ボークス ドルフィードリームカスタム 「ワルキューレ」 | なおなおの模型(とそれ以外の趣味的)ブログ

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所謂「出戻りモデラー」の悪戦苦闘を赤裸々に綴る日記

さて、本題に戻ります。
今日からは出戻り後に完成させた作品をアップしていこうと思います。
 
だがしかし!久しぶりにカッターやパテを手にするきっかけになったのはプラモデルではありませんでした。私もここから修羅の道が始まるなんて思ってもいなかったのです・・・
 
復帰第一作はボークスのカスタムドール素材「ドルフィードリーム」を使用した「ワルキューレ」です
「冒険」や「伝説」ではなく「ナムコクロスカプコン」登場時のイメージで仕立てました。
 
念の為解説しておきますと、大手販売店のボークスって模型の販売だけでなくガレージキットから始まって、今では1/32スケール大戦機のインジェクションキットまで出してしまうメーカーになってしまったわけですが、そのラインナップの一つにドルフィーというドール素材があります。
概ね1/6と1/3サイズのシリーズがあって、色々なパーツを好きに組み合わせて自分の好きなキャラを
作りましょうというコンセプト。アニメキャラ向けの「ドルフィードリーム(DD)」がソフビ素材でリアル志向の
「スーパードルフィー(SD)」はレジンキャストで成型されています。
ボークスが主催している「ドールズパーティー(ドルパ)」というイベントで特定のキャラクター専用のヘッドや衣装を組み合わせた商品を数量限定で販売しています。興味ある方はボークスさんのHPにて。
 
この数量限定というのが厄介で、簡単に説明するとイベントに朝から出向いて並び順の抽選をして、前の方が当たっても用意数が無くなればはいそれまでよ・・・ざけんな~。
因みに私は一回だけ目の前で完売の憂き目にあった事がありました・・・ああ、セイバーリリィ・・・(涙)
たまに受注対応のキャラが企画されるのが救いなのですが期間限定なので懐具合によってはこれも涙。
そんなもんなんで、当然オクに流すヤツが続出しています。人気によっては元値5万が30万とか。
確かに数を作ることはできないと思うが、プレミア感を煽ってるのであれば論外ですな。
ボークススタッフと話をしても疑問を持っている人は結構いるという事実、社長はご存知なんでしょうか?
 
しかしながら、こんなとこで愚痴っていても仕方がないので。
私謹製、ワルキューレです。
 
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着手したのは2008年の秋頃です。
その春に発売された「フォーチュンアテリアル(いわゆるエロゲ)」キャラのDDをたまたま衝動買いして、
夏に出た「メイドアスカレイ」を買って(ヨメがレイを気に入ってここぞとばかりにおねだりしたんよ)、
もともとはカスタムドールだという事実を知ってしまい・・・
 
「これなら全可動でナムコのワルキューレが再現できるのでは・・・」
 
と野望が沸いてきてしまったのでした。
そこからが大変。何せ全く無知の状態からのスタートだった事もあるんですが、とにかく「デカイ」のです。
戦乙女なんで衣装だけでなく当然身に着けている武具も作る必要があったんだけど、身長(?)が
約60cmもあるんでこれらも「デカイ」
しかも作るだけでなく衣装に使えないと意味が無いんで軽くする必要がありポリパテなんてもってのほか。で、その殆どをキャストで作らざるを得ないとの判断に至ったわけです。
まずは紙粘土で各部品の原型を製作してキャストに置き換え、その原型にエポキシパテ等でモールドを
追加して最終的な原型にしてもう一度キャストで複製・・・という工程を辿りました。
だって、紙粘土だけで最終的な原型を作るなんで出来なかったんだもん。
おかげでシリコンを使うこと使うこと・・・1kg缶を多分13~14缶使った筈
 
イメージ 2
 
とにかく最初の数ヶ月は部材検討と収集に費やしました。
特に困ったのが円形や球形のパーツが多くてしかも一から成型するには厳しいので何らかの原型が必要だった点なんですが、いい形の素材があってもドールの大きさにマッチしてないと意味が無い・・・
結局、ヘルメットは介護用マグの内側に紙粘土を貼り付けて原型にしています。
肩当はピンポン球、盾はCDのスピンドルパックに入ってたダミーの円盤を張り合わせ、細かい○関係は
ウェーブやコトブキヤのディティールアップ用素材をこれでもか!という位使っています。
因みに胸当ては直接ドールのオッ○イに紙粘土を押し付けて作成~~~ハート
だから裏側にはビ○チクに押されてひっこんだ凹モールドがあるのです!
 
