怖い話します(選集) -2ページ目

怖い話します(選集)

ここはまとめサイトではなく、話はすべて自分が書いたものです。
場所は都内某所にある怪談ルーム、そこに来た人たちが語った内容 す。

※ このブログでコメント等にはお返事できません。
お手間ですが、「怖い話します(本館)」のほうへおいでください。

小学校の5年生のときの話だ。当時ね、俺は弟が嫌いでね。2人兄弟で、
弟は2年生だったんだよ。いや、まだ小さい頃はそうでもなかったんだが、

小学校に入ると急に生意気になったんだ。だからよくケンカしたし、
腕力じゃもちろん俺が勝つが、やつは泣いて母親のところに走っていくから、
結局、怒られるのは俺なんだよ。このあたりのことは兄弟がいる人ならわかるだろ。
あとまあ、俺は勉強ができなかったが、弟はそこそこできた。
そういうことが重なって、弟のことがすごく嫌いで、
いつも、いなくなってしまえばいいって考えてたんだよ。
まあなあ、今にして思えば、弟の服は俺のお下がりばっかだったし、
弟だけが親に目をかけられてたわけでもないんだが、当時はそうは思えなくてね。
あんなことをしなけりゃよかったって後悔している。
うん、だから、そのあんなことってのをこれから話すんだよ。

俺らの通ってた小学校は田舎道をずっと通った先にあって、朝は集団登校だったんだ。
帰りは5年生と2年生では終わる時間が違うし、俺はミニバスのクラブに入ってたから、
弟と一緒に帰ることはなかったが、小学校って、先生方の研究会なんかで、
給食食べて終わりって日が年に何回かあるんだ。でも、そういうときでも、

クラスの友だちといっしょに帰ることが多かったけどな。んで、ある日曜日、
弟と家の和室で遊んでて、床の間に飾ってた皿を壊しちゃったんだよ。

弟の足が当たったんだ。その皿は親父が大切にしてたもんだったから、
俺は青くなったが、弟のほうはぽかんとしてて、責任を感じてる様子じゃなかった。
で、居間にいる親父のところへ一緒に謝りに行こうとしたとき、

弟の靴下の先に血がにじんで畳に赤く跡を引いてたんだよ。親父がそれを見つけて、
俺が皿を割ってしまったことを話すと、弟が足をぶつけたのに、

俺だけが集中的に怒られたんだよ。ケガをしてたからか弟には何にもなし。
 

それで頭にきて、弟になんとか復讐してやろうと思ってた。でな、
俺は弟の弱点を知ってたんだよ。あいつ異常なくらいに幽霊とか怖がってた。

ほら、昔は夏休み中に心霊番組とかあっただろ。そういうのは絶対に見ないんだ。
もしそういう番組をやってるところに入ってきても、
耳をふさいで逃げてしまうくらい怖がりだった。だから、
それを利用してこらしめてやろうと思ったんだよ。その皿が割れた2日後、
前に話した、学校が早く終る日があったんだ。で、俺は弟に復讐するために立てた
計画どおりに、黒マジックを持って素早く学校を出た。
ああ、何をしたのかはおいおいわかるよ。で、そのことが終わると、
少し学校のほうに戻って、弟が帰ってくるのを待ったんだよ。
そしたら5分ほどして、弟が石を足で蹴りながら一人で歩いてきたんで、

「よ、一緒に帰ろうぜ」 「あ、兄ちゃん」そんとき俺は弟の手をつかんだが、
弟は俺が何かたくらんでるとか、怪しむ様子もなかったな。で、しばらく歩くと、
道の脇に、赤い幕がかけられた四角い小さなお堂が見えてきた。
田舎にはよくある、地蔵様を祀ってるお堂だよ。そのすぐ前まで来て俺は、
「お、ちょっと地蔵様を拝んでいこうぜ」 「じそうさま?」
「お前は知らないから、この前をただ通り過ぎるだけだったろうけど、
 地蔵様を拝むといいことがあるんだ」 「うん」
幕をぺらっとよせ、弟の手をつかんだままて並んで中に入った。
中には1m少しほどの赤いよだれかけの地蔵様が一つ、その両脇に、
30cmほどの地蔵様が数体あって、お供えのための台が置いてある。
「ほら、始めて見ただろ、この地蔵様」 「・・・あ、何か目が変だよ」
弟がおびえた声で言ったんで、俺はそこで口調を変えた。

