石川達三さんの「青色革命」を読みました | 女医の国際精神保健

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精神保健および公衆衛生を軸に、韓国、ロンドン、ジュネーブ、ニース、フィジー、赤道ギニア、東京、インド。
他にも、旅行、馬術、音楽、写真などについて記載しています。

青色革命 (1958年) (新潮文庫)/新潮社
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戦争が終わって、社会がなんだか価値観に迷っている時代の一家のお話です。
元教授がいて、主婦なその奥さんがいて、大学卒業頃の息子達がいて、キャリアウーマンな姪がいて、女性っぽい書生がいて。
皆が、それぞれの価値観で人生を前進して行きます。
社会が期待する枠があって、枠に反発する個人の気持ちがあって、生活のためにはお金が必要で、お金をくれる仕事は自分の主義とは違っていてなどなど。
失敗したり、成功したり、ぶつかったり、助け合ったり。

この「枠」「常識」「あたりまえ」の前で、一歩止まって、ちょっと考えて、自分の考えをまとめて、信念や主義を大事にして、行動に移してとかって感じ、私は大好き。
ワクワクしながら読みました☆

そして、そんなこんながテンポよくコミカルに書いてあります。
語り口調はなんとなく夏目漱石の我が輩は猫である的な要素もあります。

吾輩は猫である/作者不明
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吾輩は猫である (新潮文庫)/新潮社
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中学教師苦沙弥先生の書斎に集まる明治の俗物紳士達の語る珍談・奇譚、小事件の数かずを、先生の家に迷いこんで飼われている猫の眼から風刺的に描いた、漱 石最初の長編小説。江戸落語の笑いの文体と、英国の男性社交界の皮肉な雰囲気と、漱石の英文学の教養とが渾然一体となり、作者の饒舌の才能が遺憾なく発揮 された、痛烈・愉快な文明批評の古典的快作である。