深田祐介さんの「新西洋事情」を読みました | 女医の国際精神保健

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精神保健および公衆衛生を軸に、韓国、ロンドン、ジュネーブ、ニース、フィジー、赤道ギニア、東京、インド。
他にも、旅行、馬術、音楽、写真などについて記載しています。

新西洋事情 (新潮文庫 ふ 7-1)/深田 祐介
¥545
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実家の本棚にあったシリーズです。
1977年に発行された、欧州に駐在した日本人サラリーマンたちのエピソードがコミカルに書かれています。
南アフリカでのエピソードもありますが、イギリス、フランス、ドイツが中心です。

時代を背景に、バブリーな話題だったり、世界の工業国に仲間入りした頃の気張った話だったりもありますし、普遍的な話もあります。
共感できて笑っちゃうこともあれば、それは個人的な話?と思うこともあります。
男性的な目線だなあと思うこともあります。
総じて、お土産話を聞いている楽しさがあります。

当時はパック旅行が日本に初めて紹介された頃だったようです。驚!
一般の人が海外旅行に行くことが始まった時代なのですねえ。
それを思うと今の気楽なこと。

欧州人のノンビリしたバカンスの過ごし方に驚いている記述もあります。
真似てクルージングに言ったけど、3日に一回は職場の様子を知るための電話が欲しかったりしちゃう日本企業人。
この心理は今も大勢の日本の組織で働く人が持っているようにも思います。
私は、職場とプライベートは切り離したい派ですし、バカンスを楽しめるから仕事にも打ち込めると考える派です。(日本の組織では「非常識」と思われないようにしないとと考えるけど、、、どうでしょうか)

私のこのブログも「お土産話」的に読んでもらっているかなあと想像したり。
35年後にこのブログを読んだら、「当時は大変だったわねえ」ってことになるのかなと想像したり。

こんな本↓も話題に挙りました。
ゲシュタポ・狂気の歴史 (講談社学術文庫)/ジャック ドラリュ
¥1,512
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内容(「BOOK」データベースより)

数百万の生命を奪い、魂を苦悶させたナチ権力の中枢・ゲシュタポ。それは暴力と情報が結合した「装置」だった。この“悪魔の機械”は、どのように誕生し暴 走したのか。そして、その力の源はどこにあったのか。戦後、ナチの戦犯・協力者取り調べの任にあたったフランス人警察官が、膨大な資料と証言をとおして全 欧州を巻き込んだ狂気の実像を描く、異色の人間研究。
 

著者について

【ジャック・ドラリュ】
1919年、フランス生まれ。ナチ研究家。警察官の身でレジスタンスに参加、ゲシュタポに捕らえられる。8カ月の拘禁後、解放軍に救出され警察に復帰。’45~’54年、戦争犯罪者・協力者の裁判、調査にあたる。その経験を生かし、本書をはじめ数冊のナチ関係書を著す。
【片岡啓治】
1928年東京生まれ。東京大学文学部卒業。思想評論家。著書に『幻想における生』『攘夷論』、訳書に『ソビエト・マルクス主義』『アウシュヴィッツ収容所』『トーマス・マン論』など。