「これなあ、猫目地蔵様って言うんだ。昔から言い伝えられてる呪いの地蔵様だよ」
「目が・・・猫の目」 「うん、だから猫目地蔵なんだ。これを見たやつのところに、
 夜に地蔵様がやってくる」 「あ、あ、見ちゃった。でも兄ちゃんも見ただろ」
そこで弟は俺のほうを向いて「あっ!」って言った。
そう、俺はそんとき固く目をつぶってたんだよ。「見たのはお前だけだ。
 だから今日の夜、この地蔵様がお前のところに来る」
「怖いよう」弟は幕の中から逃げ出そうとしたが、俺は手をつかんで離さなかった。
んで、さらに不気味な口調にして、「このことは誰にも話すな。もし話したら
 猫目地蔵様に命を取られる。ただ、話さなければそこまでのことはないんだ」
「怖いよ~」弟が泣き出したんで、俺がやっと握ってた手をゆるめると、
そのまま弟は走って、家まで一目散に逃げてったんだよ。

俺は大笑いしてな・・・もう何をやったかわかっただろ。地蔵様の目のところに
黒マジックで猫の目の輪郭を描いて、そのまわりを黒く塗ってたんだ。
地蔵様は石が粉っぽくなるほど乾いてて、描くのは簡単だったよ。
俺はそのまま家に戻った。母親が家にいたが、弟が俺のイタズラのことを話した
様子はなかった。俺はランドセルを家に置くと、すぐに遊びに出かけたんだよ。
帰ってきたのは夕食前。弟は居間にいて、TVのアニメを見てたが、
俺が入っていってもこっちを見ようともしなかった。
ああ、まださっき猫目地蔵を見せたことを怒ってるんだなと思ったが、
俺はぜんぜん気にしなかった。今回のことは、弟に復讐し罰を与えるため
だったからな。夕飯が終わると、俺は弟と共有だった部屋に引っ込んだが、
弟はまだ居間にいた。おそらく怖いから寝るときまでずっと居間にいるんだろうと

思ったが、寝る段になって、怖いから一緒に寝かせてと親に言って、
それで俺のやったイタズラがバレるんじゃないかと、少し心配になってきた。
でも、9時頃には弟は部屋にやってきて、宿題を始めた。
で、俺が「さっきの猫目地蔵様のこと、言わなかったよな」と、机に向かってる
弟に話しかけると、泣きそうな顔でふり向いて、「兄ちゃん、地蔵様が来ると
 どうなるの?」って聞いてきたから、「それはな、まず腕をとられる。
 それから足。最後には首も取られてしまうんだけど、助かる場合もある」と、
その頃の都市伝説で聞き知ってたことを言った。「さっき、誰にも言わなかったら
 助かるって言ったよね」 「ああ、お前は誰にも言わなかったようだから、
 助かる呪文を教えてやる。猫目地蔵様が近くまで来たら、
 ヤングマン、さあ立ち上がれよヤングマン、Y・M・C・A って唱えるんだ」

その頃は英語なんて小学校ではやってなかったから、弟はYMCAを必死で覚えて、
俺は笑いたくてたまらなかった。そして、10時半頃に寝たんだよ。
俺と弟は2段ベッドで、俺が上だった。いつも電気は小さいのをつけて寝てた。
で、布団に入ってすぐ俺は眠ったんだ。子どもだから、今と違って目をつむると
くてんと寝てしまうんだよ。朝まで起きることはなかったんだが、
その夜はなぜか、しばらくして目が覚めた。すると、下のほうでぶつぶつつぶやく
声が聞こえてきたんだ。「やんぐまん、さあ立ち上がれよ・・・」
俺は吹き出しそうになった。ああ、こいつ地蔵様が来てると思ってのか、
馬鹿なやつだ。で、ベッドの縁から頭を出して下をのぞいいてみた・・・
こっからは嘘だと思うだろうけど、そしたらいたんだよ、猫目地蔵様が。
俺のところからは石の丸い頭だけが見えた。

けど、全体が燃え上がるように赤い。びっくりして頭を引っ込めると、
背筋がぞっとするような声で「誰が目を描いた、言え、誰が目を描いた」
こう聞こえてきた。その後に、小さく弟の声で、「知りません。ごめんなさい。
 ヤングマン、さあ立ち上がれよ、ヤングマン、わい・えむ・しー・えー」
まさかと思ったけど、もう一度顔を出して見る勇気はなかった。
だからそのまま布団を引っ被ったんだ。目を描いたのは俺だし、
そのことが知れたらヤバイだろ。地蔵様の声は1度きりで、
下からは弟の声がいつまでも聞こえていた。「わい・えむ・しー・えー・・・」
気がついたら朝になってたんだよ。俺は下に降りて弟をゆさぶり、
「お前、昨日、地蔵様が来ただろ」って聞いたら、弟は目を開けて、
「うーん、来たけど、兄ちゃんが教えてくれた呪文を言ったら帰っていった。