イメージ 3
 
剣はまず片面を作ってシリコンで複製しそれを張り合わせて作ってあります。
鞘はその刃の部分を雄型に流用、紙粘土を貼り付けモールドを付けて複製しこちらも張り合わせました。
理論上剣はすっぽりと鞘に収まる筈だったのですが、完成したら何故か途中で引っ掛かるように・・・
レジンの収縮度合いが違った模様です。最初に気がついていればなぁ~大失敗。
修正は諦めましたがそれならばと剣の鍔部分にモールドを追加してみました。
 
皮材や金属部品は手芸屋やドルフィーの競合メーカーの「アゾンインターナショナル」にて調達です。
ウィッグもボークス純正ではなく「ゼファー」というアフターパーツメーカー品を使用。だって使えるデザインが無かったんですもの。因みにゼファーは元々人用のウィッグを作ってるとこらしいです。
 
最後の難所がワルキューレと聞いて誰もが連想するであろう「飾り羽」。
飾り羽と言うより「鳥の翼そのものをもぎ取ってくっ付けたんじゃないの」って位巨大なイチモツ。
しかもそれなりに整っているように見せたかったのですがどうやって固定すれば良いか苦悩の毎日。
結果、1.グースの羽を大量に購入し 2.長さを分別し 3.骨の部分にピアノ線を差込み 4.リアル
翼の骨部分をエポキシで作って(もちろんキャストに置き換え) 5.羽を決めた順に固定していき
6.浮いている部分を木工用ボンド&瞬着で固定 7.最後にモヘアでキャストを隠し形を整える
 
で、こんなカンジになったのでした。
 
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ここまでたどり着くのにほぼ1年経過しています。
その頃、色々と教えていただいていた「ボークスららぽーとSR」のドールスタッフの方々(お姉様方ラブラブ!)に
「12月のドルパに出展してみてはいかがでしょうか?」
と言われてついその気になりエキシビジョン出展の為ラストスパートに掛かったのでした。
 
ところが開催日まであと1ヶ月というタイミングで大阪転勤の辞令が・・・
この時点でキャスト部品には既にサーフェイサーが掛かっていたので後は本塗装とドレス製作(ヨメに依頼)、そしてヘルメットの飾り羽だけが作業として残っている状況まで進行していました。
「余裕だぜ」と思っていたのですが、引越しの準備で土日はおろか平日も全く使えず作業はストップ!
結局引越し後の2週間で何とか最終的に形にして「ドールズパーティ22」オーナーズエキシビジョンというコーナーに持ち込んだんだけど(ドルパ ワルキューレでググるとその時に写真撮られた方のページが見られます)とても満足できる完成度では無く、その後も塗装やアクセサリー、マントの追加等を施して
2011年1月にやっとこさ納得のいく形にこぎつけたのでした。
 
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いや~思い返すに大変な作業の連続でした。作業しているよりも材料を形にする手段を考えるのにとんでもなく時間が掛かっています。
特に腕に装着する小手(と言うのか?)をどうやってシリコン型で抜くか。
2分割なら楽だったのですが修正の手間と強度を考えて異形チューブ状のものを一体で抜くために四苦八苦。良く成功したもんだなと今でも思います。
 
この時に作ったシリコン型はちゃんと保管してあるのでご希望とあらば再生産は可能だけど・・・
どなたかチャレンジしてみる方はいらっしゃいますか?有償で良ければ分譲致します。
ドールの撮影は「ボークス長岡京SR」にご協力をいただきました(当時のスタッフはもういないケド)。
 
さて、Wシャーマンのウェザリングを再開します。
その前に生鮮品の割引開始を狙ってヨメの買出しのお供(すなわち運転手と荷物持ち)が待っている・・・
 
では皆さん、良いお年を!