政府が新型インフルエンザ等対策政府行動計画の改定をしようとしています。3年以上に渡る新型コロナ対応を踏まえて、感染症の科学的知見が不十分な感染初期段階でも緊急事態宣言などの国民の私権を制限することが出来るようにしようとしています。これはとんでもない大問題です。

 

この3年以上に渡る新型コロナ対策において、政府の分科会や厚生労働省のアドバイザリーボードなどの専門家が果たした役割をろくに検証もせず、政府は、よく頑張ったと総括しています。民主主義の国では、国家による私権の制限については抑制的でなければなりません。にもかかわらず、このような感染症の専門家が、科学的知見が不十分な状況でも、国民の私権を制限できるということは非常に恐ろしいことです。

 

この論理でいくと、日本が戦争に巻き込まれる恐れがある時、安全保障や防衛に関する専門家の考えで、私権の制限を行う、つまりかつての過ちである治安維持法や国家総動員法といった緊急事態措置が行われる恐れがあります。

 

政府は、パブリックコメントを経て、夏には、新型インフルエンザ等対策政府行動計画の改定をしようとしています。緊急事態宣言を出しやすくすることに絶対反対の声を今私たちが上げなければ将来に大きな禍根を残します。

 

前にブログで、国民の安全に重大な影響を及ぼす事態では、国が地方自治体に指示を行えるよう地方自治法が改正されようとしていることに対して大問題であると指摘しました。

(参照:地方自治法改正案の規定の撤回を求める意見書 | 三重県議会議員 稲垣昭義 オフィシャルブログ「 初心、継続。」Powered by Ameba (ameblo.jp)

 

今国会で行われようとしている、地方自治法改正や、国が緊急事態宣言を出しやすくする改定は、先の大戦の過ちを二度と犯さないように戦後日本が築いてきたものを崩すものだと考えます。現在行われている衆議院の補欠選挙や、近々行われるであろう衆議院の解散総選挙で本来、大きな争点にすべきものであると考えます。

 

私は、全体主義や権威主義に日本が向かおうとしていることに非常に大きな危機感を持っていますが、残念ながら国会議員からこのような危機感が伝わってきません。先の対戦も後から振り返ると、なぜその時に止められなかったのかと思う出来事が多々あります。今まさにその真っ只中に私たちがいるような気がしてなりません。

 

不安と恐怖を煽り、緊急事態宣言を軽々しく出せるようにすることは絶対に認めてはいけません。国民の安全や安心を理由に、地方自治の本旨に反することを絶対に認めてはいけません。