ライジの夢追い更生日記 -17ページ目
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さらば飲んだくれの日々

昨年の秋、僕の上司が本を出版しました。
元々小説家になりたかったという夢を持っていた上司が
10年以上前に自転車で日本中を放浪した経験を綴った旅行記です。

僕も上司も普通の会社に勤める普通の会社員です。
上司はもちろんプロの作家でもなければ、長年アマチュアの世界で
名を馳せ、満を持してデビューしたなどという経歴がある訳でも
ありません。
何かをキッカケに、乱暴な言い方をすれば「衝動的」に
本を出してしまいました。

繰り返しになりますが、上司はプロではなく、執筆依頼・出版依頼が
あっての作品ではないので、いわゆる自費出版。
その費用はなんとウン百万にものぼったそうです。

上司曰く、「勢い余って出しちまったけど、後になって冷静に
考えてみればとんでもない事(良い意味で)をやっちまったんだよな」
でも上司の顔は清清しさに満ち溢れていました。

もちろん僕は上司の経済状況など知る由も無く、その出版費用が
上司の家計にとってどれだけの負担だったのかは判りません。
出版に掛かった分の費用を、本を売る事だけで補おうとは
思っていない。でも出してしまったなら、一人でも多くの人に
読んでもらいたい。それはイコール売り上げに繋がる。
単純だけどそれでいいじゃないか。
そう上司は言いました。

夢を叶える事に年齢など何の関係もない。

後日、更に上司は言いました。

人の受け売りの言葉だが、作品は「出荷」しなければ「芸術」として
成立しない。
上司のアタマの中や、おそらくあるであろう沢山のノートや
パソコンの中のデータ。それらは全て上司の「作品」です。
しかしそれを何らかのカタチにして他人に発表しなければ、
それは「作品」や「芸術」とは呼べない。
あくまで他人に評価というものをされて、初めて「作品」となり、
「芸術」というカタチとして成立するのだと。

上司との付き合いは、僕が今の会社に入って初めて知り合い、
まだ2年くらいしか経っていません。
きっと上司も紆余曲折あって今の生活をしている。
でも夢を追い続け、立派な「カタチ」として作品を世に送り出しました。
僕はもちろんこれがゴールではなく、スタートだと思っています。
きっと上司も。


話が長くなりました・・・。

かく言う僕も上司と同じ職場の普通の会社員ですが、
僕も夢がたくさんありました。
一番はシンガーソングライターになる事。
10代~20代前半の頃は本気で活動していましたが、
色々あって挫折。就職、結婚を機に後ろ髪を引かれながらも
情熱は薄れていきました。
今更別にプロになりたいとは思っていませんが、
何らかの形で表現活動をしていきたいと思ってはいたものの、
挫折を味わった頃から本格的に覚えた酒に遊ばれ、
仕事が終われば風呂に浸かってダラダラ飲んだくれの毎日。
でも基本的に毎日のように飲み歩いたりして家計を
圧迫するほどでもありませんし、家飲みにしても酒のせいで
暴力的になるような悪いクセがあるわけでもありません。
でも自分の中で「本当にこんな毎日でいいんだろうか?」
と思い続けていました。
何か始めなければと思い続けながらも、やっぱり酒を飲んでしまえば
イイ気分になるし、ゲームもしたくなる。ネットサーフィンも面白い。
仕事してる時間帯に録り貯めた、好きなTV番組も観たい。
気になるDVDも借りて観たい。
せっかく家族も寝てしまって、自分の自由になる時間なんだから、
別にダラダラしたっていいじゃないか。
次の日になって、元気に仕事に行って、ちゃんと家族を
養っていければ誰に文句を言われる筋合いもありませんし。

でも何か違うんです。
ダラダラして楽しいながらもずっと違和感がありました。
元々歌を歌ったり、創ったり、絵を描いたり写真を撮ったり、
それを表現する事が大好きな自分でしたので、長らくそういった
活動をしていない自分にもどかしさがありました。
そんな自分の背中を押してくれたのが他でもない上司でした。

念願の本を出版し、ブログを始めた上司は
今まで溜まっていたものを表現できる場所を見つけて
本当にキラキラしています。

「僕もブログ始めてみたくなりましたよ。」
「いいねえ~」と上司。

そんな些細な会話が始まりでした。

じゃあいっその事酒やめて、今まで飲んだくれていた時間を
創作活動に費やしてみようじゃないか!
そう決意した僕でした。

甘えてる訳ではありませんが、誤解のないように言っておきます。
決して禁酒・断酒をするわけではありません。
仕事から帰って、寝るまでの時間。今まで飲んだくれていた時間に
酒を飲まず本当にやりたかった事をする。そういうわけです。
ごくたまにある飲み会があれば参加しますし、
週2日の休みの日だけは解禁します。
もちろん飲まなくてもいいですし。
最初から重い十字架背負っても、それが変なプレッシャーに
なるであろう事は容易に想像できますから。

後は、創作活動をこまめにアップする事で、良い意味で自分を
追い込んでいければと思っています。

非常に長ったらしいイントロダクションですが、
どうぞ宜しくお願いします。

背中を押してくれた上司に最大級の感謝を込めて、
ライジの夢追い更生日記、スタートです!!!

トランス・トリッパー/勇治

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