やっとお礼が言えました。
もうすぐ1年。
震災関係の話です。
少し前の夜遅く、岩手県遠野市にある某コンビニエンスストアに行ってきました。
私のクリニックのある大船渡市から40㌔程内陸に入ったところです。
お礼がしたかったのです。
震災後数日間、仙台の家族の安否が不明でした。
峠を超えて遠野市まで行けば携帯が通じる、との情報。
はたして峠のトンネルを抜けると携帯が光り始め、しばらくメールや留守番の受信が続きました。
家族とも連絡が取れ、ほっと一息。
大船渡市は停電で真っ暗でしたが内陸部は所々電気がついてる。
「もう少し先に行ってみようか」
極端な食料不足。
避難所に診察に行った時に配給や炊き出しのおにぎりを食べるのがやっと。
飲料水にも事欠く数日でした。
白状しますが 私、喫煙者なのです。
医者のくせに。
ただ、マナーだけは気をつけております。
人がいるトコでは吸いません。
ましてや子供が目に入る場所では以っての外。
タバコが切れたままの状態はキツかったです。
さて、今度は峠を下ります。
あれ?
もしかして…
あれはコンビニ?
街道沿いのお店はことごとくシャッターを閉め、真っ暗ななか奇跡のように明るく光ってる。
狐につままれた様な気分。
しかも、煙草!
KENTが売っていた!
1人1カートン限定。
買い求めて早速一服(-。-)y-゜゜゜
頭がくらくらする。
それにしても何でココだけやってる?
店内に戻り、店長とおぼしき人に聞いてみる。
「ウン。本部からは店を閉じるように指示が来たさ。
でもこんなに沢山の困った人達がいる。
本部からの商品供給は無いけど知り合いの問屋さんに無理を言って少しずつ商品を入れてるのさ。
モノが不足してるのにモノを抱えたまま閉店なんて…
俺はこの状況で店を閉じるなんて、できねぇもん。」
被災地のコンビニは100%閉店していました。
中の商品が見えないように新聞紙やダンボールでガラスを覆って…。
ま、開けたにしろレジも動かずお釣りも無い。
押し寄せる客に対してどう対応するのか…
暴動が起きてメチャメチャになる可能性もあったでしょう。
本部としては店員の安全も含めての当然の閉店指示だったのでしょうね。
その中での彼の行動は
極めて異例。
コンビニエンスストアが本部の意向に逆らうのはフランチャイズ権の剥奪にも繋がる行為でしょう。
「大変でしたよね、みんな」
「ウン、ホント、大変でした」
涙を浮かべながらレジ打ちをする彼。
コンビニのレジで大の大人が二人して泣くのはカッコ悪いのでそそくさと店を出る私でした。
「また、寄ります」
★☆★☆
写真は…
震災後
大船渡港に入港した
客船、飛鳥Ⅱです。
瓦礫の向こうの光…
避難所の皆さんにお風呂を解放していただきました。
ありがとうございました。
先週の雪の日…
忙しくてブログ、更新できませんでした…
まずは先週の木曜日。
Sad thursday
何をやっても上手くいかない日でした。
夕方6時からK市で勉強会。
クルマで1時間半くらいの所。
朝から体調が悪く、キャンセルしようかな、と思いましたが是非聴きたい内容なので頑張って出席。
2時間程オベンキョして頭ジンジン、もー頭には何も入らない。
という事で…
オナカに晩御飯入れよー(^O^)/
カキフライ食べたいー!
でも
ここいらへん、あまり地理に詳しくない。
アタマが疲労しきっているのでナビでファミレスを設定しておまかせドライブ…
早く着いて週ベ読みながら晩御飯食べたい♪
知らない道を走り、ナビの言う通り、右折に左折…
うーん
ここ、ドコ?
道が狭くなってきた。
ナビの距離優先の設定がマズかったかな。
「マモナク、ヒダリナナメホウコウデス」
音声案内に従い、幹線道路を外れて東北道をくぐって側道を北上。
気がつくと雪道になり、深い轍にステアリングを取られる状態に。
マズいな…
もう側道に入って3~400メートルは来ちゃったしバックミラーは真っ暗。
雪の壁が左右に迫り、クルマ1台通るのがやっと。
この距離をバックで戻るのはゾッとする。
スタックする予感バリバリ…
ナビでは100メートル程先に十字路があり、道幅もありそう…
そこまで行けばなんとかなる。
頑張れVitz!
いよいよ轍は深くなり、Vitzはズリズリお腹を擦り始めた。
激しく左右に車体は振られ、ステアリング操作が忙しい。
できるだけ右のガードレールに接触しないよう、必死のドライビング。
交差点は…
右も左も雪に埋もれており、曲がったら最後、動けなくなってしまう。
止まったら終わり。
脱出できなくなる。
「サンビャクメートルサキ、ウセツデス」
次の交差点まであと300メートル!
