第五回グローバル・メンタル・ヘルス・サミットに参加しました | 女医の国際精神保健

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精神保健および公衆衛生を軸に、韓国、ロンドン、ジュネーブ、ニース、フィジー、赤道ギニア、東京、インド。
他にも、旅行、馬術、音楽、写真などについて記載しています。

「第五回Global Mental Health Summitはユーの研究 (こちら こちら)とすごく関係が深いよ」

http://www.globalmentalhealth.org/events/5th-global-mental-health-summit-2018

と強いオススメを受けました。

そして、会場は南アフリカのヨハネスブルグ。

おお! というわけで、Partners in crimeな南アフリカちゃんに連絡し、また別の南アフリカちゃんにも連絡。二人とも行く方向で検討とのこと。

では、学会参加と旅行を組み合わせて検討を開始し、アーメダバード・ドバイ・ヨハネスブルグをエミレーツ空港(16時間)で飛び、ヨハネスブルグ・ケープタウンを南アフリカ空港(2時間、1万円少々)で飛び、ケープタウン・ドバイ・アーメダバードをエミレーツ空港(16時間)で飛びました。

 

学会は2日間で約30カ国からの約300人の参加があったそうです。

学会長は当事者ですし、発表・参加に当事者が非常に多かったのも勉強になり、オススメを受けた通り!

基調講演などを除けば、一人一人の発表は5分くらいで、全体的にはシャープな印象の進行し、質疑応答の時間が十分あるのも良く、様々な質問と回答に触れることができたのは、参加したからこその収穫です。そして、もちろん休憩時間にいろんな人に出会えるのも◎

こちら  こちら  の関係者にお会いできたのは非常に刺激的でしたし、日本からの参加者がおられたことも刺激的でした。南アフリカの国際精神保健関係者にもたくさんお会いできました。

 

オープニングの様子はこちらから。

 

 

他のセッションも動画を見れそうで、詳しくは下記へ。

https://www.youtube.com/channel/UCL_Pz1_LZkcpDqP0ijkc4AA

 

selfservingにならないようにaccountabilityをもって取り組むという話題もあり、これは日本が苦手な分野であり、英語圏が最も追求する分野だよなと思ってみたり。

 

下記の筆者を筆頭に、当事者が自分の経験をもとに取り組んでいる活動(主に啓発活動)がたくさん紹介されました。

 

 

介入の活動を行なっているところもあり、例えば こちら などを聞きながら、私も現在の研究を発展させて介入プログラムを作りそして団体を作りプログラムを走らせることができたらなあと思いを巡らせました。(インドで滞在中のグジラート州は商人の州のようであり、誰もが何かしら会社か団体かを本職なり副職なりで経営しているのも感化されます)

 

ー hope is teacheable

ー stigma and discrimination are choices

ー contact based education to combat stigma

ー Stigmaというよりvictimasation

ー I am not alone.

などの文言も印象深いです。

 

当事者を研究デザインから招いた研究活動も紹介され、これはまさに私が取り組んでいるところなので、じっくり聞きました。世界のトップクラスの研究者が何億円もかけて取り組んでいるもので、もっと技術的なところを聞きたかったですが、大枠と雰囲気に止まってしまい、ちょっと物足りない。とは言っても、私の希望がマニアックかもしれません。。。でも、のちに主催者に感想を聞かれたので、「啓発活動以外に当事者と一緒に行う実践をもっと知りたい」とリクエストしました。次回は、掘り下げられるかも?

SAFODの活動も◎

当事者と一緒に取り組む際にcompetenceはどうやって構築するかという話題もあり、これは大事で難しい点だよなーと聞き入りましたが、皆苦労している点という感じみたい。

 

活動をするきっかけは皆様々で意識的に皆それを紹介している印象を受けました。

特に印象に残った一例は、「ティーンの頃にいろいろ問題を抱えて、いくつかの治療プログラムに自分で参加したり参加させられたりした。どの治療プログラムも気に入らなくて、気に入らない点を細かくブログに書いていたら、読者からそれぞれのプログラムの評価をすれば良いと提案を受け、プログラムに戻り効果測定しながら自分がお勧めできるプログラムを作った。それはそれまで大人がティーン向けに作ったものではなくて、ティーンがティーンに向けて作ったものだったからとてもティーンに好評だったよ。そして、自分も何かに役に立てると実感できて、人生で初めての貴重な経験だった。ヒーリングでもあったよ。それを経て、今は大きなプログラムのyouth leaderとして仕事をしていて、若者の意見がプログラムの実現につながるのが非常に嬉しい。同じ重みを持った意見として尊重されることは大事。」

 

何かうまく行かなくても、それは過程であり失敗ではないという話もあり、力をもらいました。

 

団体の中には「コンテストをしたら、熱心な人がたくさん応募してくれたので、全員を招待して、そこから躍動的な活動につながっている」というところもありました。

realityはengagementを止めてしまうので、skillとかqualificationにつなげて次につながるようにすることで今のengagementを保つのも大切という人を集める秘訣の話もありました。

 

こちらのted talkも話題に上がりました。

 

 

 

精神保健は特に、「明確で統一感がある政治的議論に値する」メッセージを発することが大切であるとされつつも「精神保健の中にもいろんな声がある」ことをどう含むかが課題とされました。皆で頭をひねりつつも「簡単にすぐに結果が見えたらそれはglobal issueではないし、啓発活動のエネルギーはどこか他に注がれるべきってことなのよ」と共有し、「考え続ける、訴え続ける」ことが大事だと落ち着きました。

- who is not listening now?

- what can you bring in from experts?

- what progress do you see?

 

立ち話で当事者が困ることと教えてもらったのは、下記で、これは世界共通かもしれないと思っています。

ー 話を聞いてもらえない

ー 自分の状況を理解できない

ー 選択肢がない

 

情報とエネルギーとネットワークをもらった二日間でした。

2年ごとに開催のこの会議で、次回私の研究結果を発表できたらいいなー。

 

ヨハネスブルグでほとんど写真を撮りませんでした。。。

「治安が悪い」というのが念頭にあり、カメラが出しにくかったし。

いる間は実際に治安の悪さを感じることは無かったのですが。

こちら泊まった宿↓