オリンピックを食い物にする企業ばかりの世の中で、難波のおっちゃんが吼えた。
「五輪で、日本の技術屋は大したものだと思ってもらえれば、それだけでいい」そう言って、ミズノ/アシックス/デサントの3社に素材の提供を申し出た。
これこそ、難波の商人(あきんど)の心意気。トライアスロンの世界では、圧倒的シェアを誇る同社。自社製品を売り込んでもおかしくないところなのに、上記の3社しか水着を納入できないのなら、素材として使ってくれたら十分だと言うのだ。山本化学工業製の水着がスピード社の水着に負けない性能であることは、数々の実験で証明されている。ある報道番組の特集で、平泳ぎの北島康介は「着れることになっても着ない」と言っていたが、本音だろうか?
そもそも、契約した3社以外の水着を着用できないのが不思議だ。オリンピックはアマチュアの祭典ではなかったのか?寄付という名の賄賂が流れていることは、想像に容易い(たやすい)。
上記3社は、昨年10月の申し出を断っているが、5月12日の日本オリンピック委員会(JOC)福田富昭強化本部長の発言「水着で速くなるなら、なぜその水着(スピード社製)を着ないんだ」を受けて、手の平を返すこととなった。
世界記録を連発しているスピード社の水着に世間の注目が集まる中、契約の上に胡坐を掻いていた3社は、この発言で奈落を垣間見た。もし、山本化学工業が水着メーカーとして認定されれば、自分らの出る幕は無い。ほとんどの選手が山本化学工業製の水着を着るであろうことは火を見るより明らかだ。或いは、スピード社が水着メーカーとして認定されても同じことである。
昔、あるひとりのマラソンランナーのためにシューズを開発したアシックス(当時は鬼塚株式会社)。あのストーリーには感動したのに裏切られた気分だ。