鳥のオカルト | 怖い話します(選集)

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今回はこういうお題でいきます。どんなことが書けますでしょうか。
まず、鳥類ってすごく多様ですよね。数cmのハチドリから、
2m以上になるダチョウまでが同じ鳥類に分類されます。
あと、必ずしも飛べるとはかぎりません。
ペンギンのように羽が退化してしまったものも、鳥類なんですね。

みなさんは「始祖鳥」という言葉を聞かれたことが
あるんじゃないでしょうか。現在の鳥類の祖先のように思われてる方も
多いようですが、実際には違います。最近の研究では、
鳥類は約2億年前ごろのジュラ紀の間に、
獣脚類恐竜から進化したというのが定説になってきています。

「タマゴが先か、ニワトリが先か」という議論がありますが、
そこから考えると、あるとき、恐竜の卵から突然変異で鳥が産まれたと、
ごく大ざっぱに考えてもいいような気がします。
つまり、タマゴが先ということになりますね。

関連記事 『卵が先かニワトリが先か?』

鳥装をした弥生時代のシャーマン
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さて、古代において、世界中で「鳥信仰」のようなものが見られます。
まず、空を飛べること、これは人間にはどうやってもできないので、
あこがれの対象になったんでしょう。それと、渡り鳥などは、
季節を知るための生物暦になっていたんです。

鳥型木製品
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日本の古代においても鳥信仰は見られ、弥生時代の土器などから、
鳥の姿をしたシャーマンの絵が見つかっています。
また、「鳥型木製品」とよばれる鳥の模型は奈良時代ころまで続いて
出土していて、おそらく水田耕作と関係があるものと思われます。

弥生時代の遺跡から、わずかですがニワトリの骨が発掘されていて、
中国から伝わったものかもしれません。当時のニワトリは小さく、
現在のチャボ程度で、食用ではなく、朝に時を告げるために
飼われていたと考えられています。おっと、また悪い癖が出てしまいました。
古代史には深入りしないようにします。




さて、鳥のオカルトもいろいろありますが、3つくらい取り上げてみたいと
思います。① 巨大な鳥 ② 不死鳥 ③ 鳥型のUMA ですね。
まず、巨大な鳥ですが、中国には「鵬 ほう」の伝説があります。
『荘子』には、北の果てにある海に「鯤 こん」という
体が数千里にもなる魚が住んでいて、これが時を経て、

やはり数千里にもなる巨大な鳥「鵬 ほう」へと変化する、と書かれています。
日食が起きるのは、鵬が太陽の前を横切るためとも言われます。
まあ、実際にはそんなものがいるはずはないので、
熱帯性モンスーンを象徴化、神話化したものともいう説があります。

フェニックス
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次に、②の不死鳥ですが、西洋ではフェニックスと呼ばれて、
古代エジプトからギリシア・ローマ時代の文献に登場します。
死が近くなると、自分から火山の火口などの火の中に身を投じて、
幼鳥となって甦るとされ、不死・再生の象徴です。
日本では、手塚治虫の『火の鳥』シリーズが有名ですね。

アメリカ先住民のトーテムポールのサンダーバード
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最後の③ですが、UMA界では、アメリカ先住民の伝説にある
サンダーバードが最も有名ではないかと思います。
クイルラユー族の伝承では、姿は大きな鷲で、羽の色は雷のようであり、
大きさは5m弱。雷の精霊で自由自在に雷を落とすことができるとされます。
それでサンダーの名がつくわけです。

プテラノドンの骨格標本 翼長7mでも体重はせいぜい15kgと中型犬程度
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で、このサンダーバードの正体として、・翼竜の生き残り説、
・古代の巨大鳥の生き残り説 ・既知の鳥類説があります。
まず、古代の翼竜、プテラノドンなどの生き残りという可能性は
残念ながら高くはないでしょう。深海と違い、もし生き残っているなら
もっと多数の目撃例があり、新しい時代の化石もあるはずです。

アルゲンタビスの復元模型
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次に巨大な鳥、アルゲンタビス説ですが、アルゲンタビスは
800万~600万年前に南米に棲息していた大型の鳥で、
翼長が最大で7m,体重が70kg程度、地上に降り立つと、
体高は人間の背丈くらいあったとされます。

ただ、翼竜の場合と同じで、これが生き残っているためには、
一定数の個体がいて、縄張りがあり、餌を狩っている姿が目撃される
はずです。それがないのは、やはり絶滅してしまったためと思われます。
それと、もともとのサンダーバード伝説は、
翼長が5m以下、そこまで大きい鳥というわけではないんです。

カリフォルニアコンドル


現在では、既知の鳥説が有力で、カリフォルニアコンドルではなかったか
と考えられています。翼長が約3m、体重10kg程度ですが、
これが空を飛んでいると、比較対象物がない場合には、
地上からはかなり大きく見えることがあると思われます。
羽が雷の色をしているというのも、上の画像を見れば納得できます。

サンダーバードというと、下の画像が有名です。完全に翼竜に見えますが、
これ、自分が海外サイトで調べたところによれば、1970年代、
映画の大道具として作られたもののようです。周囲にいる兵士の服装も、
南北戦争の実際の南軍のものとは違っているとされます。

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さてさて、日本にも巨大な鳥の捕獲例があり、1879年、
愛知県安城市三河安城で、全長8尺(約2、4メートル)の大きな鳥が
撃ち落とされたことが、当時の『安都満新聞』に載っています。
これにはアホウドリ説がありますが、詳細はわかりません。
では、今回はこのへんで。

ヒッチコック 『鳥』