 目を誰が描いたか聞かれたけど、兄ちゃんだとは答えなかったよ」
こんなふうに言ったんだ。俺は頭が重く、目がちらちらして熱っぽい感じがした。
で、下の洗面所に顔を洗いに行って鏡を見たら、
両方の目が赤くなってまぶたが腫れ上がってたんだ。俺は急いで台所に行き、
朝食を作ってった母親に目のことを訴えた・・・まあこれで話は終わり。
その日、病院に連れて行かれ、両目はどちらも雑菌が入ったんだろうって言われた。
熱が39度まで上がって、学校を数日休んだ。あと、ランドセルの中の
黒マジックがむちゃくちゃにねじくれた形で折れてたな。それから・・・
地蔵様だけど、かなり時間がたってから幕の中をのぞいたら、目はきれいになって、
マジックで描いた跡はどこにもなかった。その場で何度も謝ったし、

小遣いでお供えも買った。それ以来、弟とはまずまず仲良くなったよ。
 
 


 

 
 
 
 
 
 
 
 

3年前まで不動産屋で勤めてたんだが、そんときの話。
この不動産屋の社長というのが、俺の母方の伯父でな。俺は両親とも、
子どもの頃に一緒に事故で死んだんだ。それから伯父に引き取られて、
高校卒業と同時に不動産屋で働き始めたんだよ。でな、
あるとき社長が「ワンルームのマンションがあるんだが、一部屋空いてるから、
 1ヶ月くらい住んでみろ」って言ったんだ。俺はアパート暮らしで、
それは難しい話じゃないが、どうしたって訳ありって思うだろ。
それでも黙って聞いてると、向こうから事情を話し始めた。そこは短期間入居者
向けのワンルームの賃貸で、主に単身赴任者が入ってる。学生もいるが
家賃が高いから、いい家のやつだ。2階建てで、下4部屋、上に4部屋ある。
その、1階の向かって右端の部屋に人がいつかねえ、ってことだった。

この手のとこって、あらかじめ契約期間が決まってる場合が多いんだ。
1年なら1年、4ヶ月なら4ヶ月。ところがそこの部屋だけ、満期に
ならないのに入居者が出てしまう。赴任の期間がまだ残ってるのにだよ。
これは変だろ。俺もそこには何度か入ったことがあったが、
建物は新しいし、防音もしっかりしてる。まず不満が出るようなとこじゃ
ないんだよ。だから考えられるとしたら、霊障くらいしかねえ。
今、さらっと霊障って言ったが、そういうのはあるんだよ。
不動産業界にいれば、年に数回はその手のことにかかわることになる。
中には下手を打って寿命を縮めることだってあるくらいだ。ところが、
話がどうも違う。幽霊が出たとかなら、まず入居者が文句を言うだろ。
「家賃は払えない」とか「責任持って他のところを世話してくれ」とか。

そういうことはなかったらしい。これまで3人が入って出たが、
その手の文句はなし。ただ「いい部屋だが自分には向いてない」とか、
この業界ではあまり聞かないことを言って出ていってしまうらしい。
しかも不動産屋まで変えて、別のところに頼んでしまうってんだから
念が入ってる。でな、社長に一つだけ聞いたんだ。「そこは曰くつきか」って。
曰わくつきってのは、ほら、怪談なんかでよくあるだろ。殺人や事故、
入居者の自殺、自殺でなくても孤独死して長い間発見されなかったとか、
そういう物件を専門に晒してるサイトまでネットにあるくらいだ。

ところが「そうじゃない」って言う。まあな、事件・事故なら俺の耳にも
入るし、孤独死は他の部屋の住人がいるからさすがに気がつくだろ。

だからその手のことじゃねえ曰くがあるだろうって意味で聞いた。
そしたら案の状だったんだ。

その地所は元々が旧家のでかい一軒家のあった場所で、庭の隅に
その家独自の神さんを祀ってた。地方じゃそう珍しいことじゃねえよ。
東京だって、古い武家屋敷だったとこには小さいお稲荷さんの社が
残ってる場合もある。そういうのは注意しなくちゃならないんだ。
ずっと祀られて丁寧に扱われてきた神さんだから、急に取り壊されたりしたら、
そりゃ怒る。でな、その地所のちょうど問題の部屋があるあたりに、
やっぱり小さいお堂があったんだそうだ。工事のときに見たら中は空だったんで、
お祓いも何もしなかったらしい。それが障りになってるんじゃないかってことは、
社長も気にしてて、俺に住んでみろってことになったわけだ。
もし何かがあれば、専門のお祓いを頼むことになる。不動産業界に
食いついてる霊能者ってけっこういるんだが、その類のやつに。

で、ほとんど身一つで引っ越した。部屋にはテレビ、冷蔵庫、
エアコンが備え付けで、ネットも引いてある。どうせ1ヶ月だから
大荷物はいらないと思ったんだ。それと、会社に来るには、
俺の部屋よりそこのほうが近いんだよ。入って1日目、2日目と、
特に何事もなかった。俺の汚い部屋よりはっきり快適だった。
他の部屋の住人にもあいさつに行ったが、みな高給取りって感じの人で、
生活保護の老人や外国人とかがいるわけでもない。おかしなことが
起こり始めたのは、1週間くらいたってからだった。といっても、
たいしたことじゃねえ。夜中に決まった時間に目が覚めるだけ。
時計を見るといつも2時過ぎくらいだったな。もちろんそのまま寝直した。
ま、特に気に留めることもなかった。俺は1回寝ると朝まで
起きないタイプだが、環境が変わったせいかもと思ってたんだよ。

