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Global Entrepreneurs Channel ~1 ザワット株式会社 原田 大作様

Global Entrepreneurs Channelの第一回目として、インタビューに伺ったのは、ザワット株式会社、代表取締役CEOの原田 大作様です。



原田様のご経歴(@Ginsaku

一橋大学起業部


ザワット株式会社 代表取締役CEO

中央大学卒業後、モバイルコンテンツを運営する株式会社サイバードを経て、ウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社にてモバイルコンテンツ、ソーシャルゲームのプロデューサーとして従事し、2011年5月ザワット株式会社創業、代表取締役に就任。ソーシャルウィッシュリストサービスを展開中。(WEBサイト)http://zawatt.com/

原田さん本日はよろしくお願い致します。

>>起業されたキッカケ、経緯を教えて下さい。

21歳くらいの時から20代での起業を志す。モノを創るのが好きで、どうせ作るなら、大きいものがいいということで会社経営に関心を持ったことがそもそものキッカケです。

i-mode公式サイトが当時伸びていて、モバイルコンテンツのリードカンパニーであった株式会社サイバードに入社。

会社に入った最初は、仲間もお金もなかったため、起業をにらみながら、社会人経験を積んだ。
そして、今年5月の、創業時には、10年に1度くらいのチャンスを肌で感じていた。
というのも、資金調達面や、技術面において起業のハードルが下がってきており、本当に優秀なメンバーが集まればやろうと考えていたのだ。

勉強会などで20代で起業するとみんなに宣言していた。自分にプレッシャーをかけて後戻りできないようにしていた。
起業にあたっては ”やりたいこと”、”やらなきゃいけないこと”、”やれること”の3つが大事だと思う。


>>ディズニーで働いていたいらっしゃった際のお話を教えて下さい。

個人の活動として2009年ソフトバンクさんとYahoo!さん主催のコンテスト「モバイルウィジェットコンテスト」があり、楽しみながらお小遣い帳を付けることが出来る「こづかい de クエスト」
を友人と一緒に開発してエントリーしたところ、グランプリに入賞。賞金200万円を勝ち取る。(※現在はiPhone、Android、mixiアプリとして配信中)

その経験と市場の反応から、時代の変化を肌で感じ取り、アイディアと創る力があれば切り込んでいける可能性があるということを実感し、そろそろ起業したいという思いが強くなり仲間を探していた。


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詳細はこちら↓
http://plusd.itmedia.co.jp/mobile/articles/0905/29/news076.html

>>会社に所属していることで、個人の活動がやりにくくなったと感じられたことはありますか??

会社の名前を使わず利益相反にならなければ特に規制されているわけではない。

起業を視野に入れていたし、クリエイティブなスキルが世界で最も歓迎されるはずの会社で、自分のクリエイティビティを磨いてチャレンジしているのに、もしそれでクビになるなら喜んで辞めますというタイプだった。むしろ、入賞した時には、みんなの前で発表する機会を頂戴し、祝っていただけました。

コンテストで入賞したころは、Open Socialが出始めた頃でそのジャンルの知識を深め社内に貢献しようと事業を開拓していった。

個人として面白いものを創った次は、今度は会社のために貢献してくれと言われ3社連合のプロジェクトを任される。

1年くらいかけて、大きな会社3社の連合プロジェクトで成果を収めた。


>>最初から起業してしまうか、一度どこか会社に就職してから起業するかという議論に関してはどのようにお考えでしょうか。

客観的に大きく評価される才能がない限りは、仕事人として、プロとして世界に通用する仕事をしてみる経験が重要だと思う。最初から起業してしまうとどうしてもスモールスタートになりがち。
会社にいるメリットは色々と大変なことが多いけど、小さな会社では実現できない、影響力の大きな仕事ができることと、人間関係を学べること、仕事の全体的な流れが分かること。

>>そもそもディズニーに入社されたキッカケは??

