将来が不安で仕方ない!!
老後の人生が心配だ!
そんな事を考えられるうちは
まだまだ…。
明日すら見えない
次のステージがある事を知る。
「家無し生活の始まり」
仕事を終えた金曜の夜
俺はスーパーで安売りのパン二つと
コーラを買ってネットカフェへと向かう。
ナイトパック12時間
翌朝5時まで¥2,160の我が家である。
シャワーを浴びて晩飯
さきほど買ったパン一個とフリードリンクで乾杯
もう一個のパンとコーラは明日の昼メシだ。
ネットサーフィンしながら時間を潰し
1.5畳ほどの空間に横になる。
他の部屋から聞こえてくる
イビキや独り言、スーパーのレジ袋が擦れる
カサカサという音に耳を傾けながら眠りにつく。
翌朝は5時起床1時間延長で¥400
眠れたはずだが、熟睡はできず…
重だるい体で仕事へ向かうのが定番だ。
月曜から木曜までは本業の板金職人をしながら
自宅で普通に生活、
金曜の夜から日曜の夜までネカフェの住民だ。
週末の仕事は…
私語厳禁、トイレに行くのも許可がいる
ロボットワーク。
街で配るサンプル品を
ひたすら袋詰めする倉庫作業、一日¥7,800
トラックでマンション、ビルを巡り
古新聞、古雑誌、コピー用紙、ダンボールの束を
分別して集める力仕事。
古紙回収作業、一日¥9,000
いずれも履歴書は必要なく
簡単な面接?意思確認?だけで採用となった。
手持ちの金は無く
稼いだ金だけで生活して行くのである。
出費
ざっくり一日こんなもん
ネットカフェ ¥2,600
コインロッカー ¥300
食事 ¥1,000
交通費 ¥1,000
人は一日およそ¥5,000で
三食食べて、荷物を預け
屋根がある場所で横になって眠れる。
とはいえ
毎日仕事があるわけでは無く
「今日は人が足りてるから」などと
仕事が無い日などは休みを持て余し
街をさまようのだ。
「今日の心配だけが全て」
週末ネットカフェ住民の俺は
平日から週末の切り替えが大事。
およそ8回続くこの生活の序盤
俺は仕事のアポを取り忘れ
前週からの持ち越し金¥1,628が全財産…
なんとか日曜日にサンプル詰めの仕事を
入れられたが…
今日、明日の
宿を取る金も無くピンチである( ;´Д`)ヤバー!
ココは上野
※青カン 暮らしの方も多い
※青カン=青天井の下で寝ること。野宿すること。
俺は場所取りのルールを学ぼうと
公園や駅の周りをぶらつき
おじさん達に話しかけてまわる、
20代から60代?70代?
年齢不詳の仙人みたいな方まで
7割の男性と
意外にも3割くらいの女性が
何か訳ありでこの生活をしているのだ。
70%の方が接触を嫌がる
20%はクレイジー
10%がまあまあ陽気
10%を狙い話し相手を探すのは一苦労だ。
そんな中、
気さくに話しかけてくれて
ダンボールまで貸してくれた
60代とおぼしきおじさん。
俺「俺はネットカフェで寝泊まりしてるんだけど
景気はどう?」
おじさん「良くないね…
建築現場の仕事をしてたけど
ヒザを痛めてから、
雑誌集めをしてネットカフェやダンボール
で寝てるよ」
60代で体を壊しちゃ仕事も厳しいな…
おじさんにワンカップを渡し
青天井のルールと寝床を手に入れた俺は…
おじさん「ヒゲを剃って髪を切れ
汚くしてると仕事がもらえないよ」
と有り難いアドバイスまでいただき
ダンボール布団で寝る支度を整える。
ありがとう…
でも俺、
ホントはココの住民じゃないんだ
どんなところにも優しい人は居るものだな
おじさんの笑顔を思い出すと
なんだか胸がギュッとなった。
「ゆるやかに慣れてくる」
朝6時に目覚めた俺はおじさんに
ダンボールを返し駅へと向かう。
夜7時前に寝床を作らず、
朝7時前に片付けて立ち去るのが暗黙のルール
JRの一日乗車券 ¥750を買って
昨晩おじさんに教えてもらった
雑誌集めをやってみる。
山手線を4周
お昼までに集めた34冊の雑誌を
新橋の青空書店で一冊¥20〜¥30で
買い取ってもらう(¥▽¥)チーン
( ´ ▽ ` )ノやったー!