ところが、それからまた1週間くらいして、今度は夜中に目が覚めて
天井を見ると、ぼんやり青白く光ってるように感じられたんだ。
天井全体がテレビの液晶画面になったって言えばわかりやすいかな。
ま、それほど明るくはないが。あと光ってると言ってもそれは天井部分だけで、
光に照らされて部屋の物が明るく見えたってわけでもない。
そのあたりはけっこう冷静に観察してたんだよ。だからもしかしたら、
光ってるのは天井じゃなくて、俺の頭の中なのかもしれないと思った、
その現象は10数秒続くんだ。で、ただ光ってるだけじゃなくて、
光の中で何かが動いてた。靄がかかったようで、何なのかはわからない。
何度もダビングして、ものすごく画質が劣化した古いビデオみたいな状態だった。
でな、翌朝目が覚めると強い頭痛がしたんだ。1時間くらいで治まったが。

これが入居者がいつかない原因かと思ったが、これだけなら会社に
文句がきそうなもんだ。自分からそそくさ出て行く原因がわからない。
社長には逐一報告してたよ。俺と同じ考えだったらしく、もう少しいてみろって
言われた。それからさらに3日後、夜中に目が覚めて、天井に光がある。
またこれが十数秒続いて消えるだけだろうと思ってたら、その夜は違った。
耳元で金属を叩いたような「パッキーン」っていうかん高い音がしたんだ。
それと同時に天井の光が一気に鮮明になった。建物の中が写って見えた。
俺の不動産会社の2階の部屋だったよ、倉庫がわりに使ってる。
俺は天井から目が離せなくなった。・・・短い時間だったんだが、
異様に長く感じられたよ。見終わったときには、
全身に汗をかき、心臓がばくばくしてた。頭も痛かった。

で、どうしたと思う。俺は自分の部屋に戻って朝まで過ごし、
そのまま会社には出ないで、貯金を全部引き出してその街から逃げたんだよ。
で、大阪に出て住み込みの職場を見つけ、それからさらに何度か転職して
今に至る。街にはもどってないし、会社にも知り合いにも連絡してない。
だからあの部屋がどうなったかもわからない。もう二度と戻るつもりはないよ。
え? 天井に何が写ったかって? 謝礼もらってるから言わないわけには
いかないだろうな。俺が出てきたんだ。目を血走らせて、手に包丁を持ってた。
視線が下に向いてて、社長がかがみ込んで何かを整理してた。
その首筋に包丁を突き立てたんだ。そんときに、天井を見てたはずの俺が、
いつのまにか社長に包丁を刺した俺に入り込んでた。
実際にその場にいるのと変わりなかったよ。

体にかかった血飛沫も、臭いも、手応えも、そんときの心持ちもはっきり
覚えてる。・・・社長を憎んでたんだよ。両親が亡くなって引き取られてから、
捨て犬のように扱われてきたからな。いろいろ嫌なことがあったし、
金の問題も。とにかく、そういう俺の心の内にあるものが、
あの天井に映し出されたんじゃないかと思うんだ。
どうしてかはわからんが、そんな作用をする部屋になってしまったらしい。
おそらく、出ていった他の入居者も同じじゃないかと思うんだ。
自分の後ろ暗い願望、それはもしかしたら犯罪なのかもしれないが・・・
達成される瞬間を見て、そのときの気持ちを実際に味わった。
まあ推測だが、間違ってないと思うよ。だから詳しいことを話せず、
自分から出て行ったんじゃないかって。・・・これでいいかい。

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あ、ども、今晩は。俺、早瀬っていって、都内のある大学の
2回生です。オカルト研究会に所属してます。入った動機は、
もともと子どもの頃から、それ系の話が大好きで。
うーん、そうですね。UFOや陰謀論も好きだけど、やっぱ
一番興味があるのは心霊です。幽霊はいるし、死後の世界も
あると思ってたんですが・・・それでね、今、オカルトブームと
言ってもいいような状況でしょ。地上波テレビであんまり
オカルトを扱わなくなったかわり、ネットは盛り上がってます。
特にyoutubeですね、怪談語りや朗読、心霊スポット凸とか、
もう怪談師なんて何人いるかわかんないです。けど、
うちの大学のオカルト研究会は入るやつが少なくて。