当時ディズニーは、ディズニーモバイルを開始。コンテンツ力のある会社が勝つと思った。

モノを作る上で一番イケてる会社は??と考えた。
かつグローバルな仕事がしたかったので、外資系のウォルトディズニーが選択肢に入る。

さらに、元々ディズニーランドが好きだったこともあり、企画力は自信があったので、グローバルな企業でチャレンジしようと決意。

入社の時は3年以内に結果を出して、自分の仕事を見つけようと計画していた。

結果として25歳(当時最年少)で入社。
優秀な人材がガンガン働いている実力主義の環境。

しかし、携帯の知識に関しては周りの誰よりも自信があった。

>>Wish Scopeの詳細に関してお聞かせ下さい

$一橋大学起業部

”個人間の小さなニーズ”のマッチングサービス。

”もったいない文化”の考え方に基づいた余ってる資本、見えない資本をシェアするサービスです。

人がほしいと思っているものを実名ベースでシェアする場を提供する。

例えば、何も接点のない気になる女の子との接点を創る(直接的に課題を解決する)彼女のニーズを満たしてあげることによって、ヒーローになれる。

ジャンル的にはクラシファイド広告と言うのですが、既存のものは、匿名で退屈で何より、不透明性が高く安全性に疑問があった。大事なのは、安全に使えてニーズがいかに即座にマッチングされるか。だからWishScopeで実名制のサービスを提供し、独自の解析エンジンでニーズのマッチングを後押しする。

マネタイズに関して今考えてるのは
・一部の業種の法人が投稿するお願いには、有料制
・ユーザーが増えて来て、自分のお願いが埋もれたくない場合は、特別枠を販売する
の2点です。マッチングフィーは現段階はいただいていません。

>>目標を教えて下さい。

来年の3月までに登録者42万人 月間のアクティブ15万人(月に1回でもアクセスする人数)。環境イメージは女性が安心してお願いを投稿、解決できるというものです。

αテスト、インタビュー結果から個人の詳細の情報を見に行って、自分の友達と近い関係にある人だからとか、社会的にしっかりしてそうだから大丈夫などと、Facebookの情報を見て安心している様子が見て取れた。

利用者のアクティブ率は予想よりも高く、みんな他人のお願い投稿の内容を気になっている感覚がある。今のところお願い投稿の約18%が成約している。

>>女性にウケるアプリは当たるという話を耳にしたことがあります。この意見に関してどのように思われますか? WishScopeのデザインに関して教えて下さい。

その意見に関しては勿論そう思います。
日本人をはじめとしたアジア人は“かわいい”が好きな傾向がある。
ただし、“かわいすぎる”デザインは男性が使いにくくなってしまうのでNG。男性が使える範囲で、女性にウケるデザインが理想。フィンランドやディズニーランドの「It’s a small world」あたりをイメージした。

現状のUIはまだまだ男性的。機能、デザインの塩梅が大事なので、今も模索しつつ調整中です。WishScopeのデザイナーはグローバルに通用するものをとの思いから、海外のデザイン投稿サイト、「dribbble」から探してきました。

>>日本のIT企業のスタートアップシーンの現状と、これからに関してどのようにお考えでしょうか。

正直、大切なのは自分たちがどうしたいかなので、周囲のムーブメントの動向にはあまり興味はないですね。というか、余裕がない(笑)。アメリカで賞を取ったこともあり、ザワットはシリコンバレーに乗り込むのですか??などと色々聞かれるんですが、
お客さんを第一に考えなくてはならない。ユーザーがアメリカにいて、そっちに行って信頼関係を創って行かなくてはならないのであれば、行く。まずは日本で成績を上げることが重要だと考えているが、日本だけ見ていても盲目的になるので、海外は常に視野に入れている。
シリコンバレーは確かにオールスターで有名サービスを開発している人がそこらのカフェにごろごろいるような環境。自分たちがイケてるサービスを作って結果を残すことができれば、会いたい人にすぐ会えそうな環境ではありました。IT企業が多い、六本木・渋谷のような環境に近い、かな。



日本のスタートアップ界隈のメディアは、闘う場所を意識し過ぎて議論が変な方向に行ってしまっていると感じることがたまにあるけど、結構、起業家自身は冷静なのでは自分たちのお客さんを意識して判断すべきだと思う
ただ、日本人が海外で活躍すると日本人に対しての印象が変わってくる可能性はある。
海外にただ出るのではなく、勝って来ることが重要。そのために良いサービスを作ってユーザーに評価されることを目指したい。それによって、日本人でもいけるんだと思って頑張る人が増えるいいサイクルができると思います。

原田様、この度は本当にありがとうございました!

(文 野村 (@Nomurap) )