今年一番の番組か!? | オーディオキネマ 研ぎ師伊之助深川噺

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先日放送されました、

NHK『新・映像の世紀』

とてもとても素晴らし番組でした

私にとっては、

間違いなく、

2015年のトップ3に入る出来だったと思います




ああいった番組が制作されているNHKは、

やはりバワーとエネルギーと情熱があるんだなぁ~と思ってしまいますね

つまらないドキュメンタリーが続いていたので、

何となく録画していたのですが、

観始めてみると、

グググググッ!!!

と魅入ってしまいました




今回のスペシャル番組は、

第一次世界大戦終結までの世界の情勢と変化について、

ただ歴史を追体験する、というだけの番組ではありませんでした。

貴重な映像とともに、

近年公開された当時の国民や兵士の肉声テープを交えて、

時代が描かれていったのです。

(この音声で、映像へのリアリティー効果はとんでもないものがありましたね。)




そして、

時代の重要な分岐点に登場した一人の人間の活躍を通しても、

大戦へ突入した世界の動きは描かれていきます。

あの戦争の悲劇を思うと、

人間一人の存在などあまりに小さなもの思えてしまうのですが、

実際は・・・、

その人間一人の行動や決断が、

おぞましく恐ろしい結末の呼び水となっていくのです。

(信じられない話に思えてしまいますね・・・・




私にとってはタダの歴史であった第一次世界大戦ですが、

この番組を鑑賞し、

全く違ったものに感じられました。




世界にとって初めての大戦。

そこへ否応なしに引き込まれていく各国の現状。

政治と経済。

政治家と軍人。

そして、巻き込まれていく国民。

国を追われる難民・・・・。




信じられない話ですが、

あの時代においては、

地球が
恐怖の力でうねっているような印象を受けました。

なぜあのようなことが始まり進行していたのか・・・・、

私は、呆然と番組を観るしかありませんでした・・・。

番組のラストは、

敗戦国ドイツへの賠償金の問題が描かれ、

そこに反対したドイツの中で誕生した、

アドルフ・ヒトラーという男の登場で終わっていました。

この続きは次回放送ということですね。

最初で最後の大戦と言われた戦争は、

新たな戦へと引き継がれてしまうのです。




地球規模の戦争など、

国が始めるのか、

組織が始めるのか、

人が始めるのか・・・。

始まりも原因も、

歴史的事実だけでは到底理解できないものばかりです。

人間の闇が生み出した制御しできない
ものがあり、

それが寄り集まって狂い出した時、

人は狂気の渦に取り込まれて、

あれだけの死人を生み出してしまったのです。

地球が、

地上で吐き出された、

巨大でドロドロとした憎しみの念で、

包まれてしまったかのようです。




この素晴らしい番組を観終えて、

私達がドラマCD制作をするのも、

こういった番組が制作をされているのも、

どこか共通の目的があるような気がするのです。

(あまりにおこがましい発言ですが・・・・


人間の所業と言うのをしっかり見つめて行きたいのです。

そして、

フィクションであれ、ノン・フィクションであれ、

それを掘り下げてみたいのです。




私は、

自分の仕事では、

それについて回答など出はしないのですが、

ただ、

人間の本質の恐ろしさや奥深さを、

覗いてみたいのだと思います。




そして、

これからも、

私のテーマは、

そんな所にあるのだと思います。

とても素晴らしい番組に、

素晴らしいタイミングに出会えて、

本当に良かったと思います



次回も大変期待しております




オーディオキネマ
脚本・演出
山中


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