公開9日目と然程意気込まずの鑑賞でしたが、数回泣かされたので9/10点評価。新たな玩具の台頭や幼児の成長で、主人公が捨てられそうになるという主題が繰り返されてはいますが、ヒロイン Jessie (カウガールの人形)の悲哀に感情を拐われました。
1. Jessieの悟り
Toy Story 2の劇中歌「When She Loved Me」で歌われた、最初の持ち主 Emily に対する思慕とトラウマ。あんなに必要とされて、あんなに愉しく遊んだ一時があったのに、成長したEmilyに見向きもされず、不用品として寄付された過去。
🖱️ネタバレ
今の持ち主のBonnie (8歳)自身は、幼児玩具で結婚式ごっこに耽る少女。しかし、人形を遊び場に持ってくる事自体を、タブレットを駆使しネットで遊ぶ同世代には嘲笑される。引っ込み思案だが友達に飢えていたBonnieは、友達候補を失わない為、Jessie を手放そうとさえする。Jessieはその仕打ちに再度絶望しかけるが、嘗ての遊び場で成長したEmilyが残したメッセージに遭遇し、幼児玩具としての本懐を悟る。幼児玩具が本領を発揮できるのは、玩具に興味がある幼児が目の前に居る刹那。それがどんなに短くても、思い切り幼児を楽しませればいい。遊びも幼児を成長させる。幼児は育てば玩具が要らなくなる。でも、それこそが幼児玩具の役割ではないか? その時がどんなに短くても、刹那の輝きが強ければEmilyの様に想い出の片隅に残れる場合もある。それこそが本懐とJessieは悟る。<br> 覚悟を決めたJessieは、Bonnie 同様人形遊びが好きで、彼女を馬鹿にしない友達を作ろうとする。馬の人形を飾るBlaze (9歳)は正にうってつけ。Bonnieの関心と時間を奪い敵対していた電子玩具の助けを借りて、彼女たちは友達になる。エンドロールには、家族ぐるみの付き合いになった二家族が、Emilyとの想い出の場に向かう大団円。でも、Jessieは悟っている。いずれ、BonnieとBlazeとも分かれる事を。次は、捨てられるか、お宝玩具して日本の博物館に並ぶのか(Toy Story 2)。でも、Jessieはもう絶望しない。自分の責務を全うしたのだから。2人の少女を、己を必要としないほど成長させたのだから。 <hr size="> P.S. AI開発に携わる技術者が、自分達の仕事がなくなる程、自己補修、自己成長可能なAIを開発できた時、Jessieほど達観できるだろうか。2. Devicesって、Pixar自身?
本作では、ネットに繋がるタブレットが子供の時間を溶かしていく仇役とて登場したが、これってPixar自身の事? にも感じました。「Toy Story」のヒットで、レトロ玩具が再注目され、関連グッズとしてWoody等のキャラクター人形も沢山販売されたので、本シリーズが手にとって遊ぶ玩具を復興し、大人にも関心を広げたのは事実でしょう。
🖱️ネタバレ
一方で、セル画を手書きするアニメ製作から、コンピュータを駆使しして、フルCGでのアニメ製作を可能にしてきたのがPixar。当然、電子玩具との愛称も良く、DisneyPixarのキャラがふんだんに登場するタブレット端末も売り出されています。また、DisneyブランドのTVアニメシリーズにも、Pixarの技術が活かされています。つまり、本作で仇役とされる振る舞いをPixar自身もガッツリ関与しています。なので、マッチポンプ感がプンプン匂います。なので、住人がPC画面やタブレットに集中していて、Jessie達が家の中を通り抜けるのに気付かなり場面も、あまり笑えませんでした。子供が観てるのPixarアニメちゃう?
3. 片想いから解き放たれたWoody
世間的には毛嫌いする人も居る「Toy Story 4」。でも個人的には、「4」の結末は子供へ片想いが前提のfantasyからの、興味深い脱出方に感じました。幼児玩具が、持ち主からの愛でしか自身を満たせないのなら、Jessiseが感じた絶望は必然に生じ得る。でも自分の生きる目的を他人に委ねず、自分で決めたらどうだろう。それは自己満足に過ぎなくても、他人から評価を気にせず自己実現可能な生き方ではないか。
🖱️ネタバレ
「5」に於いて、Woodyは行方不明になったJessieの為に奔走するが、もはやBonnie等子供の事は気にかけていない。子供からの愛情に依存しなくなったWoodyに、子供心が裏切られた気持ちになる観客も居るのだろう。でもそんなWoodyこそ、自分には頼もしく映った。