暗いやつが多いサークルだと思われてるんでしょうね。
ま、それは否定できないんですが・・・俺らの下の1回生は
一人だけだし、全体で女子はゼロなんです。それでというか、
3年の先輩たちが、もっと目立つ活動をしないとサークルが
消滅してしまうって言い出して。最初はyoutubeをやろうって
話になったんですが、いざやってみるとネタが続かなかったんです。
youtubeって、ほぼ毎日投稿しないと固定ファンがつかないんですね。
それで、まずはネタをちゃんと集めようってことに。それまでも
サークルのブログはあったんですが、更新もあんまり
してなかったのを、ちゃんとしたホームページにして、そこにまず
ネタをストックし、それからyoutubeに流そうって相談がまとまりました。

でね、「お前らヒマだろ」って言われて、俺ともう一人の2回生、
湊ってやつが担当にさせられたんです。まあ、俺と湊が情報工学部
ってのもあったと思います。パソコンの操作は慣れてますから。
で、ホームページ作りが始まり、サークル長のあいさつとか、
メンバー紹介とかはブログからコピペしました。それでね、
企画として、ありきたりですけど、全国の心霊スポット地図を
載せることになって。けど、その手のサイトっていっぱいあるじゃ
ないですか。実際、アクセス数はあんまり伸びなかったんです。
それで俺が、ブログの中に心霊スポットを作って、ホラーゲーム
みたいに、見にきた人が自由にそこで遊べるようにって考えました。
グラフィックなんかの打ち込みは大変でしたが、

夏休み、毎日出てきて、少しずつやっていったんです。でね、
そのホームページの中の心霊スポットは、「四石碑の村」って
名前にしたんです。廃村ですね。明治の時代に栄えてた鉱山の村が、
閉山ともに廃墟になり、ボロボロの建物がいくつも残ってる。
で、その村に鉱山事故とかの記念碑が4つあるんです。
訪問してきた人は夜の村の中を回って、その石碑を見つけていく。
ゲームじゃないんだけど、そんな感じで、4つの石碑を全部見つけたら
達成感が得られるよう考えました。で、これを作ってる最中、湊と仲が
悪くなったんです。湊はもともと、あんまり心霊とか信じてなくて。
オカルト研究会に入ったのは、自分だけでユーチューバーとかに
なろうと思ってのネタ探しだってことが、だんだんわかってきたんです。

これ、腹立ちますでしょ。心霊を信じてないくせに、それで金儲け
するつもりかって思いました。それに、湊は俺と同んなじくらいに
パソコンができるのに、面倒な仕事はみな俺に押しつけてきて。
で、ケンカみたくなって、後半のほうはずっと俺一人でやってたんです。
それでも夏休みが終わるギリギリで完成しました。新学期が始まったら
先輩たちに見てもらう。その前に、やっぱ湊に見せなきゃいかんでしょ。
サークル室のパソコンで見せたら、「うわあ、メンド。お前よく
 つくったなあ」て、ひと事みたいに言ったんで、また腹が立ちました。
でね、4つの石碑のうち、鉱山事故のやつ、昔の飢饉の犠牲者のやつ、
公園にある古墳の近くのよくわからないやつ、この3つは
それほど時間をかけずに見つかるようにして、ただ最後の一つだけは

慎重に隠して、村の中を歩き回って、謎を解かないと発見できないように
したんです。案の定、湊は見つけることができず、「どこにあるんだよ」
ってイラ立った調子で言ったんで、俺は「最後のは難しいんだよ。
 この廃村は今日中にウエブにアップするから、テストもかねて
 お前、家で探してみろよ」 「チェッ」とか言ってましたね。でね、
じつを言うと、そのときはまだ、4つめの碑はなかったんです。
場所は、村外れの神社の裏って決め、石碑自体もできてて、
あとはそこに入れるだけにしておいたんですけど。ザマミロ、湊のやつ
一晩中探し回るか、それとも早々にあきらめて寝てしまうか。
おそらく後者だとは思ってました。いちおうね、探せなくてメールや
電話が来るかもしれないんで、スマホは電源オフにしてたんです。

やっとできたんで解放感がありました。かなり根を詰めて
やりましたから。その日はビールやチューハイを買い込んで、
酔っぱらって12時過ぎに寝ました。で、夢を見たんです。
真っ暗・・・でもなく、大きな月が空に見えて、空気が青みがかって
ました。「あ、ここは?!」自分の作った廃村だと思いました。
月の光で、輪郭だけが照らされた古い家並み。ただ、このとき、
これは夢なんだって、はっきり自覚はしてなかった気がします。
もちろん廃村なので、いくら月明かりと言っても、街灯もなく、
足もとが見えなくて、何かにつっかかって転びそうでした。どうやら
村の中央をつっきる一番広い通りにいるみたいだったので。慎重に
一歩一歩進んでいきました。どこに行くってあてはなかったんですが。

