大木民夫さんと男谷精一郎 ① | オーディオキネマ 研ぎ師伊之助深川噺

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あと2週間も経てば、

 

梅雨も明けることでしょう。

 

そうなると、

 

あっという間に8月、夏本番です〜!!

 

 

 

そう思うと、

 

今現在のジトジトした不快感にも、安堵や覚悟が生まれますよね〜爆  笑

 

蝉の鳴き声で目覚める朝も、

 

もうすぐそこまで来ているんですよねぇ〜〜。

 

これに風鈴の音色なんかが加われば、

 

「風流な一日の始まり」といったところですOK

 

 

 

 

さて、

 

ドラマCD『研ぎ師伊之助深川噺』も蝉の鳴き声から始まりますニコニコ

 

 

これは、

 

我々が蝉の鳴き声を聞くだけで、

 

一気に開けるイマジネーションを持っているからです。

 

その勢いを借りて、

 

利き手の皆さんには、

 

江戸時代の深川へ、トリップしていただきたいのです〜グッ

 

 

 

 

もう一つ、

 

ドラマのイメジネーションを確固たるものにするために、

 

作品へ投入した要素があるのです。

 

それが、

 

実在の人物です!

 

 

 

 

『研ぎ師伊之助深川噺』には、

 

数名の実在キャラクターを登場させました。

 

これは、書き手にとっては、

 

困難な課題も多いのですが、

 

それと同時に、

 

追求しがいのある人格を持ったキャラクターでもあるのです照れ

 

その人物についての文献や小説を調べることで、

 

私の中で肉付けが始まり、

 

ついには生き生きと動き出す快感があるのですキラキラ

 

この面白さは、

 

シナリオ執筆のモチベーションにもなり、

 

私にとっては欠かせないものとなったのです〜グッ

 

全てはリアリティーの成せる効果ですね。

 

 

 

 

そんな実在キャラクターの中でも、

 

もっとも力を入れたのが、

 

大木民夫さん演じる男谷精一郎です!

 

 

 

 

池波正太郎さんの著書『剣客商売』のファンである私は、

 

主人公の秋山小兵衛を演じるならば、

 

大木民夫さんの他には誰もいないと信じ続けていました。

 

(勝手にねチュー

 

その大木民夫さん版、秋山小兵衛を誕生させたくて、

 

何としても、

 

それに代わるキャラクターを構築したかったのです。

 

そして、

 

様々な書籍を乱読知る中で発見したのが、

 

幕末の剣聖と謳われた男谷精一郎だったのです照れ

 

 

 

 

彼を見つけ出すことができなければ、

 

このドラマCD制作は、

 

きっと途中で破綻していたと思いますね〜。

 

私にとっては、

 

それほど重要な出来事だったのです!!

 

 

 

 

物の本によると、

 

男谷さんについてはこんな風に書かれています。

「この人物は、

剣だけでなく諸芸に達し、

学問も見識もあり、

人物としても第一級の人」

 

であったそうです。

作家の山田次郎吉、中里介山、子母沢寛なども、

幕末の剣豪の中では、

第一位にこの男谷精一郎を推していたそうです照れ

彼が生きた同時期には、

千葉周作(北辰一刀流玄武館)

斎藤弥九郎(神道無念流練兵館)

桃井春蔵(鏡新明智流士学館)


などの一般に知られている三大道場が有名です。

 

しかしながら、

その実力は、男谷精一郎が抜きん出ていただろうと言うのです!

実は、これ、

 

私の想像した通りだったので、

とても興奮しました〜〜爆  笑



 

では、なぜに、

 

男谷さんは今の時代にそれほど知られていないのでしょうか??

私も少々疑問でしたが、

 

ある書籍が、

 

その謎に答えをくれましたニコニコ

それは、彼が、

はっきりとした幕府側の人間だったからと書いていたのです!

 

 

 

 

数年後に明治維新を迎えようとしている江戸にあって、

 

幕臣の男谷さんが経営する剣術道場へ、

後に明治政府の高位高官を務める、

勤王の志士達などは寄り付かなかったでしょう。

その影響により、

明治の時代に男谷さんの名は語られることも無かったのです。

 

そしていつしか、

歴史の闇に没落していったのです・・・ショボーン

 

(愚かな話ですねぇ〜タラー




それに、

 

他の理由もあったのですよ。

 

それは、男谷さんの一流の人格が理由なのですニコニコ

彼の道場経営とは、

どうやら「名を売る」というものではなかったらしいいのです。

 

 

こんな逸話があります。

 

他流派の剣士が男谷道場を訪れると、

彼は快く立ち会ったそうです。

(これは異例と言えることです〜)

そして、

三本勝負をすると、

一本は勝ち、一本は負け、その後一本は引き分けるか負けてやったそうですニコニコ

相手がどんなに無作法だったとしても、

気持よく返していたようですね。

これでは、

弟子はますます師を尊敬したでしょうが、

道場の名声はそう上がらなかったのではないでしょうか爆  笑

私は、

やっぱり、こういった人が好きですねぇイエローハーツ



 

これは男谷さんの言葉です。

「他流と試合をすることによって、

相手の剣法の長所をとり、

 

自流の短所を補うようにすべきではないか。

ただ、試合の勝敗の結果にのみこだわって、

剣の練磨によって身を修めるという根本精神を忘れているから、

負けたら自流の恥辱だなどと言って他流との試合をおそれるのだ。

剣の道は、

剣客一同が力を合わせて、


末節にとらわれることなく、技を磨き、芸を磨いてこそ、

進歩発展するものである。

対して違ってもいないのに、何流、何流と称するのはおかしい。」

 

素晴らしい〜〜!!

でもこれは、

 

当時にあっては尖すぎる意見ですね〜チュー




こういった、

 

諸々の情報を組み合わせることで、

男谷さんという方は、

まさに私のイメージした通りの、

 

理想の武士だったと分かったのですニコニコ

 

 

 

幼少期から、

 

武芸や学問に励む克己の人でありながら、

その性格はとても穏やかであったそうです。

奥様が亡くなられた後も、

亡き妻を思い続け、その後再婚はしませんでした。

老下男の清助という者を長く雇っていたそうですが、

彼曰く、


男谷さんが声を荒げることなどは、

一度もなかったそうです。

ホント、どこまで出来上がった人物なのでしょうねおねがい

 

まさに、

 

稀代の名優、大木民夫さんが演ずるにぴったりの人物だと思います!!




最後に、

男谷先生の臨終の時の歌をご紹介しましょう。


うけえたる心のかがみ影きよく

今日 大空にかえるうれしさ



元治元年七月十六日、六十七歳没。


男谷精一郎さんは、深川増林寺に葬られています。

 

 

 

 

 

 

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山中勇人(脚本・演出)

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