のだま(野球)カンタービレ -5ページ目

無情。

少し復活。

ここのところ神経をすり減らしていて我ながら元気が無い。

仕事以外の会話がしたくて人恋しい。

先週の土曜午後、往診終了後クリニックには戻らず新幹線の駅へ。

家族と短いながら晩御飯を。

日曜日は休日当番医だからすぐ戻らなくてはならない。

仙台駅に到着、家内とJr①②と待ち合わせ。
BORAに乗り込み、皆で晩御飯。

今夜はもんじゃ、
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久しぶりだね。

と、Jr①、「床屋、行きてぇ」
こんな時間じゃ無理だって。

自宅に戻り、家内がバリカンでマルガリータ。
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さて、戻らなくちゃ。
最終の新幹線で戻る。

車に乗り継ぐとすご~く眠くなった。
ダメだ、仮眠しよ。

目が覚めてクリニックに戻ったらもう明るい。
哀しい程、朝。

一時間仮眠して外来開始。

ま~だインフルエンザが収束しない。

バタバタした休日外来は15時頃落ち着いた。

と、ウチにかかりつけのSさん。
80代の穏やかなお婆ちゃん。

「お願いに上がったのす」

「ほ?」

差し出されたグレーの書類袋…

公正証書の表書き‥

「は?これ、私に?」

「中、確かめでけんさい」

何が何だか分からないまま書類を確認。

「ほー!」

要は

自分が認知症になり、判断力が無くなった時のために。

延命治療は一切行わない事。

寝たきりになっても管の類いは一切つけない事。

無駄な入院はしない。最後まで自宅に置いてほしい。
ただし、家族に迷惑がかかる時は別。

その他、ご自分の行く末について細かく記されていた。

「頭がはっきりしているうちにね…コピーは長男に渡してあっから」

「Sさん、凄いや。公正証書に残すなんて初めて見ました」

「んで、お願いなんだけど、わだぐすの最後はセンセに看取ってほしいのす。そしてセンセに死亡診断書書いてほしいのす。自宅で最後をセンセに診でもらって、それでわだぐすの人生は完結するのす」

目の前にちょこんと座って深々と頭を下げるSさん。

そんな大事な事、私でいいのですか?

「いぐらお医者さんでも、知らない人に身体触られたくないのす。センセがいいのす」

不覚にも涙が出るところでした。

何かの際は長男さんと相談しながらSさんの意に沿う事を約束しました。

「でも、まだ死ぬ気はねぇから、しっかり診てけさいんね。これがらも宜すぐ」

この出来事だけで私は幸せです。

最近ね、今更ながらに「自分は医者に向いてないんじゃないか」

考える事が多かったです。

患者さんの死を敗北と考えれば私の仕事なんて連戦連敗…

だって上手く治療ができてもできなくても人間、いつかは絶対死ぬんだもん。

積もり積もるものが私の心を圧迫していました。

Sさんのおかげで少し、救われました。

今朝も頑張って、朝往診!

気合い、入れるぞー!

鴎ちゃんもね。
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朝。

朝往診の帰り。

天気は良いが風が冷たい。

昨夜の星空の残骸。
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