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美大に通う女子大生の“彼方”は、家計を支えるために高給のバイトを探していた。
見つけ出したのは、政治家の息子が飼う魚の世話で、なんと日給五万円。
バイト料が破格の理由は
「彼が現れると、必ず誰か死ぬ」
と言われるタナトス(死神)の家だからだ。
早速屋敷に向かった彼方を出迎えたのは、美貌の高校二年生“真樹(まさき)”と、ボディガードの“高槻”だった。
高槻に一目惚れしてしまった彼方だったが、その後事件が続発。
やはり噂は本当だった!
タナトスの呪いの前に、少しずつ心の均衡を崩していく関係者達。
彼方も例外ではなく、心の中では、ある恐ろしい計画が立ち上がっていた。
牙を剥く死神の呪い!
その中で彼方の運命は…!?


TANATOSシリーズの三作目です。
まず、初めに言いたいのは…、


「全っ然ミステリーではありません!!」


ミステリーのつもりで読み始めた私…。
この作者さんの前フリが長いのはいつものこと。
「どこでミステリーになるんだろう?」
と思っているうちに終わってしまいました( ̄▽ ̄;)


けして面白くなかったと言っているのではありません。
むしろ面白かったです。
ただ、ミステリーではなかったというだけで…。


この作者さん、路線を変更してしまうのでしょうか?
それともこれは、長い長~い前フリなのでしょうか?
この作品で決めようと思っていたのですが、判断がつきません。
ただ、一つだけはっきり言えるのは…、
「デビュー作とは全く畑違いの作風です。あのようなものを期待して読まないで下さい」


ではジャンルは何だ?というと、帯には“ラブ&ホラー”とあります。
それも間違いではありませんが、個人的には“哲学書?”ではないかと思います。
主要登場人物達の哲学が「これでもか!」と描かれてます。
おかげでキャラ萌えしてしまいました(笑)
ミステリーではないけれど、読み進めようと思うシリーズの一つになりました。


けして万人受けする作品ではありません。
個人的には好きですが。
「こんな人現実世界には絶対いない!」という濃いキャラが好きな方なら、気に入ってもらえるかもしれません。
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東城大学医学部付属病院不定愁訴外来(通称・愚痴外来)で、眼の癌のために眼球摘出する子供達のメンタルケアのため、小児愚痴外来が始まった。
担当の“田口”は慣れない子供相手に奮闘していた。
だがそんな時、患者で問題児の“瑞人”の父親が殺害され、病院内に捜査の手が延びる。
病院長の差し金で捜査に協力することになった田口だったが、そこに、厚生労働省の変人役人“白鳥”が現れ、またもコンビを組む羽目に…?!


海堂さん、間違いなく一作目よりレベルアップしてます!
ミステリー的には苦しいところがあったり、難しい医療用語が出てきたり、存在感のある登場人物が多すぎたりと、いろいろ言いたいことはありますが、それら全部を差し引いても、ものっすごく面白い!!
まさにエンターテイメント。
デビュー二作目だとは思えません。


テンポがいい、キャラクターがいい、そして、なにより“コンビ”がいい!
この作品の魅力は“コンビ”ではないでしょうか。
言わずと知れた田口&白鳥コンビ。加納&玉村の警察コンビ。救命救急センター部長速水&放射線科助教授島津の麻雀仲間コンビ。
一人だと、「うーん…」でも、二人揃うと魅力的。
あ、最後の麻雀コンビだけはピンでもかっこいいかも。
この二人を見ると田口の出世がいかに遅い(既に打ち止め?)かわかります(笑)


ミステリーとしての魅力はやはりロジック。
白鳥に負けず劣らずロジカルな人がいました。
その証明の仕方がちょっとミステリーからは逸脱しているのですが(^-^;


伏線的にチラチラ出てきた人達も気になります。
これ一作でも楽しめるとは思いますが、シリーズの中の一つ感は否めません。
早く読み進めていきたいです。
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警視庁目黒署刑事課巡査部長“小暮”は妻を事故で亡くし、高校生の娘“菜摘”と二人暮しだ。
菜摘の弁当作りを日課にしていたが、最近それもままならない。
管轄内で連続殺人が起きたのだ。
額に書かれた『R』の字、切り取られ持ち去られた足首。
その犯行の手口はある噂に酷似していた。
新作の香水を売り出すための口コミに登場する“レインマン”と呼ばれる殺人鬼。
この事件でのパートナーとなった、警視庁捜査一課警部補の女性刑事“名島”と共に捜査を進める小暮。
果たして犯人に辿り着けるのか。
そして、最後に明かされる衝撃の真実とは…!


ミステリーとして読むと苦しいところが沢山あります。
四十日以上捜査して、警察がこうも事実に近づけない事があるのだろうか?
あまりにも警察が無力です。
現実感がないほどに。


ですがっ!!
ホラーとして読むと一級品です!
怖い )゜0゜(ヒィィ
気持ち悪い(=_=Ⅲ


あってもおかしくなさそうな都市伝説ってたくさんありますが、それが実際に起きてしまったような恐怖感でした。
だって、いそうですもん、このての模倣犯。


「そこなの!?」とこの作品を読んだ友人達に言われましたが、最後に出て来た食べ物が一番怖かった。


タイトルから、『噂』の怖さを描いてるのはもちろん、そのほかの恐怖も沢山ありました。


後味はものすごく良くないです。
ですが、面白い!
たくさんの恐怖が一つに繋がっていく。
そして、最後にとどめを刺してくる。
書き方が上手かった。
気持ち悪さと怖さが独り歩きせず、きちんと物語の中に収まっている。
“読ませるホラー”としてオススメしたい作品です。