砂漠を彷徨う民 | 士は己を知る者の為に死す

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主従関係は、征服支配よりも理解



2009年06月20日 日出ガスタンク



今日は、久々に師匠と別行動になった。


僕は、当初から近所の防波堤に行く気満々だった。先週、そんな話もしたし。しかし、師匠は一人で別府観光港へ行ってしまった。


「今日は、釣りは休みですか?」と、師匠からメール
「今日は、近所の防波堤に行きます」
「了解!別府観光港にいます」


って、おい!来いってこと?


今日は、行きましぇん!


まぁ、たまにはいいだろう。



近所の防波堤に着いたのは18時頃、餌擬(エギ)を振っている人や、サビキでゼンゴを釣っている人が数人いた。この防波堤、水深は満潮時で二ひろ。めちゃめちゃ浅くて、とてもじゃないがチヌが釣れるとは思えない。実際、日中は、餌取りに遊ばれて釣りにならないが、夜は絶好の狩り場になるのだ。


撒き餌を作り、最初の一投を入れる頃には、薄暗くなりかけていた。


時々、ウキが沈み、草ふぐやベラが釣れる。一度、もしや?と思う当たりがあったが、合わせを入れようとした瞬間、浮いてきた。


暗くなって、他の釣り人は、ひとり、またひとりと帰って行く。ついには、僕と先端のおじさん二人になってしまった。


しかし、当たりがない!ウキはぴくりとも動かず、餌もついたまま。餌取りだらけなのも辛いが、餌取りがいないのはもっと辛い。


午後10時、沖の波止へお迎えの船が出てゆく。かれこれもう2時間、魚の気配がない。


砂漠だぁ!


帰ろうか?粘ろうか?迷い迷っていつもの台詞
「どうせ帰ってもテレビを見るだけだし、撒き餌も残っているし、とことんやってみますかぁ?」
と、独り言を言って、決心を固める。


午後11時 「いる!」


何が、どうというわけではないけど、いるような気がする。


置き竿にしていた竿を手に取り、じっとウキ(ケミホタル)に目を凝らす。元々、ケミホタルが出るか出ないかの程度まで浮力を殺してあるから、波によって、ケミホタルが水面下に沈んだり、浮いたりしているのだが、沈んだ後のリアクションが、これまでと違う。


最近の僕は、ここでスパっと合わせを入れるところであるが、なぜか今日は違った。


静かに道糸を巻き、張る。じわじわとウキが沈む。手応えを感じたところで、ゆっくりと竿を立て合わせを入れると
「乗った!」


左は、ゴロた石の駆け上がり。あそこに突っ込まれたら、ひとたまりもない。防波堤を左に走り、竿を左に倒してゴロた石の方へ引っ張る。すると、魚は引っ張られる方に逆らって、右へと走る。


そっちに行けば、何の問題もない。好きなだけ走らせて、疲れたところで引きよせる・・・が、魚が再び走り出す。やけに元気がいい。予想外の大物?それとも鯔(ボラ)?


二回目の走りをいなして、タモに収める。ずしりと重い・・・が、鯔ではないようだ。


体長45センチ。立派なチヌでした。


気が付くと、海中には夜光虫が溢れ、撒き餌を入れると青白く光る。水面には、何かの稚魚がプランクトンを追いかけてぱちゃぱちゃと跳ねている。


「おぉ、さっきまでの砂漠のような海とは、全然違うじゃん。こりゃあ、大漁か?」


と、言うのは、釣り人の勝手な思い込み。その後真夜中に撤収するまで、ウキが沈むことはなかったとさ。