演技には二種類のタイプがあるということは、このブログを読んでいるあなたも少しはわかってきたと思います。
はい。
【説明型の演技】と【体験型の演技】です。
説明型の演技は、声をつくったり、表情を作ったり、
感情的っぽい声の出し方をして役の感情を表現しようとしたりして、
台本を読んだときに頭の中にできあがったイメージを形で表現しようとする演技です。
見ている側には、とてもわかりやすい演技です。
幼稚園や小学生にはとてもよい演技のタイプです。
しかし、大人になってもこのタイプの演技が、日本では主流になっています。
というか、演技とはこういうものだというのが出来上がってしまっているのかもしれません。
説明型の演技でプロを目指すとなると、本当に大変な型の訓練が必要になります。
例えば、歌舞伎とか狂言とか、ああいうレベルです。
悲しい時の顔の角度はこの位置で、指先はこの形!みたいなね。
一般の俳優がインスタントに説明型の演技をやるとまさに、
【学芸会芝居】とか【うそ臭い演技】になってしまう危険性が非常にあります。
そういったお芝居は、目の肥えた観客にはどんどん受け入れられなくなってくるでしょう。
一方、【体験型の演技】というのは、
まさにハリウッドをはじめ世界の演劇や映画が盛んな国ではスタンダードになっている演技のタイプです。
つまり、「役を形で表現」するのではなく、
「役として存在し、役としてその劇世界を体験する」演技です。
非常に人間らしい、深みのある演技ができるようになります。
ただ、この演技ができるためには、ちゃんとした訓練が必要になります。
自分の思ったこと、感じたこと、考えたことが素直に表にあふれ出るような俳優の楽器。
ムリに作らなくても、無理に押し出そうとしなくてもいろいろなことがあふれ出る楽器。
この訓練が必要になります。
ただ、役者の立場からして「説明型の演技」と「体験型の演技」どちらが楽しいかと聞かれると、
断然!体験型の演技です。
だって、役の人生を本当に体験できるんですよ。
役のシチュエーションの中に入り込んで、
いろいろ考えたり悩んだりできるんです。
僕自身の意見で言うと、頭で考えたことをそのまま形に表そうとするだけの「説明型の演技」よりも、
心を動かして、本当に役の人生を体験する「体験型の演技」の方が、
役者の喜びは数百倍大きいとと思います。
まあ、どうしても多くの人は「説明型の演技」をしたくなってしまうんですよね。
インスタントにできるし、お芝居やってる感があるから。
形に走ろうとしてしまう。
でも、説明型の演技をしている人の多くの悩みとして、
「自分のイメージしている演技ができない」
「自分のイメージと実際の演技にギャップがある」
「ぎこちない」
「一生懸命演じてるつもりなのに、なにも伝わらない」
というのがありますね。
要は、自分の頭の中にあるイメージを形にしようとしているから。
すでに頭の中にあるイメージを形に表すだけのインスタントな演技では、
最初は楽しくても長くやっていると楽しくなくなってくると思います。
インスタントラーメンだけでは、身体に良くないですよ。
やっぱり、生の素材を使った本格派のラーメンじゃなきゃダメですよ。
自分の心を使って、本当に心を動かして、本当に考えて、本当に体験する「体験型の演技」を
是非とも目指してもらいたいと思います。
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