役者になる前に・・・ | オーディオキネマ 研ぎ師伊之助深川噺

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役者にしろ、制作スタッフにしろ、

ドラマ制作に関わる人間は、

特別な能力を身につける必要があります

それは、

「作品を観て楽しむ」観客を、

しっかりと満足させる為に必要不可欠な能力です。




私は、

自分が担当するワークショップで、

シナリオの読み方や演技について教えることがありますが、

この能力について、

参加者にご理解頂くことには、

毎度、本当に骨が折れます・・・

(かなりの経験者でさえ、

教わったことすら無いと言っていますからね・・・





その能力について、

一々ひとつずつ、ここで説明することは出来ませんが、

なぜ・・・

それら能力を会得するのに、

これほど時間がかかり、苦労をされてしまうのか

私はいつも悩み抜いてしまいます




結果、

ワークショップでは、

これはやり過ぎだろうと思えるほど、

具体的に実践的に、

プロの技やテクニックを丸裸にするようなトレーニング重ねることになるのです




ここまで、

丁寧さにこだわらなければならない理由・・・・

私は、

それが、

現代の役者のかかえる問題であると思っています

そして、

声優を目指す若者の間では、

その問題はさらに深刻で、

今後の声優界の瓦解を暗示するものだと、

私は危惧しているのです

(ちょっとオーバーな言い方ですが、これは真実なのです




その問題とは、

ある一つのことです。

過去の作品の鑑賞量の低さ

です




それも、

とりわけ日本映画への知識があまりに低いということです

私は、

自分の身の回りの新人声優に、

「日本語の演技でプロになろうという者が、

過去の日本の名優の名演技に興味が無くて、

本当にプロになれるのだろうか


とよく話をします。

一度や二度、

現場で仕事をするだけなら、

そんなものを鑑賞しておく必要も無いのですが、

年齢を重ねれば、

役者もゆくゆく、

濃い演技重い演技を求められるものです

それだけ、

与えられるセリフに、

葛藤や狂気、業など、

人間らしい内面の表現が求められてくるからです




役者として、

40歳を迎えた辺りで、

そういった表現に対応できないようでは、

それ以降の活躍も難しいのではないでしょうか

だから、

若い時期に、

まずは、知識として、

日本の名作映画はもちろん、

海外の名作映画までをくまなく鑑賞しておくことは、

非常に重要な訓練だと思います




少なくとも、

現場の制作スタッフは、

そういった映画のオタクたちの集まりです

アニメの音響監督なども、

映画マニアでなくては勤まらない職業でしょう。

そういった方々と仕事をする上でも、

名作映画の知識は、

新人声優の身を助けるに違いありません。




話が遠回りしてしまいましたが、

ドラマ制作の世界にやって来る人間は、

こういった名作にどっぷりと浸る期間があって、

その後、

初めてプロの世界の門を叩くのが、

正常な順序だと言いたいのです

これを飛び越してプロになってみて、

数十年後、

ベテラン声優の仲間入りが出来るなら、

声優の世界は、

あまりにレベルが低いと言わねばなりません。

しかし、

もちろんそんなことはありえません

大御所声優の演技を見れば一目瞭然ですよね

あのレベルに近づいた者だけが、

ベテランと呼ばれる声優になることが出来るのです。

ほとんどの新人アイドル声優が、

数年で消えていく・・・

これが現実を物語っているように思えます




だからこそ、

今、

新人声優さんにしてほしこと・・・

それは、

名作日本映画を繰り返し観る

ということなのです

これは、小説の精読と同じことです。

繰り返し観ることで、

テクニックや表現の真意を、

丹念に理解することが出来るのです

つまりは、

自力でプロの表現を理解すること

に意味があるのです




ここに、

(冒頭に戻りますが・・・)

ドラマ制作に関わる人間に必要な、

「観客を満足させる能力」について理解する思考を培うための秘訣があるのです。

(ちょっと分かりにくい表現ですね・・・

つまりは、

「ドラマというものが一体何なのか・・・」

それが漠然と分かるようになってくるということです。

名作映画、名演技を理解することが可能になることで、

役者らしく物を考えるようになり始める、

ということが起こるのです




これは今からでも遅くはありません。

是非試みて下さい

膨大な数の作品を鑑賞することも、

もちろん大切なのですが、

本当に素晴らし作品を底が割れるほど舐めるように鑑賞する

これも、とても良い基礎トレーニングだと思います。

ちょっとした忍耐との戦いですが、

忍耐無くしては、

芸の世界で生きる資格はありませんからね

(やるっきゃない ・・・です。)




ドラマ制作を生業とするには、

この思考を持った上で、

現場で会話をすることが必須となります。

ベテラン声優、演出、音響監督、プロデューサー、エンジニア、制作、マネージャー。

皆がこの能力を持って、

作品の完成に努めるのがドラマ制作です。

全ては、

観客へ、

極上のエンターテイメントを与えるためですからね

制作に関わる物が、

その真髄を理解していなくては話しになりません




この記事に目を通されて、

はたと考えた方は、

これを機会に、

一度じっくりと熟考してみてください。

きっと、

新しい声優の道が開けることと思います。

そして、

それこそが王道であると私は信じています





今回の記事は、

ちょっと意味不明かもしれませんが、

私としては、

書きたかったことを書いた気になっております・・・

ちょっと自分勝手で申し訳ないのですが、

少しでも共感いただけたら嬉しいですね




さて、

今週末は、

オーディションの残り2日がやって来ます

しっかりと体調を整えて、

万全の体制で臨みたいと思います




それでは、

明日は金曜日、

皆さんよい週末をお過ごし下さい~


 

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