今回はこういうお題でいきます。オカルト論です。
さて、現在、北京冬季オリンピックについて、
外交的ボイコットをするという話が、アメリカを中心に
広まってますよね。おもな理由は、中国によるチベット、
ウイグル自治区における人権問題です。

で、今回のテーマであるアガルタは、もともと
そのあたりの土地にあると考えられた地底の王国なんです。
うーん、何から書いていきましょうかね。
これは、ラマ教(チベット仏教)にかかわる伝説です。

この伝承を世界に紹介したのは、ポーランド人の探検家、
フェルディナンド・A・オッセンドフスキーという人。現在の
ウイグル自治区は20世紀の前半まで、カラコルム山脈と
天山山脈に囲まれた砂漠の秘境であり、ヨーロッパから多くの
探検家がそこに入っていました。

ニコライ・リョーリフ
キャプチャ

あと、もう一人、ロシア人の画家で探検家のニコライ・
リョーリフ。この2人の探検の結果、アガルタの情報に
たどり着いて、西欧社会に報告したんですね。
もたらされた内容はだいたい似ています。

アガルタの首都(または入り口の都市)は「シャンバラ」と
呼ばれており、数万年の昔に世界的な大洪水があり、
そのとき一人の聖人が現れ、水没した国で生き残った
人々を引き連れて地底に姿を消した。

アガルタの都 シャンバラ
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そこで王国をつくったと考えられています。以後、
長い年月の間に多くの人々がシャンバラを訪れようとしたが
到達できなかったか、できても地上に戻れなかった。
シャンバラから返ってきたのは、お釈迦様や、ラマ教の
法王パスパなどのごく少数だけであった。

また、アガルタへ通じる道は神秘的な力で隠されており、
険峻な地形もあって、まず到達できない。おそらくは
チベット北部、あるいはカラコルム山脈から
天山山脈の間だろうと推定されています。



また、ロマ民族(ジプシー)は、もとはアガルタの一氏族 
であったが、不明な理由により、予言の力を与えられた上で
地上に追放され、各地をさまよっているなどとも言われますが、
これはおそらくヨーロッパ人の後づけでしょう。

ラマ教で伝えられているところでは、アガルタの地底王国
では、中心に人工太陽があり、それにより動植物が
エネルギーを得ている。また、大洪水以前の超古代文明の
技術により、地中にはアリの巣のようにトンネルが
張りめぐらされており、人々はそこを



乗り物で高速移動している。アガルタ人の寿命は短くても
数百年。これは地上と違って有害な宇宙線や太陽の
紫外線などにさらされていないため。また、アガルタ人は
男女が別々に暮らし、単性生殖している。生まれる子は
女子がほとんど。それと、アガルタには悪という概念がなく

したがって戦争や破壊とも無縁。当然ながら罪や罰もない。
こんな感じの理想郷なんですね。アガルタ人は
テレパシーのような力で意志を疎通し、地上の人間から
みれば奇跡のようなさまざまな超能力を身につけている。

地球空洞説


みなさんはここまで読まれてどう思われたでしょうか。
ただの理想郷の伝説? まあ、そうなのでしょうが、
これに目をつけたのがあのオウム真理教です。
オウム真理教がチベット仏教、後期密教をベースに
していたのはご存知でしょう。

オウム真理教の教祖である麻原彰晃は、オウム真理教に  
基づく理想の国「シャンバラ」を築くことを目標に
掲げて、「日本シャンバラ化計画」を発表しています。
そこでは「聖なる空間」を広げることによって、
「聖なる人々」を育み、世界救済の拠点とする。

あの悪名高いポアの概念(死ぬことによって、魂がより高い
地位に急速に転生できる)も、後期チベット密教から
得られたものです。ただし、チベット密教ではポアと
殺すことは同意義ではありませんでした。

おそらくアガルタは密教の曼荼羅的世界観からきている


さてさて、ということで、ごく大雑把にではありますが、
アガルタとその都シャンバラについてみてきました。
現在の科学では、地球内部は高温高圧で、人が住める
ような空洞はないと考えられ、地球空洞説とともに
アガルタは否定されます。

ただ、アガルタはそもそも密教的な曼荼羅の世界観であり、
それが地底世界と誤解されたとする考え方もあり、
自分はどっちかと言えばその解釈が正しいんじゃないかと
思っています。では、今回はこのへんで。