どのくらい歩いたか、夢の中なので時間の感覚がつかめなかったです。
村の外れの、それ以上マップできない突きあたりまで来たとき、
「おーい、誰かいませんか、おーい」という呼び声が聞こえて
きたんです。湊の声だとすぐわかりました。やつもこの村にいるのか。
「ここにいる!」大声をあげると、ややあって「早瀬か?!」
そっからお互いに呼び合いながら、声のするほうに進んでって、
人の姿がぼんやり見えてきたんです。暗くて顔はよく見えなかったけど、
湊だと思いました。すぐそばまで行くと、湊は「お前、よく一人でこんな
 丁寧に作ったな。行っても行っても村の中だ。石碑は3つは見つけた。
 けど、最後の一つはわからんかった」こう言ったんですが、怒ってる
口調じゃなかったです。「スマン、じつはまだ、4つめは入れてないんだ」

「マジかよ!」 「ああ、けど、場所はもう決めてある。村外れまで
 きてるから案内するよ」すぐに神社の鳥居が見つかり、参道に入ると、
社殿の前にオレンジの灯りが見えました。「え、俺らの他に人がいるのか?」
でも、ロウソクは立ち並んるものの、社殿の扉は閉まってて人影はなし。
「この裏だよ」そう言って、湊とともに神社の横を通って裏に回ると、石碑
らしきものがあったんです。「ええ!?」 そのとき急に、稲妻みたくあたりが
真っ白になり、碑に彫られた文字が見えて「湊〇〇ノ墓」。そんな馬鹿な。
ここで目が覚め、気がつくと朝でした。でね、これで湊が実際に死んでた
とかならオチがつくんでしょうけど、そんなことはなく、その日、しれっと
サークルに出てきて、「4つめは見つからなかった。それで夜中
 お前に連絡したが、スマホ通じなかったぞ」って言ったんです。

 

それで、これだけなら、すべてが俺の夢ってことで片づくんだけど、
ほら、まだ入れてなかった4つめの碑、夢と同じように「湊〇〇ノ墓」って
なってたんです。俺が作った覚えはまったくないけど、もしかして
無意識のうちにやったんでしょうか。 


キャプチャddd

 

 

 

 

 

あ、どうもコンバンワ。じゃ、話を始めさせてもらいます。
私、・・・本名は山根正一って言うんです。
でも、今住んでる街でその名前で呼ぶ人はいません。
自分から言ったことないし、知ってる人、ほとんどいないんじゃ
ないかな。お店では、シャーリーって呼ばれてます。
あ、はい、働いてるお店は女装サロンなんです。・・・こう言うと、
一般の人はゲイバーと勘違いするんですけど、
全然違うんです。あと、ニューハーフバーとも微妙に違います。
ああ、すみません、よく聞かれることなんですけど、
ここのみなさんは、こんな話 興味ないですよね。
それで、3週間くらい前ですね、私と、

いっしょに働いてるダリアって子と別のお店で飲んでたんです。
そこで2人の学生さんと知り合いまして。その人たち、大学の
心霊研究会ってサークルに所属していて、幽霊とか心霊スポットの
話をいろいり聞いてすごく盛り上がったんです。
私たちの仲間って、占いとかパワーストーンとか、
スピリチュアルにはまってる人が多いんですよ。毎日占いを見て、
その日着てくるドレスの色を決めるとか。
それで、そのときですね、ダリアが「私、幽霊とか信じない」
って言ったんです。「この世界、よく自分は霊感があるって言ってる人
 いるけど、そんなの目立ちたいための嘘か、メンヘラが入って
 るだけだから。ほんとうに幽霊がいるのなら見てみたい」って。

そしたら、学生さんたちはそういうのに慣れてるのか、にやにや笑って、
「じゃあ、お店が休みの日いつ? そのときに俺らと、
 霊感があってもなくても、誰でも絶対に心霊現象を体験できる
 スポットがあるから、いっしょに行かない?」って誘ってきたんです。
そしたらダリアはすぐ、「行く、行く、連れてって」って答えて。
そのとき、「あーこの子、またそんな簡単に返事して」って思ったんです。
私、幽霊は怖いし、いると思ってるんです。
結局、その場のなりゆきで私もついてくことになり、
お店が休みの次の月曜日の夜9時に、近くの駅前まで車で迎えにきてくれる
ことになったんです。ダリアはすごく乗り気で、
「きゃ~楽しみ、何 準備しておけばいいの?」って聞いて。

「うーん、いちお廃墟だから、ジーンズとかはいて来たほうがいい。
 それと足元が危ないから、ヒールのあんまり高くないブーツか
 スニーカーで。あとは懐中電灯くらいかな」そのとき、
ダリアはちょっと残念そうな顔をしたんです。あの子、プライベートで
出かけるときも、いっつも派手派手なドレス着てましたから。
それで翌週の月曜日になり、メールで連絡がきて私たちが待ってると、
学生さんたちがレンタカーで迎えに来てくれて、
それから1時間近く走って、郊外にある低層マンションの廃墟に行ったんです、
学生さんたちは、そこで殺人事件があったとか、
オーナーが借金で首を吊ったとか、私たちを怖がらせようとしてだと
思うんですけど、いろいろ話をして。私はけっこう怖かったですよ。