¥800にもなった!!
頑張ったもんなぁ〜(((o(*゚▽゚*)o)))
ンなワケねぇ!
4時間かけて¥800なら…
時給¥200じゃん!!W(`0`)Wうおっ
その後も5時間60冊の雑誌を集め
収入は¥1,650
所持金は¥2,328
飯を食って路上で寝るか
寝床を取って食事を我慢するか悩む…
ハッと気が付いたがΣ('◉⌓◉’)
¥20〜¥30で買い取った雑誌を¥100で売ってる…
買い取って売る方が儲からね?
どこの世界でも頭の悪い奴は
使われて絞り取られる様になってるんだなぁ
「山谷(さんや)のドヤ街」
風呂に入りたい…
食事は我慢して山谷(さんや)の※ドヤ街で
簡易旅館を取る。
※ドヤ街=ドヤは「安宿」の意。
「宿」を逆から読むことで「ドヤ」と言いうことに由来
南千住駅から歩いて10分
あしたのジョーの泪橋が有る
日本最大のドヤ街は
一泊¥2,000〜¥3,000くらいが相場
日雇い労働者の生活拠点として発展した街だ。
現在では旅行者を積極的に受け入れ
外国人観光客が青缶暮らしにカメラを向けて
「日本にもこんなトコがあるぜ」と笑いながら
スーツケースを引き歩く姿を目にする。
風呂、トイレは共同なので隙を見て入浴
ネットカフェより清潔で3畳もあるスペースに
鍵がかかる戸まで付いて安全!
更に!!
布団まで付いている♪( ´ ▽ ` )ノひゃっほー
¥2,200で買える楽園がココに存在(あ)る。
「自分の人生に集中する」
翌朝7時
前の日の晩に買った¥88のパンと
ペットボトルに入れた水を持って倉庫作業へ
交通費が無いのでおよそ5kmを歩いて通勤。
腹は減っているがパンはお昼用
我慢、我慢(*´ー`*)じゅる♪
ヤンキー、おじさん、おばさんに混ざって
ひたすらサンプル品の袋詰め作業。
どんなに優れたビジネスマンも
クソ野朗もセレブや貧乏人も
ここでは同じ¥7,800で使われる
究極の平等社会
たまに挨拶を交わし
世間話を楽しめる人もいるが、
基本挨拶も返ってこない。
人と関わることも面倒なんだろうけど
それじゃアリ地獄から抜け出せないよ。
日当の¥7,800を貰い所持金は¥7,850
今夜は日曜なので家に帰る。
「家に帰って感じた事」
………。
…………。
………………。
もう辞めよう。
ぶっ続けでお正月休みは
ネカフェで過ごす予定だったが…。
俺には帰る家が有るじゃないか
そして、
この生活をしていると
この生活に向かって行く様な気がする。
今日を生きるのに必死で将来どころか
明日すら見えないし
日陰でひっそりと生きている
ワラジ虫にでもなった気分だ。
俺はきっと定年後
家族も無く
孤独と不安の中で
こんな生活を送ってるんじゃ無いだろうか?
そんな疑問から
週末ネットカフェ住民を
2018年8月〜12月の期間に8回行った
きっと…
毎日この生活が続いたら
もっと気持ちが荒んで行くだろうし
更に歳をとった俺が
こんなに余裕でいられるか疑問だ。
しかし
人間は良くも悪くも慣れる!
結果を恐れるのではなく
目標を立てて前向きに進む
家族がいるなら尚更だ!!
精一杯自分の人生に集中して
丁寧に生きてそれでもダメなら
仕方ないじゃないか
バカッコ良く!
今年の干支
猪の様に精一杯駆け抜けて生きるのである。
未来は誰にも分からないが…
明るい未来を作るのは
今の自分だ!
頑張ろう
そして頑張ります( ̄▽ ̄)
2019
今年もよろしくお願いします
╰(*´︶`*)╯♡