僕はそのことに挑み続けたい。

追伸:ゼイヴェルの大浜さんとは、早稲田大学のMBAに呼ばれてパネルディスカッションに行った際に、ご一緒させて頂いたことがある。楽しんで仕事をしていることが、彼の表情と発言から、とてもリアルに伝わってきたことを覚えている。

マクロミルの調査結果

日曜日(昨日)の日経新聞の「SUNDAY NIKKEI α」というコーナーに、マクロミルの調査結果に基づく記事がある。

昨日の記事は、「子供が起業すると言ったら?」というテーマである。

その調査結果(記事)をみて僕は驚いた。50~69歳の会社員もしくは公務員で子供を持男女に質問したらしいが、なんと「反対する・反対した」という人は「13%」しかいないという。

たしかにインターネットリサーチでの調査ということで、回答者にはリベラルな方が多いだろうと思われるが、それにしても、たったの「13%」とは、僕の想像とは大きくかけ離れていた。

僕の両親は「昭和一桁」生まれで、戦後の焼け野原を経験していた世代だが、その世代とは価値観が大きく異なるのだろう。確かに、時代背景が今と当時とでは違う国と言っていいほど違うので、僕の両親が生きていて同じ質問をされたら、もしかしたら「反対しない」と回答するのかもしれない。

今回の調査は、たまたま「起業」ということだが、それが「転職」であろうと「留学」であろうと、何か人生を大きく変えるような時のハードルは、親や配偶者ではなく、結局のところ「自分自身」ということかもしれない。

「人生はすべて必然(自分の選択した結果)」であり、「人生には勇気と自信が必要だ」ということを感じる。

「自由が丘」の午後。

今月末にドリームビジョンのオフィスを移転することになった。

場所は「原宿」。

僕が初めて起業した時にオフィスを借りたのも原宿だった。ある意味で僕の起業家人生の原点でもある。

そんなことで、今週末は、会議室で使うテーブルのセットと僕の机と椅子を探していた。

単なる事務机ではなくデザイン性に優れているオフィス家具は値段が高く、今のドリームビジョンの財務体力ではとても買えないので、オフィスでも使えそうな住宅用のものを探しに、昨日は渋谷のロフト、新宿の in the Room(丸井)、今日は目黒通り沿いのインテリアショップ、自由が丘のFranc Franc を見に行った。

安くあげようと思えばアスクル等で買えば済むが、これから「人材紹介業」を立ち上げるので、キャンディデイト(転職を検討している人)が転職に際して「夢」を感じられる雰囲気のインテリアでないとマズいので、リーズナブルで質感の良く、尚かつ、オフィスで使っても違和感の無いものを探すことにした。

因みに、当然のことながら子供を連れてのお店回りは結構大変である。途中でぐずったり、ミルクをあげたりすることを考えて、完全装備でのお出掛けである(笑)。

その甲斐があってか、来客用のMTGテーブルは、Franc Franc で見つかった。自分の机は、値段と品質のバランスが良いものがなく、自宅に帰ってきてから通販カタログをみて、何とか見つけることができた。

そんなことで忙しい週末だった。

ところで、今日の午後、自由が丘で遅いランチを食べようと入ったお店の前で、画家と思しき女性が、連れの女性が弾くアコーディオンが奏でる音色に合わせて、道行く人々の「似顔絵」を書いていた。

場所柄、子供連れの母親が多く、親バカな彼女達を狙っての「大道芸(有料)」をしていた。弾いていた曲はフランスの民謡のような感じだった。

彼女は結婚しているのだろうか? 美大を出ているのだろうか? どのぐらいの収入になるのだろうか? そんなことを考えつつ、悠生をあやしながらお昼(カレーライス)を食べていた。

と同時に、そういう考え方は「経済的豊かさ=幸せの必須条件」という前提に立っており、ついついステレオタイプな考え方をしてしまう自分を振り返っていた。

「自分らしく生きる」ということが、僕自身のテーマでもあり、ドリームビジョンのテーマでもある。

幸せの条件は、その人によって異なると思うが、色々な国に行ってみたり、好きな車に乗ったりと、僕にとってやりたいことを実現するには、どうしてもある程度のお金が必要になる。

また、ブログにも何度か書いたように、僕は30代の半ばに物凄い貧乏な生活をしてきており、お金が無い生活の惨めさを散々味わってきたせいか、とにかく、どんな仕事に対しても、無意識のうちに「経済価値」を考える癖がついている。

そのくせ、インタースコープを辞めて、わざわざ好き好んで「苦労」をしているわけで、何とも矛盾した生き方をしているとも言える。

人間は何かを諦めれば、何かを得ることができる。

似顔絵を描いていた女性の生き方(活き活きとした表情をしていた)をみて、自分はいったい何を最も大切にしているのか?ということを改めて考えた午後だった。