でも、ダリアはまったく平気で「でも、そんな事件があったなら
 新聞に載ってるよね」みたいに反論してました。学生さんたちは、
「まあね」と話を続け、「そのマンション、いちお立入禁止の札が立ってるけど
 誰でも入れるから、スプレーの落書きだらけなんだ。けど今日は月曜だから、
 たぶん他に来てるやつはいないと思う。で、そこの3階の4番目の部屋、
 ドアに幽霊の絵が描かれてて、一番危険な場所って言われてる。
 ガラスとかあちこち割られてるんだけど、その部屋の浴室にある
 つくりつけの鏡は残ってて、夜に一人でその鏡を見ると自分が死ぬときの
 顔が映るって噂になってる」そう言ったんです。
ああ、怖いって思ったんですけど、ダリアはキャハハと笑って、
「見る、見る、絶対に見るから」すごくテンションが高くなってました。

それで、そのマンションに着いて駐車場の跡地に車を停めました。
他の車はなかったんで、来てるのは私たちだけだと思って少しほっとしました。
幽霊も怖いけど、他のグループとトラブルになるのも怖かったんですよ。
その学生さんたち、ケンカとかあんまり強そうに見えなかったので。
さっそく全員が自分の懐中電灯をつけ、マンションの入口を照らしました。
たしかに落書きだらけでした。「ここは鍵かかってるから」
学生さんの一人がそう言い、1階の部屋のベランダの割れたサッシから中に入って
いったんです。それで、中にはいってちょっと拍子抜けしました。
生活感がまったくなかったんです。ああ、これ、入居者が入る前に
建設中止になったんだなって思いました。だから、家具もないし、
新しい壁にスプレーで落書きがされてるだけで。

私、廃墟に入ったのはそのときがはじめてなんですけど、そういうのって、
生活感があるから怖いんじゃないですか。壁にカレンダーがかかってたり、
仏壇があったりとか。ダリアもそう思ってるみたいでしたね。
それで、1階の数部屋に入ったんですが、どこも同んなじつくりでした。
期待に反して? 私たちがあんまり怖がらないのを見て、
学生さんたちは「じゃ、3階の鏡のある部屋に行こう」そう言って、
もちろんエレベーターは動かないので、非常階段を上っていったんです。
それで、問題の部屋ですけど、ドアにはたしかに幽霊の絵があって、
すごく上手だったんです。真っ黒い目をした女の子がぼうっと立ってて、
その目の穴から赤い血がしたたってる。スプレーじゃなく、
油性マジックとかだと思いました。学生さんの一人が、

「あんまり怖くないみたいだから、じゃ、この部屋、一人ずつ入って
 浴室の鏡見てくることにしない。自分が死ぬときの顔は一人じゃないと
 見られないっていうから。大丈夫、ドアは開けっ放しにして、みなで待ってる」
それ聞いてやっぱり怖くなってきました。ダリアはすごくはしゃいで、
「やる、やる、待ってました~」って。それで、学生さん、私、学生さん
ダリアの順に部屋に入ることになったんです。最初の学生さんが終わって、
黙ったまま出てきました。次が私の番で「浴室は左側だから」って聞いて、
懐中電灯で照らしながら、こわごわ入っていきました。
浴室のドアを開けたら鏡があるのがわかりましたが、
私、そこでやめちゃったんです。まさか自分が死ぬときの顔が映る
はずはないと思うけど、万が一ほんとうだったら・・・

それで、見ないまま戻ったんです。次が学生さんで、最後がダリアの番。
ダリアはわざと懐中電灯の光を上下に散らしたりしながら入ってって、
少しして「ぎゃ~~~~」ってすごい悲鳴があがったんです。
ダリアの声です。学生さん2人がすぐ入っていき、怖いので私もついてったら、
ダリアが浴室でうずくまってて、鏡が割れてたんです。
暗くてよくわからなかったですが、ダリアの手から血が出てるようでした。
ダリアの両脇を学生さんたちが抱えて車まで戻り、両手の指が切れてたので、
タオルでくるんで救急外来のある病院に連れてったんです。
その間、ダリアはおびえた顔で、一言もしゃべりませんでした。
たぶん、鏡はダリアが素手で叩いて割ったんだと思います。結局、
ダリアの傷はたいしたことはなく、縫うまでもいかなかったんですが、

気まずい雰囲気になって、学生さんたちとは別れたんです。次の日、
出勤する前に、私のスマホにダリアから「お店休む」って連絡が来て、
「ケガが痛むの?」って聞いたら、「そうじゃなくて、鏡を見るのが怖くて
 お化粧できない」って言うんです。「え? 昨夜、何を見たの?
 ホントに自分が死ぬときの顔?」そう聞いたら、少し間をおいて、
「・・・50歳くらいの太ったオッサンの顔、白髪で無精ヒゲの」
それで切れちゃいました。それから、ずっとダリアはお店を休み、
街からいなくなっちゃったんですよ。噂だと、女装サロンで働いてるってことが
どうしてか実家の両親にばれてしまい、ダリアの部屋に押しかけてきて
さんざん説教されたり叩かれたりしたあげく、無理やり連れ戻された

