上記の学会で発表したり視聴したりしながら、「社会医学系指導医の更新のためにポイントを貯める必要があるのね」という訳で申し込んだ日本疫学会総会がオンラインで開催されました。
3日間ある内の2日間を部分部分参加いたしました。
オンライン開催って自分の家から出来て、本当に便利。
オンデマンドで録画も見れるのはとてもいい。
便利ついでに、米国で開催されるオンライン学会も一つ申し込んでみることにしました。
時差があるけれど、ライブと合わせてオンデマンドもしてくれるみたいなので、参加してみます。
人に会えないのとか、雰囲気が掴みきれないのは残念だけれど、ハイレベルな凝縮した最新の情報を得られるのはやっぱり学会だよなと思います。
聞きながら、改めて「疫学は量的に世界を見るよな」と考えました。そして、やはり一般化とか平均とかが主役だよなと思いました。異質的効果とかheterogenous effectの話もあったりして、多様性とか個別性をみる動きもあるようではあります。
私にとって疫学は主役というか公衆衛生の基盤の一つであるなと思いました。そして、自分の力を注ぐのは、質的な理解とか、個別性を理解することとか、当事者の経験とかが好みだなあと改めて思いました。
Social determinants of healthの話は、いつ聞いても、どの角度で聞いても好きです。
スーパースターのマーモット先生は一般書も出しているのですね。
Social epidemiologyはLSHTMでも一生懸命聞きました、私。隣の大学のマーモット先生の講義もあったな〜。
「新型コロナウィルス感染症における感染症疫学の現在と新たな展開」というシンポジウムもあり、アドバイザリーボードや感染研などからの発表があり、2020年1月以降の対策の立て方・実施・その評価などの話を伺うことができました。
実践的な疫学は本当にワクワクする!
届出制度に従って行うサーベイから、理論的モデリング、政治判断、市民とのリスクコミュニケーションなどダイナミックでリアルな話を伺えました。
日本は基礎的なことがちゃんとしているなあと思いつつ、なんか一個一個がすごい大変だよなとも思いました。もうちょっと単純だと機動力が上がるのかな?どうもツギハギになっちゃうよね。
リスクコミュニケーションに興味がいってしまう私は、やっぱり疫学が向いてない。それより大局な公衆衛生が私の好みだし、implicationとかapplicationとかが自然に目のいくところのようです。
オンラインであることから、このシンポジウムは家族で聞くことにしました。非常に有益であった模様です。
運動疫学の話も聞いてみました。
レビューのレビューとかもしていて、大分積み上げのある分野なのだなと思いました。
WHOのガイドラインとかも色々歴史があることが分かり、WHOは世界の知見をまとめて世界に還元するってこともしているんだなと改めて感じました。(古巣のWHOはいつも気になってしまう)
認知症に関しても大型のコホートを長期間組んで調査されているのを改めて聞きました。有名な研究とその現状。こんなに大規模に綿密にやっても何かを断定するって難しいだなあという、ちょっと途方もない感じ。
タバコの話を聞けなかったのは残念だわ。
学会サイトではQ&Aと用語解説のページが一番ヒット件数が高いとおっしゃっていました。
下記のページも非常に興味深い試みだと思います。
次回は来年千葉で開催予定のようです。
(来年の冬もコロナは元気だと思われ、オンラインになるのではないかというのが私の予想ですが)