オーディオキネマの次回作ですが、
江戸時代末期を舞台とした作品になる予定で、
その主人公は、町人の女、瞽女（ごぜ）になります
（明治期の写真です）
そうなってくると、
その仲間として、他の瞽女仲間や町人たちも描かなくてはなりませんよね。
彼らの生活の中身（風俗）を描くことも大切ですが、
その人となりも表現しなければ意味はありません。
つまり、
「いき」や「いなせ」を知らなければならないのです。
（江戸時代の全員が、そんな気質ではないのですが〜〜）
こういった人々を、
今の世で探すことは困難を極めますから、
あの手この手を使って勉強するという作業が待っているんですよねぇ〜〜。
これが、実は、随分大変なんですね〜〜
もちろん、
映画やドラマ、小説などを参考にイメージはできます。
しかし、
自分のオリジナルの町人を創造するとなると、
見たこともない人種を描くことになる訳で、ピタリと手が止まってしまうこともあるんですよね〜
「いき」を話し言葉で表現する難しさですね
さて、
有名な江戸町人の男と言えば、
歌舞伎で有名な「助六」でしょうか。
他には、
幡随院長兵衛、
大口屋治兵衛、
肴屋太助、
でしょうか。
この辺りは、町人というか、ほとんど任侠クラスの人ですね
型破り過ぎますね・・・。
女性で言えば、
女芸者などでしょうか。
野暮は揉まれて「いき」となる、
と言われたように、
世知がらくつれない浮世の洗練を経て心が鍛えられた彼女たちは、
心意気を第一とした「いき」な雰囲気が漂っていたでしょうね。
男に対する純朴な想いは失って、
何事にもサッパリと諦める心が培われたんではないでしょうか
とてもドラマティックな女達ですが、
このような人々を描くことも、
生半可な気持ちでは、やり切ることは出来ません。
こんな人達の行動をつくり上げることは、
とても難しいものなのです〜。
いつの時代もそうですが、
底辺に生きるものを描くのは、難しいものです。
彼らの話しぶり、行動、しぐさには、
彼らの生きた時代の全てが詰まっているからですね。
ですが、そこにこそ、
本当の人間ドラマがあると思います
フランスで始まったヌーベルバーグ（1950年代）
アメリカで起こったアメリカン・ニューシネマ（1960年代）
などの世界的な映画制作の波も、
そんなリアルな人間を描いた傑作を生み出しました。
同じく日本でも、
松竹ヌーベルバーグ（1960年代）などと呼ばれて、
若い世代の目を通して、質の高い、社会派な映画が作られるようになります。
（戦後の1950年代から、日本映画には、その種の雰囲気は濃厚だったと私は思いますが〜〜）
こういった、
人間の本質をえぐるような映画の波は、
一時代だけのものに思えますが、
いつの時代にも通ずる普遍性を取り上げていて、感ずる人には多大な影響を与えてくれるものです。
今、私の執筆している『瞽女さ夢見じ』でも、
あまり大胆なことは言えませんが、
娯楽ドラマであることを主張しながら、
作品の底辺には、そんな普遍的なコトにもビシビシと触れたいと思います〜
中身の無い作品にはしたくありませんから、
しっかりと瞽女の女性たち、江戸の町人を理解して、
彼らの想いを現代に伝えたいですね。
そして、
もちろん、武士も登場しますよ
この人たちが登場しなくちゃ、私の書く楽しみも半減してしまいますからねぇ〜。
お楽しみに〜
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オーディオキネマ代表
山中勇人（脚本・演出）
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