『研ぎ師伊之助深川噺ができるまで 204』 | オーディオキネマ 研ぎ師伊之助深川噺

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~ライターのつぶやき~
「援護射撃」



先日、

私の作品制作にご協力頂いている、

バウスプリット株式会社の代表より、

一冊の本を頂きました

それがこの画像です。



春日太一著
『なぜ、時代劇は滅びるのか』

新潮新書より



バウスプリット代表は、

おもむろに、

「ほい。」

とこの書籍を手渡ししてくれました。

そして、

「気になったら、この作家に手紙を書いてみなさい」

と言われました。

タイトルも気になりましたので、

帰宅の電車内で読み始めると、

グイグイと引きこまれて、

あっという間に完読してしまいました



この手の書籍は、短くまとまっているので、

スルスルと読めてしまいますよね。

だから私は少し苦手だったのですが、

この春日さんの言葉には、

本当に納得させられました。

(とにかく潔く書かれていました。)




そして、

読後の第一印象は、

「私と同じように、時代劇を愛し、憂いている若い方がいたんだぁ。」

というものでした。

私より2歳年上で、

これほど時代劇を研究しているとは驚きましたね。

「今の日本で、

時代劇という国民的娯楽が、

如何にして地位を落としてしまったのか、

如何にしてつまらないドラマジャンルへと変貌したのか」


このあたりを業界の実名を挙げて

容赦なしにぶった斬っているのが素晴らしいんです

魂の一冊でした




しかし、

それで私の胸がスーーーっとしたかというと、

そうではありません。

時代劇復活への道のりは、

私が思っていたよりも険しいと思うより仕方がない気持ちになりました

本書に書かれたいる内容は、

私の想像を越えた酷いものだったのです

腐ってしまった業界は、

本来ならば根こそぎ取り替えるべきでしょうが、

伝統的な知識、技術を必要とする時代劇では、

なかなかそうはいきません。

(どうしたらいいのでしょうか



その原動力になるものはなにか・・・・

本書でもこの辺りに明確な答えは出せていないような気がしますが、

やはり今の30代の若者が先頭に立って、

時代劇への思いをエネルギーに、

尻の重い親方たちを動かすしか方法は無いと実感しました




彼ら、時代劇に携わった先輩方の経験を、

如何にして作品へ活用するか・・・。

我々若い世代は、

ここに苦心するしかありませんね。

それには、

まずは過去の時代劇の勉強ですね

そして、先人の仕事への尊敬です

しっかりとこちらに学ぶ姿勢が現れたならば、

ご年配の職人達も、

我々への協力は惜しまないはずです



時代劇に興味のある方は、

この春日太一さんの本を是非手にとって欲しいと思います。

そして、

共に時代劇のために立ち上がって欲しいと思います。

『皆で、

この春日さんについていいこう

と呼びかけたいですね



ちなにみ、

春日太一さんが書かれた
『天才 勝新太郎』

も面白いですよ。

発売当初に読んでいたので、

同じ作家と知り、ビックリしました。

これだけの若さで、

このジャンルのご意見番になっっているなんて、

本当に凄い兄さんですね




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