本日、
観るまい・・・と心に決めていた映画、
『風立ちぬ』を観てしまいました。
このところ、
ジブリ関係のドキュメンタリーを立て続けに観ていたので、
どうしても堪えきれなくたってしまったのです。
宮崎監督の最後の長編アニメーションです。
もうこれを観てしまったら、
今後一生、宮崎監督の新作は観れないということになります。
これほど悲しいことは無いですよね・・・・。
そして、
その渾身の一作を鑑賞し、
私は悲しくて悲しくて、力が抜け落ちてしまいました。
これは、
最後の一作なんだ・・・という感傷もありますが、映画の感想でもあります。
主人公、堀越二郎の運命との闘いに、
私はとても切なく、心苦しくなってしまいました。
あの時代にいたからこそ輝いた方ですが、
その輝きは、大きな影をつくることにもなったのです。
その歴史の上に、
私たちの今があるということなんですよね。
この映画『風立ちぬ』には、
日本人がつまっていましたね。
宮崎監督の描く、当時の日本人です。
伝統的であり革新的。
実直であり情熱的。
行動的であり、とても野心的でもありました。
私には、
登場人物たちすべてがとても魅力的で、羨ましいくらいでしたね。
そして、
力強く、清らかで、美しい女性たちも登場しますよね。
心打たれるシーンが、今でも蘇ってきます。
人間というのは、
ただ、美しく生きたいだけなのかもしれませんね。
それを壊すものは、
人間の「臆病」なのかも知れないと思ってしまいました。
飛行機設計という夢の実現へ向けた情熱も、
時代の波に飲み込まれ、
とても恐ろしい色に塗り替えられていったのです。
それを知りながら、なお、戦闘機を設計した堀越の純真とは何なのか・・・。
彼を最後まで闘わせたものは、一体何なのか・・・。
そんなことも、
こんこんと考えてしまいますね。
宮﨑駿監督の最後の映画。
とてもよい映画でした。
当時、
彼のような人間が日本にいたからこそ、
戦後の日本は見事に復興したんですね。
我々の親の世代が、
堀越のような人物から多くを学んだように、
私達も、
この映画から大切なモノを学ばなくてはいけませんね。
最後の宮﨑駿監督の映画。
堪能致しました。
さあ、次は我々の世代ですよね。
バトンはこちらにありますよね。
皆さん、頑張ってまいりましょう。
オーディオキネマ
山中