2017-5-5 LFJ2017&TIAA | Dream Journeyのブログ

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こどもの日は予定通りにLFJとコンサートの掛け持ちだったのですが、早めに起きてホールEのローランドのブースでエアロフォンの試奏(というほどではないですが)をさせていただいた後にサックスプレイヤーの中村有里さんによるステージで演奏を聴きました。
ルパン三世のテーマ(アルトサックス)
ハンガリー舞曲第5番(ヴァイオリン)
いつか王子様が(トランペット)
タイトル忘れましたがサンバだったと思います(フルート)
宝島(シンセサイザー)
という様々な音色での演奏でしたね。エアロフォンは基本的にはサックスの指使いで55種類の音色を演奏することができるとのことで、ステージでも他の音色も少し聴かせてくれました。どの音色もリアルな感じもあり電子ピアノ同様に技術の進歩を感じますが、特にヴァイオリンは想像以上にリアルに感じました。中村さんはサックスの演奏は何度か聴いたことがありましたが、エアロフォンの演奏を聴いたのは初めてでした。来週末にはサックスの演奏を聴く予定なので、そちらの方も楽しみにしています。

その後は丸ビルの1階に移動をして、東京芸術大学の東クラスの方々によるピアノの演奏を聴きました。
今年のLFJのテーマである「LA DANCE」にちなんでだと思いますが、サン・サーンスの「死の舞踏」とピアソラの「タンゴの歴史」の演奏でした。
サン・サーンスが死去した年にピアソラが生まれたとのことでしたが、活躍した順番通りに「死の舞踏」からの演奏でした。
タイトルがインパクトありますが、鐘が鳴るところから始まり、地の底から亡霊たちが湧きあがってくるような雰囲気を感じる作品でした。低音が力強く演奏されるのも印象的で、作品としてもインパクトがありましたね。エスニックな感じと少し近代音楽的な響きも感じながら、亡霊たちが舞踏するような様子が繰り広げられて、最後は地の底へ戻っていくような形での終了でした。
「タンゴの歴史」は全曲聴くのは本当に久しぶりでした。1900年、1930年、1960年、1990年と30年刻みにタンゴの移り変わりを表現された曲ですが、テーマとなるメロディには共通なところがありながらも、それぞれにかなり違った風にも聴こえる作品ですね。
1900年は売春宿という題もありますが、比較的シンプルなリズムでステップを踏んでいるような庶民的な感じもするメロディでした。芸術というよりも庶民の生活の中にある音楽という感じもする演奏でしたね。
1930年はカフェという題で、踊るというよりも音楽としての要素が強くなった頃とのMCがありました。その通りにゆったりとくつろぎながら生演奏でタンゴを聴いているような情景が浮かんでくる演奏だったと思います。
1960年はナイトクラブという題ですが、ボサノバなど外国の影響が入ってきた頃とのことでした。確かにそんな感じでよく言えば洗練された風がありましたね。メロディもかなり複雑なものとなって、一部には現代音楽的な感じがするところもありました。
1990年は現代のコンサートという題だと思いますが、もはや舞曲というところからは離れて、タンゴの雰囲気は残しながらも現代音楽を聴いているようでした。
30分という短い時間のコンサートでしたが、聴き応えのある演奏だったと思います。出演された6名のうちの木内さんは以前にも聴いたことがありますが、今回は「死の舞踏」の連弾の低音部を担当されて印象的な音色を聴くことができました。

新丸ビルに移動して、声楽のコンサートを聴きました。早めに足を運んだ関係で前の方でリハーサルから聴くことができましたが、
藤野沙優さん(ソプラノ)
別府美沙子さん(ソプラノ)
高瀬さおりさん(ピアノ)
の3名によるコンサートでした。
冒頭は藤野さんの「エル・ビト」というスペイン歌曲で情熱的な歌声とダンスする情景が浮かんでくるような素敵な歌声から。
別府さんは「カディスの娘」というフランス歌曲ながらもスペインをテーマにした作品で、こちらも華やかで素敵な歌声でした。
ここからはアリアになって、先ずはオペレッタの「こうもり」から、別府さんがアデーレのアリア「侯爵様あなたのようなお方は」、藤野さんがロザリンデのアリア「故郷の響きを聴けば」でした。軽やかでコミカルさもある可愛らしいステージの別府さんの歌声と故郷(実際は違いますが)を思いながら情感を込めて歌い上げる藤野さんの歌声の対照も楽しみながらだったと思います。
続いてはオペラ「仮面舞踏会」から「死にましょう、でもその前にお慈悲を」を藤野さんによる歌声で。かなり切迫した場面で歌われるアリアで、哀しみと必死の思いが伝わってくる歌声で会場とその周辺の雰囲気を一気につかむような圧倒的な歌声でした。
別府さんは「ロミオとジュリエット」から「私は夢に生きたいの」、こちらはまだ恋を知らない少女の純粋な思いと夢見る気持ちを込めての軽やかな歌声で、やはり会場から大きな拍手がわきましたね。
最後は重唱によるロッシーニの「ラ・ダンツァ」でした。こちらは情熱的な歌声で、タイトルも今年のLFJにピッタリということで、最後にふさわしい歌声だったと思います。
30分の短いステージでしたが、しっかりと楽しめました。来月にガルバホールでの魔笛で2人の歌声を聴くことができますので、そちらの方も楽しみにしています。

この後はタクシーで浜離宮朝日ホールに移動しての「第68回TIAA全日本クラシック音楽コンサート」に足を運びました。長丁場のコンサートということもあり、実際に演奏を聴いたのは第2部にあたる7名のピアニストの方々の演奏でした。
6人目で演奏された野原さんの「ブラジルの詩」を聴くことが目的でしたが、「吟遊詩人の印象」は竪琴を使って弾き語りをしているようなドラマティックで印象的なメロディでした。最初は落ち着いたところから段々と気持ちが高ぶっていき、再び落ち着きを取り戻すような展開で、その中に吟遊詩人の嘆きのような思いをぶつけるかのような感じもある曲でした。
「奥地の踊り」は、その名の通りに賑やかで楽しげな雰囲気が伝わってきる速いテンポの演奏が祭りを表現しているようでした。恐らくジャングルの中における祭りを表現しているのだと思いますが、人々が興奮状態で一心不乱に踊っているような情景が伝わってくるような演奏でした。
野原さんの演奏を聴いたのは3月以来だと思います。とても感情の込められた情熱的な演奏で素晴らしかったですね。またの機会にも演奏を聴きたいと思います。
他の方もそれぞれに個性のある演奏でした。ピアノは同じものを使っても奏者や曲によってこれだけ違ってくるのだということを改めて感じるものがありました。

再びLFJに戻って、最後はホールEで上演された東京ユヴェントス・フィルハーモニー(指揮 坂入健司郎さん)による「ボレロ」でした。今回のテーマに合わせて、コンテンポラリーダンスの「プロジェクト大山」の6名のダンサーによる演技とのコラボということで、本来バレエ作品として作曲されたこの曲の趣旨に近い形での演奏となっておりました。この曲を生のオーケストラの演奏で聴いたのは久しぶりでしたが、やはり聴き応えがありますね。そして、ダンサーが入ってくるとまた違った印象にも見えるのも面白いですね。

そんなこんなの音楽漬けの1日でした。6日はLFJには行かずランチコンサートに足を運んでいました。