小林製薬は3月26日、健康被害の恐れがある「紅こうじ」のサプリメント約3年間継続して摂取したとみられる1名が腎疾患で2024年2月に死亡、もう1名死亡例も確認したと発表しましたガーン

居住地や性別、年齢は明らかにしていませんが、1例目の方は、2021年4月~24年2月に同社製造のサプリ「紅麹(べにこうじ)コレステヘルプ」を通信販売で定期的に購入し内服し、摂取量は計35袋に上ったようです。

摂取と死亡との因果関係が疑われるとして厚生労働省などの調査が入ります薬

死者が出てしまったことは非常に残念ですが、先日ブログで記載したとおり、透析を要するほどの重度な腎機能障害を発症したというのは極めて危険であり、今後さらに増える可能性もあります病院

3/28時点で死者は4人に増えました。

40代のある女性は、2023年11月に1か月入院し、軽快後サプリを再開して再び悪化。2度目の入院をしたとの事です。

この例で分かるように、公表が遅れたことは重篤な罪です。

命を軽視する行為だと言わざるを得ません。

 

死亡した方の遺族から小林製薬に対し、23日にメールで情報提供があったということです。

また、サプリを摂取した後に入院したとの情報が新たに約100人以上から寄せられていることも判明しました。

入院者数は106人ですが、さらに被害が拡大する見通しです。

武見敬三厚生労働相は26日の記者会見で、全国の自治体に健康被害の情報があれば報告するよう呼びかけているとして「原因究明や製品の自主回収、健康被害の拡大防止を図る」と述べました。

紅こうじを原料に使った食品や調味料の自主回収は全国に拡大しています。

小林製薬は食品メーカーなど52社に原料を供給していましたが、一部に卸売業者も含まれるため、実際に使っていた企業数はさらに多い可能性があります。

着色や風味付けなど紅こうじの用途は多様で、幅広い製品に影響が広がっています。

本田味噌本店(京都市上京区)は26日までに、「紅こうじ味噌」など4種類の商品を自主回収すると発表しました。

原料の紅こうじは小林製薬から入荷していました。海洋食品(沖縄県浦添市)も「豆腐よう」の回収を公表。

いずれも幸いなことに健康被害は報告されていません。

 

なお、小林製薬が23年に製造した紅こうじ原料18・5トンのうち16・1トンと、ほとんどを社外に販売したとのことで、自主回収を要請した各社への補償を今後検討するようです。

 

小林製薬 紅麹問題で行政処分 死亡の2人は同製品摂取

 

 

特に問題視されるのが、小林製薬が厚労相や保健所へ報告義務を怠っていたこと。

健康被害の確認から自主回収に踏み切るまで2か月もかかったことも異常ですし、企業姿勢が問われますプンプン

 

厚労相が遺憾とコメント~小林製薬の紅麹問題 

 

 

危険性の高いニュースなので、再度シェアいたします。

先日もブログで述べたように、このような健康補助食品の購入メイン層は、『高齢者』

高齢者は肝機能・腎機能などが若年者に比べて低いため、被害が生じやすいので摂取するサプリメントや薬剤には特に注意が必要です。

 

日常的には腎機能を意識することは無いと思いますが、皮膚の代謝や肝機能同様、全身の機能は少しずつ衰えてくるわけです。

 

医療機関で処方される薬剤の臨床試験も健康成人で行う事が多く、高齢者での薬理動態が不明瞭との指摘もあります。

同様の懸念は小児でもあります。

そのため、高齢者や小児を対象にした臨床試験も行われています。

 

下記は分かりやすくまとまった論文なのでご興味のなる方はご一読ください。

高齢者における臨床試験の留意点

 

サプリメントの臨床試験はどうか?

創薬からヒトでの臨床試験と異なり、投資金額が低いため、症例数は少なく規模は小さいのが通常です。

また、医薬品やトクホの商品と異なり、臨床試験の結果を審議されることもなく企業が書きたいように美辞麗句を散りばめられるのも、消費者を惑わせます。

 

消費者に効果効能を勘違いさせ、販売しようという意向が透けて見えるので、慶田はサプリメントの広告関連のお仕事は全てお断りしています電球

 

特にリスクが高いのが、通販で定期購入させる仕組みのサプリメント薬薬薬

今回の死亡例も、定期購入していた方でしたえーん

 

「初回限定キラキラ半額!

なんて文言に釣られてサブスク購入を始めたら最後、延々届くサプリメントを内服する習慣がついてしまいます。

ほとんどのサプリメントは、たいして効果も無い代わりに、害も無いのでしょうが、サブスクサプリはやめた方が無難です。

 

味噌や豆腐ようなどの食品なら、『ばっかり食べ』することもなく、被害が現れにくいと思います。

サプリメントは継続的に内服するからリスキーなのです!!

 

繰り返しになりますが、コレステロール値を下げる、血糖値をコントロールするなどの目的であればサプリメントではなく、医師の管理下で処方薬を内服してください。

『サプリメントだから安全』ではなく、『機能性表示食品には安全の担保は無い』のです。

 

臨床試験で安全性と有効性が担保された薬剤を医師に処方してもらってください。

国民皆保険の日本人が享受できる恩恵です。

ちなみに、これは世界的にも稀有なこと。

日本ほど医療レベルが高い治療を、安価もしくはただに近い金額で受けられる国はございません

 

皆様、そもそも、一般的な機能性表示食品とトクホの違いをご存じですか?

下記のブログでご紹介しました。

 

特定保健用食品(トクホ)とは、からだの生理学的機能などに影響を与える保健効能成分(関与成分)を含み、その摂取により、特定の保健の目的が期待できる旨の表示(保健の用途の表示)をする食品です。

特定保健用食品として販売するには、食品ごとに食品の有効性や安全性について国の審査を受け、許可を得なければなりません。(健康増進法第43条第1項)

 

つまり、『特定保健用食品』(トクホ)とトクホ非取得の機能性表示食品の最大の違いは、機能性に関する科学的根拠について国が製品を個別審査せず食品メーカーが自らの責任で機能性を表示できるので、論拠が薄い場合もあるのです。

 

自身の体に入れる薬剤はよく考えて選択しましょう。

 

※紅こうじとは?

こうじ菌とは、穀物を発酵させるカビの一種。みそやしょうゆに使われる黄こうじ菌や、泡盛に使われる黒こうじ菌などの種類がある。そのうちの紅こうじ菌を米に混ぜて発酵させたものが紅こうじとなる。赤色の色素が特徴で、天然の着色料としても使用されており、食品メーカーや酒造会社などが商品に混ぜて使用するケースがある。

 

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