雪の深さは増し、ステアリングを右イッパイに切り、Vitzは左はナナメの姿勢で直進するという状況。
2速では雪の抵抗でスピードが落ちるため、1速にシフトを叩き込む!
今度はギアが低すぎてタイヤが空転して雪をかっぽじる!
やりたくなかったけど半クラッチのまま何とかスピードを保つ。
ステアリング操作はいよいよ忙しくなり、クラッチの焼ける焦げ臭い匂いが車内に侵入する。
右手でステアリング、左手でシフトレバー、右足でアクセルを踏み、左足でクラッチと総動員!
もうチョイ!
あと100メートル!
よしっ!
交差する道は除雪されているっ!
あそこだっ!、あそこにたどりつけばクリアだっ!
その瞬間、Vitzはクルリと右を向き、左に目一杯ステアするも吹き溜まりに突っ込み、停止。
完全スタック。
雪壁で左右のドアは少ししか開かず、助手席の窓からアクロバチックに外に出る。
イテテ…
足を先に出し、少ない隙間からクルマの前に出る。
「うわ、最悪」
右半分は吹き溜まりに突っ込んでおり、左もホイール半分くらい埋もれている。
あと100メートルだってのに…
とりあえず窓からクルマに入り、考えられる操作を全てやってもホイールはむなしく空転、ドツボに嵌まっていく…
万事休す。
JAFに電話。
何とか場所を伝え、20分位で到着するという。
窓から出るのも上手になり(笑)リアハッチを開け、工具箱から牽引フックを取り出す。
何か雪を掻ける道具は無いか…
100円傘が一本。
「傘かよ…」
いつもはスコップと脱出用のラダーを積んでいるのだが…
狭い隙間を前に出て
傘で右バンパーを掘り出し、フタを外し牽引フックをねじ込む。
鉄のフックは冷たく、あっという間に手の感覚が無くなる…
先の交差点まで歩いてJAFを待つ。
ザクザクの雪の中をトボトボ…
寒み~。
ホッペが痛てー。
指の感覚ねー。
牡蠣鍋食いてー(何じゃそりゃ)
と…
暗闇の向こうから一筋の光芒…
こちらに向かってくる!
ディーゼル特有のエンジン音を響かせ、青白のランクル到着!
「どもっ!セキトバさん?」
サワヤカ~に登場!(^O^)/。
「この場所ねー、レスキューが多い場所なんですよー、ウチのクルマ、入れるかなー?」
何でもレスキューもスタックの可能性が高く、昼間の雪が柔らかい時間帯は救助を断る事も多いという…
Vitzに戻り、インディカーのごとく窓から入り、エンジンを掛ける。
ゆっくりとJAFランクルが近づいてくる。
時々止まり、少しバックしてからまた前進。
祈るような気持ちで待つセキトバさん。
10メートル先まで来て停止。
「ここまでですぅ。これ以上近づけないですぅ。ホントはもっと短いキョリから引っ張らんとダメなんですけどー。」
そう叫びつつワイヤーをVitzの牽引フックに引っかけ、ランクルのウインチに繋いでくれる。
サイドブレーキを解除、ギアがニュートラルに入っているのを確認、ステアリングを目一杯左に切って準備OK。
「いきますよー!」
ウインチが回る音が響き、弛んだワイヤーがピンと張る!
5センチ、10センチと小刻みにワイヤーが巻かれ、雪を掻き分けながら窪みからやっと脱出。
「ワタシのクルマ、十字路まで戻りまーす。まだ走らないでくださーい!」
ランクルのヘッドライトがゆっくりと後退…
時々左右に激しくブレながらゆっくりゆっくり…
道は緩い下りで途中、左カーブになっている。
ランクル、カーブでスタック。
また前に出てゆっくり下がる。
今度はこっちの番。
ゆっくり行くとまたスタックするので一気に行く!
ますますVitzは暴れ、ロデオの様。
さっきランクルがスタックしかかったカーブでガクンとスピードが落ち、エンスト!
「ああ、やっちまった!」
ギアをリバースに入れ、少し下がる。
一気に前進し、クリア!
バウンドするVitz。
あまりにステアリングを激しく切るためタイヤがどちらを向いているのかわからない。
何とか十字路にゴール!
パチパチパチ…
JAFの彼が拍手しながら駆け寄ってくる。
「いやー、セキトバさん、パリダカかと思いましたよ。じゃ、書類にサインを!」
安堵で震える手でサイン。
「ナビは雪の深さまでは教えてくれないので気をつけてくださいねっ!じゃっ!(^O^)/」
サワヤカ~に去っていく青白のランクル。
ほっと一息。
おー。
アクセル踏む分前に進む!(当たり前)
ステアリング切った分曲がる!(これも当たり前)
ファミレスに転がり込み、やっとご飯。
…
あ…
…
週ベ買い忘れた(。。;)。
ショボーンな一日でした…。
こうして…
疲労を抱えつつ…
2月は過ぎていくのですな。
写真は
十字路で一息つくVitz君。