もう一つのテーマ。 | オーディオキネマ 研ぎ師伊之助深川噺

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(この記事は、前回のつづきになります。)


さて、

先ほど、

チラリとお話しました、

新しくスタートするワークショップに追加されるテーマについてです




こういったことは、

実際に応募された方にのみに、

お伝えすれば良いことなのですが、

何かの参考になればと思いますので、

ここへ書いてみましょう




新しく追加されるテーマとは、

スバリ

【役者の思考回路をつくる】

というものです。




はぁ~

というリアクションが聴こえてきそうですが、

これも声優にとっては、

とても重要な要素なのです





私は今まで、

【シナリオの読み込み】に特化したワークショップを行ってきましたが、

そういったレッスンでは、

基本的に、

私と参加者のコミュニケーションは、

言葉のみとなります

(演技ではないのです)




ですから、

シナリオについて、

突っ込んだ内容を話し合うときも、

「如何にして、自分の考え(アイデア)を演出家へ伝えるか」

という技術がなにより大切になってくるのです

これは、

現場のスタジオでも必要なものですね




しかし、

ほとんどの参加者は、

まともに演出家と話をする(意思疎通を取る)ことも出来ないことがほとんどなのです

簡単に私の感想を言うと、

「役者らしい会話が出てこない・・・

という事になるのです




そういった方に、

私が、あるセリフについて質問をしたりすると、

大抵の場合は、

「ううううう~~~ん」

と唸り始めてしまいます・・・。

これ、

10分待っても答えは出てきませんね

(誰にでも、こんな経験ありますよね




あまり笑い事ではないのですが・・・、

そういった時、

この方は、

如何にも考えているように見えて、

実際はほとんど頭は回転してません・・・

意地悪を言っているのではなく、

きっと、

何をどう整理して、筋道立てて思考すればいいのか、

全く分からないんですね。

シナリオの答え、正解の演技プランなどは、

この状態では見つかるはずもありません




実は、

私は、この時間がとても嫌いでもあります

眉間にシワを作って、下を向いて考えていながら、

チラチラと私の気配を伺っている状態です。

「早く、正解を言えよ!!」

という猛烈な圧力を感じてしまいます・・・

こんなワークショップ、

やらないほうがいいですよね。

参加者が、そんなことに気を使っていては、

まともにシナリオに集中出来てはいないからです。

時間もお金も無駄というものです

私も申し訳なくて・・・気不味いばかりです




そいったことをクリアするために、

今後は、

1ヶ月ワークショップも、

3ヶ月ワークショップも、

【役者の思考回路をつくる】

というテーマを掲げることにしたのです




今まで、

演出家との会話が成立しなかった方も、

思考が固まって唸ってしまっていた方も、

まだ、

役者らしいものの考え方、

シナリオの考え方を経験したことがないだけなのだと、

私は思っています。

ここはとても需要なところです




そんな方は、

まず、そういった思考回路を一度開通させることが大切です

そして、

その時も感覚をしっかりと記憶、実感するように心がけなければなりません。




私は自分の執筆したシナリオでワークショップを行いますので、

シナリオの正解は全て熟知しているつもりです。

ですから、

シナリオについて議論している中で、

参加者の考え方

答えを出すまでの行程を伺うことで、

この方の思考が、

どこまでが合っていて、

どこからが間違っていたのかが、

ハッキリと分かります。

ビシビシ訂正を入れますので、

ここの瞬間を大切にして欲しいのです




自分の役者としての思考がどこまで使えるのか、

それを皆さんにも実際に体験して欲しいと思います。

ここのギリギリのエッジを、

自分で攻めていく感覚で、

私のワークショップには参加して欲しいですね




過去の参加者とは、

ここの思考回路が、

大御所声優レベルで開通した瞬間を何度も共有してきました

当の本人は、

意外なあっけなさに、

ポカン

としていることが大いのですが、

すぐにその思考順序をおさらいすることで、

徐々に、

本物の役者の思考を獲得していくのです




ここまでくれば、

あとは、

本人の努力次第で、

この能力も定着していくでしょう。

ただ、

ここからは、

自己練習の継続という重荷を背負い込むことにはなりますが・・・

(本気で役者を目指すなら、当然の事なのですが





とまあ、

こんな巨大かもしれないテーマを、

さり気なく説明しながら、

今後のワークショップを進めていきたいと思います

普通なら、

名作映画を数千本も観て、

名作小説を数千冊読んで、

演技の話を数千時間行えば、

勝手に手に入る技術なのでしょうが、

何とか、

最小限の時間で手に入れてみたいですよね

早いに越したことはないのですから。




これ、



やっぱり、



関西人的発想なのでしょうかね




脚本・演出  山中



 

 

『研ぎ師伊之助深川噺』公式サイト

 

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