ってことみたいです。それ以来、連絡はありません。
 
 


 

 
 
 
 
 
 

あ、僕、山本と言いまして、大阪の清涼飲料水の会社で営業を
やってます。短い話ですけど、いいんですよね。
僕ね、こう見えても神社仏閣に興味がありまして、休みのたびに
京都や奈良を見て回ってるんです。いやいや、もちろん一人ですよ。
安月給ですし、出会いの少ない職場なんで。でもね、これでも
けっこう歴史は勉強してるんです。寺社以外にも、古墳や
幕末の頃の旧跡なんかも訪問してるんです。あ、スミマセン、
よけいな話をしてしまって。それで、こないだの日曜のことです。

京都を訪れまして、・・・名前は言わないほうがいいですよね。
ある、さほど有名でないお寺を拝観して、
ご住職がいろいろ説明してくれたんです。お茶もっごちそうになり、
満足して出ようとしたとき、「あの、もし」後ろから呼びとめ
られたんです。「はい」とふり向くと、若いお坊さんでした。
「何でしょうか?」そう聞くと、お坊さんは少し口ごもってから、
「住職から、あたなを追いかけろって言われたんです。

 肉が切れる相が出ているから気をつけなさい、ってお伝えしろと」
「肉が・・・切れる? どういうことですか」 「わかりません。
 私はただ、住職の言葉をそのままお伝えしただけで」
「肉が切れる・・・事故か何かに遭うんでしょうか」 
「わかりません、もうしわけありません」 「ご住職にもう一度
 お会いして、詳しくお伺いしてもよろしいでしょうか」

「それが・・・住職は午後の勤行に入ってしまいまして、
 終わるまで3時間ほどかかります」ということだったんです。 
気になりますよね。でも3時間は待ってられない。それで、
とりあえず次に予定していた神社に行くことにしました。
そこも、あまり観光客は来ないようなところで、せまい参道を
ゆっくり歩いていると、掃き掃除をしていた神職が
私のほうを見ていて、「えっ!」と言ったんです。

「は、何か?」 「いや・・・こう言ってもお信じになるか
 わかりませんが、今ね、あなたの姿を見たとき、頭の中に、
 肉が切れるって声が響いたんです」 「ええ?」 それで、
さっきのお寺での話をしたんです。そしたら、「うーん、
 おそらくですが、そのご住職も、私と同じに肉が切れるという
 声を聞いただけで、詳細はわからないんじゃないでしょうか」 

「そんな、気味が悪いなあ。そういうことってよくあるんですか」 
「いえいえ、あなたが、今回が初めてです。だからきっと、
 とても重要なことなのではないかと」ねえ、どう思いますか。
お寺さんと神社、別々のところで「肉が切れる」ってお告げが
あるなんて、信じられないですよね。でも、実際そうだったんです。
それで、喫茶店などで時間をつぶしてから、最初のお寺を再訪し、
住職とお話したんですが、神職の方と同じで詳細はわかりませんでした。
ただ、私を見たとたん、どこからともなく「肉が切れる」という声を聞いた・・・

「肉が切れる」で、一番考えられるのは交通事故とかですよね。
僕は工場勤務でじゃないんで、機械に巻き込まれるとかはないし、
営業課にも裁断機なんかはありますけど、触ったこともないです。
あと、食事はいつも外食で、包丁なんかも持ったことはありません。
夕方になったので、とにかく大阪の自分の部屋に戻りました。
電車の事故とかなら、どうしようもないじゃないですか。それでも、
ホームの先端には近づかないようにしてましたよ。

それから、特に何事もなく12時を過ぎたので寝たんです。
月曜日から仕事ですから。翌朝、早く起きて、電車には乗らず
自転車で会社に行きました。30分くらいなんで、
たまにやってるんです。営業課では、他の人の机のペン立てにある
カッターなんかが気になりましたね。自分では絶対さわらないように
してました。で、その日は外回りはなかったので、
たまった事務仕事を処理してるうちに昼になったんです。

昼はいつも社食で食べてます。うちの社食は、ボリュームたっぷりで
しかも安い。味はそこそこですけど、まあそんなもんですよね。
やや遅めに入ったんで、ずらっと人が並んだ後ろにつきました。
食券とかはないんです。セルフなんでトレイを持って列に並び、
自分の番がきたんで、おばちゃんに「焼き肉定食」って言いました。
そしたら「あ、ごめんなさい。ちょうど前の人でお肉切れちゃったの」
って・・・ しかたなく塩サバ定食にしたんです。
その後は何も起きませんでした。

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